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1 年間 1on1 を毎週実施してみた話

昨年 1 年間、自分がチームリーダーとして管轄していたチームのメンバーと毎週 1on1 を実施した振り返り note です。

1 年間毎週継続するとそれなりに多くの知見が得られたので、これから 1on1 を始めてみよう・1on1 のやり方に行き詰まったという方の一助となれば幸いです。

チームメンバー

ほぼエンジニア。あとからデザイナー加入。

* 7 年目のベテラン 1 名。
* 3~5 年目の環境に慣れてきて周りが見えてきた 2 名 (途中リソース調整で 1 名他チームへ移籍)。
* 新卒 1 名 (後半デザイナ +1 名)。

良かったこと

1. チームメンバーから半期 MVP を輩出できた。
2. (結果的に) 素早いメンタルケアができた。
3. 高いパフォーマンスを発揮することができた。
4. チャット・口頭どちらとも会話量が増えた。
5. メンバー間で前向きなディスり合いができるようになった。
6. 2 週間に 1 度のチーム定例 MTG 以外の MTG が無くなった。たとえば「方向性確認」「仕様認識合わせ」といった MTG。

あまり上手くいかなかったこと

1. 賑やかと騒がしいのバランス。
2. 自走とフォローのバランス。
3. ついアドバイスしてしまう。
4. 個人のキャリア・目標設定などの成長支援にうまく応えられなかった。
5. 人数に応じてスケジュール調整が大変。
6. 褒めるタイミングを逃しがち。

どのように取り組んだか?(最初の 1 か月)

事前に「シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング」を読んで、最低限の雰囲気だけ予習しました。

実は、社全体の取り組みとしてチームリーダー就任前から 1on1 自体は実施していたのですが、期間としてはほんの 1~2 か月程度なので、する側もされる側も 1on1 ビギナーといっても過言ではありません。

なのでしばらくは 1on1 という時間に慣れてもらうために、以下のことだけ気をつけながら 1on1 を実施しました。

1. 日時は 1on1 する側 (つまり僕) からアレンジする。
2. 最初は直近のタスクの話をフックに軽い進捗報告と方針相談。
3. あとは「なにか話したいことある?」と相手に振ってみて、そこから発展した雑談。
4. 30分で終了。

もちろんそれぞれに理由があります。

#1: 1on1 「する側」がスケジュール調整コストを持つ。
#2: スタートしたばかりは共通の話題が仕事なのは仕方ない。長い時間仕事の話はしないようにする。
#3: 相手に主導権を譲る。自由に話せるんだ、という雰囲気作り。
#4: 長時間は逆にストレスや疲労の原因になる (白熱した場合はそのまま継続)。

しばらく続けてみたある日、メンバーから「ちょっとした休憩ですね」と言われたので、ひとまず狙い通りの 1on1 の雰囲気が作れていたようです。

どのように取り組んだか?(2~4 か月目)

1on1 を始めて 2 か月目に入る頃、少しずつ内容に変化がありました。

1. (上辺ではない)業務でのモヤモヤ事例相談が増えた。
2. 趣味やオフの日の話が増えた。
3. 開催日時を変えた。
4. 開催有無を被 1on1 者にそれとなく委ねた。

こちら主導で変えたことは #3, 4 です。特に #3 は変更してよかった、と今でも思います。

3. 開催日時を変えた
変更前: 金曜日の夕方
から各人 30 分ずつ連続
変更後: 水曜日の夕方から各人 30 分ずつ飛び石で

1 か月やってみて、金曜日の夕方は色々とアカンという学びがありました。疲れ・早く上がって飲みに行きたいなどなど。気持ちがソワソワして 1on1 な雰囲気じゃなくなってしまうんですよね。なので、週のど真ん中水曜日の夕方に変更することにしました (数名除く)。

ではなぜ水曜日なのか?

