見出し画像

アナログ・レコードにまつわる話

1973年生まれの私にとって、アナログ・レコードは馴染みがあるようなないような微妙な存在です。

ロックとか聴くようになった中学生の頃って、既にCDが普及していました。(中学校一年生の時にCDっていうものを初めて見ました)

でも、ロックとか聴いてない小学生の頃だって家で音楽を聴くっていうことが全くなかったわけじゃないので、レコードやカセットテープで聴いてたんです。

そういう感じなんで私の世代にとっては、レコードは子どもの頃はよく聴いてたけど、ロックとかにハマって色んな作品を買い集めてたのはCDの方っていう具合です。

だもんで、アナログ・レコードに関するマニアックな話とかではなくて、私にとってのレコードにまつわる話っていうテキストです。

子どもの頃に触れたレコード

さっきも書いた通り、初めてCDというものを見たのが中学校一年生の時なのでそれ以前の音楽ソフトはレコードかカセットテープだったんです。

だから当時は、全く音楽を聴かないっていう家庭じゃない限り必ず家にレコードプレーヤーがあったんです。

居間にドーンと父のステレオが鎮座していて、ちょっといい音で聴きたい時はそのステレオでかけてもらうみたいな感じでしたが、子どもだけで聴く場合はてんとう虫のレコードプレーヤーで聴いてました。

ちょっと話が逸れますけど、「レコード」とか「ステレオ」って、けっこう大胆な呼称の決め方だと思います。

録音とか記録のことをレコードと言うから録音された盤を「レコード」と呼ぶ。左右のスピーカーから違う音だせる音響システムのことをステレオって言うから、そのシステムを搭載した音楽再生装置一式を「ステレオ」って呼ぶ。

話を戻して、子どもの頃に触れてきたレコードは主にアニソンとか歌謡曲のものでした。

ちなみに当時はアニソンなんて言葉はなくって、そもそもアニメっていう言い方はしてなかったです。「テレビマンガ」でした。ヤッターマンとかを視聴するという行為を「マンガを見る」って言ってました。

小さい頃、テレビマンガとか特撮ヒーローもののレコードを何枚か買ってもらって聴いてた記憶があります。「ロボット刑事」とか何作品かの歌が入ってるオムニバスのLPとか、「ジャングル黒べえ」とかが入ってるマンガの歌のオムニバスとか。

歌謡曲で買ってもらったもので覚えてるのはイモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」のシングル、横浜銀蝿の「ツッパリハイスクールロックンロール(登校編)」のシングルとか。

テレビ番組の「ベストテン」とかの全盛期には寺尾聰の「ルビーの指輪」とか堀江淳の「メモリーグラス」とか。この辺は父が買ってきたんだと思います。

LPはなかなか買ってもらえなかったんですけど、頼み込んで伊藤つかさのLPを買ってもらった記憶があります。何で聴きたいと思ったんだろう。

家にあったLPで今思い出したのがアニメ映画の「幻魔大戦」のサントラLPです。キース・エマーソンが参加してたんじゃないかな。ちなみに幻魔大戦は「マンガ」じゃなくて当時でも「アニメ」って言ってました。

普通のレコード以外にもソノシートっていうペラペラのレコードもありました。これは雑誌の付録とかでとじ込みされてたレコードで、本当にペラペラ。ちょっと厚めのクリアファイルくらいの厚みです。

ウチにあったソノシートで覚えてるのはドラえもんのラジオドラマみたいなのが収録されているものです。ちゃんと本物の大山のぶ代とかが出演してる贅沢な付録でした。「本物の大山のぶ代」ってすごい言い方だな。

今持ってるレコードをチェックしてみる

今現在我が家にレコード盤は10枚くらいしかないです。というか、かけるプレーヤーがないのでその10枚も聴くことはまったくないです。

このテキストを書くにあたってレコードしまってあるところをチェックしたら、こんな感じのラインナップでした。

・ジョン・レノンの「心の壁、愛の橋」
・スターリンの「フィッシュ・イン」
・ロッド・スチュワートの何か
・ビートルズのハリウッド・ボウルのライブ盤
・パール兄弟の何か
・フールズの「イージー・ドライバー」
・ビリー・ジョエルのワンツースリーフォー!みたいな歌のシングル

「心の壁、愛の橋」は当初CDで買ったんですけど、アナログ盤のジャケットに面白い仕掛けがあるって聞いてレコードも後から買ったんです。モンタージュみたいにペラペラめくって遊べるっていうね。

心の壁、愛の橋

スターリン、パール兄弟、フールズとかは学生の頃中古のレンタル落ちで色々買い集めたものの一部です。これらは単に安く買って聴けたから買い集めてたんです。

ビートルズのライブ盤(日本版アルバムタイトルは「ビートルズ・スーパー・ライブ」)は、当時CD化されてなかったから仕方なく買ったものです。今はCDになってるのかな?

