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アメリカでデザイナーに転生したら部署で一人だった件

ご無沙汰してます。Shinです。
前回の更新から一年以上経ち、いつの間にか大学院を卒業し、そして就職しました。

そうです。OPT(Optional Practical Training)という学生ビザの制度を利用した形になりますが、現地の医療機関でプロダクトデザイナーとして就職する機会を頂きました。昨年末から働き始め既に数ヶ月が経とうとしてます。

ここに来るまでは様々なハードルがあり、忍び寄る不景気の影もあり、話すと長くなるので、久しぶりに筆を取った怠惰な私は今日は軽めに職場と仕事のことを徒然なるままに書いていきたいと思います。

職場の話

全米トップ(らしい)病院で働くことに

私の職場はMayo Clinic(メイヨークリニック)というミネソタ州ローチェスターに本拠地のある非営利の総合病院です。メディアが公開する病院ランキングで常にトップクラスに入る常連であり、Fortune誌が発表する"100 Best Company to Work For"にも14年連続でラインクインしていたこともあるなど、アメリカではreputableな(評判の良い)組織です。設立が1864年と江戸時代から存在し歴史もあります。

全米トップ(らしい)と書いたのは、私が自動車業界の出身で医療業界に詳しくないため、恥ずかしながら面接を受けるまで全く知らなかったためです。日本に進出していないため一般の方には馴染みがないと思うのですが、医者の友人・知人に聞くと少し驚かれるほど有名で、色々な症例に対してMayo Clinic Criteriaという基準やガイドラインを世界中に発表しているそうです。

決して自慢しているわけではなく、まさか病院で働くことになるとは、、というのが率直な感想です。アメリカでは職場ではなく職種を選ぶと聞きますが、私も医療業界で仕事を探していたわけでなく、データ+デザインの職種に就きたいと思い動いていたら今ここに至ります。

Center for Digital Health

直接所属する組織はCenter for Digital Health(CDH)という3-4年前に出来た新しい部門で、日本的に言うとDXを実現する組織でしょうか。データサイエンティストが医療データを始めとする膨大な情報を古いシステムからクラウド空間に移行し、データエンジニア、デザイナー、プロジェクトマネジャー、ソフトウェアエンジニアがそれを活用して医療サービスの改善や研究の手助けをしている、と言うのが現在の理解です。

私はその中でもData Analytics Product and Servicesというデータ分析部署で働いています。デザイナーは知りうる限り私一人です。誤解を避けるため補足しますと、デザイン部署はCDHに存在し多くのUXリサーチャーやUX/UIデザイナーが所属しているのですが、私は別の部署にいわゆるFirst Designerとして採用されました。データ分析部署ですので、私の同僚はデータエンジニア(DE)、データサイエンティスト(DS)、そしてプロダクトマネジャー(PM)になります。

仕事の話

プロダクトデザイナーという広いお仕事

肩書はプロダクトデザイナーとなりますが、デザイナー業界の方から「それって何のデザイン?」「仕事はどこからどこまで?」とすぐ突っ込まれるのが目に浮かぶようです。

現時点で、メインの仕事はビッグデータを活用したB to BプラットフォームやプロダクトのUX/UIデザインですが、チームがデザインプロセスに慣れていないためリサーチャーとしてPMとユーザーインサイトの分析や商品要件の定義をしたり、データビジュアライゼーションのデザインもやってます。実装はソフトウェアエンジニア(SWE)がやるのですが、私自身はコーディングによるプロトタイプのスキルと興味があるので、今後はそこにも手を伸ばしていきたいところです。

また、CDHが設立されて3-4年経ちますが、チーム自体は私の上司が一年ほど前に立ち上げたばかりですので、業務内容はこれから変化していく可能性は大いにあります。

デザイナーの仕事を始めたばかりなので肌感覚がないのですけれども、この業務範囲は広過ぎるのでしょうか?CDHは社内スタートアップのようなカルチャーで、スタートアップで働くデザイナーはこのくらい業務範囲が広いのかなと勝手に想像しているのですが。。

ゼロからデザインカルチャーを立ち上げるやりがい

上記のような若干カオスとも呼べる状況に対し、今のところ私はとてもポジティブです。理由は3点。

  • 前職でマーケット調査とユーザー調査、定量・定性データ分析、ビジネス戦略の分析・提案を経験し、留学でUX/UIデザイン、データビジュアライゼーションを学んだ経験を活かすには、何かの専門職に特化するのではなく、領域横断的な仕事が向いている、かつ私の強みを活かして組織に貢献できると考えていたから

  • 大企業での経験を積ましてもらっていたため、次はスタートアップの環境で自分の幅を広げたいと思っていた。ただし、労働ビザのスポンサーを考えると現実的な選択肢ではなかった。そういう状況下で、社内スタートアップという中庸案で働けることになった

  • デザインプロセスやカルチャーを築く経験は中々得難い貴重な機会である。デザイナーにキャリアチェンジした人間なら尚更。全てが試行錯誤で下準備に時間もかかるし、コミュニケーションも四苦八苦だが、曖昧さや不確実性を尊ぶデザインのプロセスは私の好みに合うと留学を通じて気付いた

新しいことを裁量をもらってチャレンジさせて貰い楽しめています。

次回予告(仮)

ダラダラと職場と仕事のことを書いてきましたが、そろそろ「どうやってオファーもらったんだ?」と聞かれそうです。思い出すと辛すぎてウッ、頭が、、となるというのは冗談で、稿を改めた方が良いと思いますので、いつになるか分かりませんが次回に。

既にアメリカでの就職について書かれている記事は多くありますし、その点で私の経験が特殊だとは思いませんが、国・業界・職種全てが変わったサンプルはあまりないかも知れませんし、私自身にとっても一度振り返ることで読者の皆さんのお役に立つこともあろうかと考え、重い筆を上げられるように気力を振り絞りたいと思います。

また次回お会いしましょう!良き日々をお過ごしください。

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