深夜のコイン洗車機に思ったこと
私が幼少の時分、父はホンダのエアウェイブという天井がガラス張りになった車に乗っていた。鹿児島に住んでいたので火山灰やら野鳥の糞やらで頻繁にコイン洗車機に通っていて、それについていくのがすごく楽しかったのを覚えている。
回るモップが迫ってくる臨場感とか窓を伝っていく灰色の泡や打ちつけられる水の轟音と振動と、晴れた日にそこだけ局所的な嵐になったような、それを安全なガラス張りの車内から体験するのがとてもわくわくした。
恐らくその車を買った父はもっとわくわくしたんじゃなかろうか。洗車の度に目を光らせる私を乗せてガラス天井の車を走らせるのは、自分ながらさぞ楽しかったろうなと思う。
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