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問題解決能力を養う

真空管アンプを自作する事のメリットって実は色々あると思う。

勿論、出来上がった製品を買うよりも安くできるのでお財布に優しい。

そして、できた真空管アンプでいい音が聴けるので心穏やかに幸せになれる。

勉強しないとできないので、頭の体操になる。それは、きっとボケ防止になる。

勉強といえば、苦手で平均点もとった事がない私にとって、50年ほど遠ざかっていた算数、数学、物理の基礎をまた勉強できる。と言うよりも、当時、私には授業が早すぎてついていけなかったのだが、今は、自分が納得しながら、何回も同じところを繰り返して勉強する事ができるので、理解した時の達成感が嬉しい。もしかして、算数、数学が好きになるかも!もしかして、物理的センスがあるかも!と言う事に気がついた。

そして、一番大事なのは、うまくいかない時の問題解決能力を身につける事ができる事。
回路図通りに作ったはずが、音が出ない。音は出るが、左右のバランスが悪い。昨日までいい音で鳴っていたのに、今日は何か調子がおかしい。もっといい音が出ないだろうか?と言った疑問などなど、真空管アンプを自作していると、毎日色々問題や課題にぶつかる。
今は、ネットから色々な情報を得ることもできるし、作成本を読み漁る事もできる。そして、秋葉原のお店のおじさんにアドバイスをもらう事もできる。そのような様々な情報を駆使して、自分なりに、色々実験して、体感して、成功、失敗して、身についてくる。
そして、目の前の問題を解決する事ができた時の達成感は、もしかして、サラリーマン時代に義務でやってきたものとは違う、大きな喜びを味わう事ができる。俺って結構できるじゃん!と言う事。
勿論、他人と比較する必要がないので、自分のペースで好きなように、問題に対峙する事ができる。

人生なんて、問題解決の繰り返しで、それをどう乗り越えるかが大事だと思うのだけれど、真空管アンプ作成では、また、一つ問題が発生すると、ワクワクしてくるから、面白くてたまらない。
もし、真空管アンプ作成で、問題が発生しなかったら、もう既に、この趣味は卒業していて、ただ、ただ毎日音楽を聴いているだけになっていたかもしれない。いや、もしかしたら、音楽を聴く事も面倒くさくなって、ただ、ボーとしているジジイになっていたかもしれない。

この世界の巨匠、ペルケさんが言っている、「真空管アンプを作る趣味は、キング オブ ホビーだ」という事に納得しつつ、目の前にあるピラミッドの山のような、疑問と問題を一つづつ片付けてゆく楽しみを味わう今日この頃である。