週真ん中なので、週頭で躓いても残り 2 営業日で巻き返せる余地がある。

ただ水曜日に変更して気づいたことは、割と外部イベントだったり有給を当てる場合が多いこと。なんなら自分もw でも金曜日夕方実施よりは充実していたと思います。

また、チームメンバーとの 1on1 は同日に連続して予定を詰めていたのですが、だいたい白熱して 30 分以上かかることが多くなって後続のメンバーを待たせしまう・言い残しがあるのに 1on1 を中断しなければならない、といったことが度々起こってしまいました。

なので 30 分 1on1 して、30 分後にまた次のメンバーと 1on1する、と飛び石になるようにスケジュールを組むことにしました。これならば多少延長しても後ろを気にすること無く話すことができます。あと自分にも余裕が生まれました。

ただこれは、1on1 するメンバーが少ないからこそなせることだと思います。それでも 30 分後ろを空けておくテクニックだけはオススメしたい……。

どのように取り組んだか?(5 か月目)

5 か月を過ぎたあたりから、同じ 1on1 でもそれぞれ違った 1on1 スタイルが確立していました。

A: あらかじめ Google ドキュメントに相談したいこと・悩み etc. を記入して 1on1 に臨む。
B: ざっくばらんにノーガード戦法。
C: やりたいときに声がかかって実施 (それでもだいたい隔週)。

本来は A のスタイルが正攻法だと思います。もちろん B・C のメンバーが話した内容は Evernote なりにメモしておいて「先週のアレ、どうだった?まだ不安?」と必要に応じて確認したりしましたが。

どのように取り組んだか?(6 か月~)

この頃から通常業務のパフォーマンスが上がりはじめました。

何があったのか。そう、ドラマ「わたし、定時で帰ります」が放送されていた頃です。

では、ドラマとパフォーマンスに一体何の関係が?

1. チームチャットに「会社設定がウェブ系だから見てみない?」と提案。
2. 存外面白く (実況向きだった)、すぐにチームチャット (業務向けで、マネージャ役員も JOIN しているチャンネル) で実況が始まる。
3. 22 ~ 23 時にかけて盛り上がる。300 レスぐらいつく。
4. 翌日の 1on1 でも盛り上げる。

おそらく、

1. チームで盛り上がれる共通の話題ができたこと
2. チャットにテキストを打ち込む敷居がだいぶ下がった

からではないか、と考えています。

実況は始まる前は、業務チャットは業務用、みたいな不文律が多少あったように思います (そう思わせてしまっていたのかもと反省)。それこそ夜に業務用のチャットで実況を行うわけですから、障害と勘違いされてもおかしくありません。

気づいたらドラマが終わる 3 か月間、毎週火曜日夜に盛り上がるチャンネルになっていましたが、これをきっかけにチームチャンネルの雰囲気が変わり、比例して口頭での会話も増えました (やや騒がしいくらいに)。

まとめ (1on1 はいいぞ!)

そんなこんなで 1on1 を始めてから 1 年が過ぎ、期の終わりに自チームメンバーから MVP が、そしてありがたいことに自分も MVL (最優秀リーダー) に選ばれることとなりました。

自分はリーダー適正もマネージャー適正もありませんが、1on1 がうまくハマれば小さなチームをドライブさせることはできる、ということを 1on1 から学ぶことができました。

冒頭の「あまり上手くいかなかったこと」にも書きましたが、上手くいったことばかりではありません。「もっとうまい言い方があったのでは」「アドバイスに傾倒してしまった」など、毎回反省していました。

あと、1 年は長いようでめちゃくちゃ短いです。僕のやり方が下手くそなだけかもしれませんが、継続してようやく 1on1 が始まるものでした。

現在はチーム編成に変更があり、いちメンバーとして業務にあたっていますが、旧チームメンバーとはたまにランチに行ったり、ショットで 1on1 して近況を聞いたりしています。

めちゃくちゃ長くなりましたが、1on1 はいいぞ!で締めて終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

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