こうして今手持ちのものをチェックしたり、かつて持ってたものを思い出してみると、圧倒的に中古で買ったものの方が多いです。9割中古って感じ。単純な話、新品買うならCDで買った方がトクっていう考えでした。

だから、レコードは中古とかレンタル落ちのものを二束三文で買ってきて聴くっていう感じでした。レンタル落ちのものなんかは劣化しているものも多かったので、音悪いけど安いから我慢して聴くっていう。

レコードは音が良いみたいな話はよく耳にしますが、それとは全く逆で私はレコード、ニアイコールで中古なんで音悪いけど安いんだからしょうがないみたいな感覚があります。

そんなこんなで一番多い時は数百枚あったと思うんですけど、邪魔になって片っ端からヤフオクに出品して処分しちゃいました。

レコード文化の復活

最近ではレコードは音が良いしなんかシャレオツ感があってイケてるみたいな感じで、ヒップスター文化界隈を中心に復活してるみたいです。

ちなみにヒップスターっていうのは古着屋で服買ったり、アートとかサブカル好きだったり、インディーズロック聴いてたりみたいないけすかない感じの文化のことです。

サブスクとかデータで買って聴くか、シャレオツ感でレコードで聴くかみたいな感じになってて、最近の新作でも作品によってはCDよりレコードの方が多く売れてるみたいな逆転現象も起こってるようです。

私はそもそもプレーヤーを持ってないし、今からあのレコードの不便さを味わってまでシャレオツ感を味わいたいとかそういうのはないんで、音楽ソフトを買う時もレコードはノーチェックなんですが、昔とは違ったレコード文化が発生してるのかもしれません。

確かに、往年のロックとかポップスの名盤がアナログ盤で復刻、限定版で色々な特典つきみたいな感じで発売されたとしたら、私よりちょっと上の世代の人が買うんじゃないかなって思います。

若い頃はお金がなくて豪華なステレオのセットも持ってなかったけど、今なら機材も良いのを揃えて、あの時の名盤をいい音で聴けるみたいな。

ヒップスター文化界隈と、レコード現役世代向けの復刻みたいな需要が合わさってレコード文化が復活してる感じがあるんだけど、レコード盤をプレスできる工場っていうのが少ないんですって。そりゃそうか。

だから大量に生産できない分プレミア感があって、その辺も好きな人にとっては価値がある感じがして良いのかもしれません。

今後レコードプレーヤーを買うとしたら

私の世代はレコードとCDのハザマ世代なんで、超便利なCDの恩恵を全身で浴びたっていう感覚があって、レコードの面倒さというのが本能レベルで刷り込まれちゃってるところがあります。

それを経てマニア的な方向でレコードに回帰っていうことに、私はならなかったのでなかなか今からレコード再びみたいな気持ちは湧いてこないのが正直なところです。

ただ、これからプレーヤーを買うとしたらと考えると、なるべくコンパクトで場所を取らないものがいいなあ。

これなんかは、昔のレコードプレーヤーにはなかった発想でデザインされていて良いと思います。LPより小さいプレーヤーって、こうして形を見るとなるほどなと思いますけど、昭和の時代には考えもしなかった発想です。

LPより小さいプレーヤーで思い出すのは、車の格好をしたレコードの上を走って溝に針を当てるっていうアレ。復刻されてるみたい。なんか盤に負担がかかりそうでちょっと抵抗あるけど。

特にレコードに強い思い入れはないと思ってたんですが、けっこう書けちゃいましたね。

レコードっていうもの、子どもの頃から当たり前にあったけど、ロックとかに興味を持ったタイミングでCDが普及して一旦消えて、おっさんになってからまた復刻してブームみたいなのが来てるっていう歴史をこの目で見てきてるので、特に思い入れはなくても自分の中に色々あったんだなって感じました。

いいなと思ったら応援しよう!