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【 JC論考 】 人が動く「言葉」って? | 言語化と価値デザイン

思いが結構大事

JCでは「思い」が大切にされます。

この事業に対する委員長の思いを教えてください。

理事会などではこうした質問が度々聞かれます。

それでいいというわけではありませんが、上程議案の精度が十分でなかったとしても、事業に対する熱意や事業にかける思いが伝われば、信任し、可決することもあります。

事業の質は、事業に対する熱意や思いに左右されるから、ということもありますが、人は物事に真剣に向き合っている人には信を置きますし、協力したいと思うものです。

特にJCの場合、お金をもらってやっているわけではありません。

  • 地域をより良くしたい

  • こどもたちのために

  • 自分自身の成長のために

こうした思いから自分で会費を納めて自主的に活動していますので、その人の物事に対する熱意や思いがメンバーのインセンティブになります。

逆にこうしたものが伝わらなければ、メンバーの動機づけもままなりません。

どうやって思いを伝えるのか?

議案書の精度の高さで伝える、プレゼンで伝える、答弁で伝える、様々ありますが、いずれにせよその言葉に重みがなくては、伝わるものも伝わりません。

では、どうしたら言葉に重みが生まれるのでしょうか?

いかに「思い」があるか

これに尽きます。

言葉を発信する側の人間が、自身の体験から本心を語っていたり、心から伝えたいと思うことによる「必死さ」「切実さ」に因るところが大きい。
(中略)
思いが言葉の重みを生むのである。
その人自身の経験や体験、それによって培われた思考といった人間の源泉から湧き出る言葉にのみ込められる真実味や確からしさこそが、人の心に響くかどうかを決しているのだ。

梅田悟司,『「言葉にできる」は武器になる。』,日本経済新聞出版,2016

「伝えたい」と思っている時点で「思い」はあるわけなんですが、その思いを育てる必要があります。

議案とよく向き合ってください。

これも理事会などでよく聞かれる言葉です。
分かるようで分からない、分からないようで分かる言葉なのですが、今考えてみると、これは「思いを育てましょう」ということなのだと思います。

具体的に言えば「なぜこれをやる必要があるのか、この事業で何をどう変えたいのか、そのためにはこの方法がベストなのか、考えを広め、深めましょう」ということでしょう。


・  「言葉は思考の上澄みに過ぎない」
・ 「思考の深化なくして、言葉だけを成長させることはできない」
・ 「言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある」
・ 全てを理解していなければ、言葉にできない

梅田悟司,『「言葉にできる」は武器になる。』,日本経済新聞出版,2016

言語化と価値デザイン

思考を深め、外に向けて言葉に出すことで初めて価値が生み出されます。

多くの人が共感するような理念の創造、その説明、サービスや商品の企画・開発、それらを紹介する広告やポップ。

思考の深化を通して意味づけがなされ、言葉にすることで、価値あるコトやモノとして外に現れ出ます。

言葉にすることは簡単なようで、案外難しいもので、言葉にできる力は、価値を生み出す力に繋がる貴重な能力だと思います。

「伝わる」言葉を生み出す訓練の機会

JCでは、メンバー同士の交流や各種大会で行われるセミナー、フォーラム、シンポジウムなど思考が培われる様々な経験や体験をすることができます。

また、事業の設計・企画・実施を通して、考えを深めたり、考えを言葉にする機会を多く得ることができます。

こうしたことを繰り返すことで、物事に対する感度が磨かれ、思いの種をたくさん生み出すことができます。

そして、思考を繰り返すこと、経験することで思いの種から芽が出、大きく育っていくことで言葉に重みが生まれていきます。

体温が通った「伝わる言葉」を生み出す訓練ができるというのもJCのならではの強みだと思います。

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宮澤重嗣/MIYAZAWA Shigetsugu
會津藩祖保科正之公を始め、歴代會津藩主を祀る「土津神社」禰宜。
「幸福感受性の回復」という使命のもと、健やかな人間形成に資する會津武士道の矜持である「義」の心の発信に努めている。

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