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【 JC論考 】 事業計画 と DESIGN | 実は、「デザイン」力が鍛えられる
アートとデザインの違い
少し前から「デザイン思考」や「デザイン経営」という言葉を耳にするようになりました。
また、「アート思考」という言葉やビジネスとアートの関係性についても言及されることが多くなりました。
これについては、私のオススメの本でもある山口周さんの著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』や『ビジネスの未来』に詳細に書かれていますので、是非読んでみてください。
アートとデザインは、よく比較されますが、何が違うのでしょうか?
よく次のように表現されます。
アートは「問い」、デザインは「答え」である。
これは、アートは「問題提起」、デザインは「問題解決」と言い換えることができます。
ここまで来るとタイトルの「事業計画とDESIGN」の関連性が見えてくるかと思います。
「デザイン」とは何か?
デザインには、「広義のデザイン=DESIGN」と「狭義のデザイン=design」があります。
@chimiochimioさんは次のように定義しています。
▼広義(こうぎ)のデザイン
「目標(目的)」を達成させるための「計画(設計)」をすること。
▼狭義(きょうぎ)のデザイン
「設計」した事に基づいて、具体的な「カタチ」を作ること。
2012/04/16,2022/02/17閲覧,https://basicdesign-note.com/what-is-design/
一般的にデザインと聞くと、フライヤーなどビジュアル制作をイメージするのではないでしょうか?これはdesignにあたりますね。
なぜ、「デザイン」力が鍛えられるのか?
ここでJCの事業計画書について見てみます。
【 JC論考 】型があるから型破りで下記の通りJCI猪苗代の事業計画書の構造を紹介しました。
① 事業実施に至る背景
② 事業の対象者
③ 事業目的
④ 実施日時
⑤ 実施場所
⑥ 参加員数計画/広報戦略
⑦ 予算
⑧ 連携するパートナー
⑨ 実施組織
⑩ 事業内容(目的達成のための手法)
⑪ 工夫と期待される効果
⑫ 目的達成の検証
⑬ 前年度(前回)からの引継ぎ事項
⑭ 協議の前回までの流れ(意見と対応)
⑮ 審議対象資料
⑯ 参考資料
実際に事業計画書を作成するにあたっては、この項目一つひとつに理由・エビデンスを付記することになります。
◯ 背景に対して、設定した目的は適切か?
◯ なぜ、この日程、この場所なのか?
◯ なぜ、このパートナーと連携するのか?
◯ 目的を達成するにあたってこの内容はベストなのか?
◯ 目的達成の検証方法は妥当か?
どうしてそうしたのか全て根拠をもって説明できるようにしなければなりません。
まさしく、事業計画書作成=目的を達成するための設計であり、これはDESIGNにあたります。
なお、背景の部分は、アート力や調査力がものを言いますね。
正直、慣れないうちは事業計画書の作成は時間がかかります。
一つひとつ理由・エビデンスを付記、資料を添付するので、慣れないうちは面倒です……
しかし、これに慣れてきたということは、それだけ自分のDESIGNする力が高まり、思考が整理されてきたということです。
なにより、このDESIGN力は社業でも大いに活きてくる力です。
事業計画書のフォーマットに従って思考し、言語化していくことで着実にDESIGN力を高めることができます。
もちろん慣れるまで時間はかかります。
でも、私はあくまでJCは自身の発展・成長のための自己投資だと考えていますので、必要な過程・時間だと思います。
※この辺については、後日また書きたいと思います。
JCの事業計画のあり方については、中には「ムダなことをしている」「時代遅れだ」などと思っている人もいるかもしれません。
しかし、事業計画書作成を通してDESIGN力を鍛えていると捉え直してみてはいかかでしょうか?
総じて、簡単に得たものは失いやすく、身につき財産となるものは苦労して泥臭く得るものです。
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宮澤重嗣/MIYAZAWA Shigetsugu
會津藩祖保科正之公を始め、歴代會津藩主を祀る「土津神社」禰宜。
「幸福感受性の回復」という使命のもと、健やかな人間形成に資する會津武士道の矜持である「義」の心の発信に努めている。