こんな地域にしたい!「心耕し 心揺さぶり 心躍る 磐梯高原」|JCI猪苗代 2023-2027ビジョン
一般社団法人猪苗代青年会議所
2022年12月06日策定
はじめに
中期ビジョンとは ―
青年会議所(JC)は、「明るい豊かな社会の実現」を基本理念としています。青年会議所は一年ごとに組織・役職が変わる単年度制を採用しており、「明るい豊かな社会の実現」という基本理念を元に、その地域の社会課題等を踏まえて、当該年度の具体的な運動指針となる理事長所信が示されます。そして、理事長所信に示された概要から打ち出された組織や機能・役割をもとに、委員会等の役割ごとの運動方針である「基本計画」が定められ、この基本計画に基づいて具体的な運動展開がなされます。
しかしながら、超長期ビジョンである基本理念「明るい豊かな社会の実現」と短期ビジョンである「理事長所信」には、大きな余白があります。この余白を埋め、超長期ビジョンと短期ビジョンを繋ぐ架け橋となるものが「中期ビジョン」です。「明るい豊かな社会の実現」という基本理念の内容は、地域やその時代、社会情勢に応じて常に変化し、「中期ビジョン」という形で具体的に示されます。つまり、中期ビジョンとは「まちのありたき姿」と言うことができます。
単年度制を採用しているJCが展開する運動は、ともすれば断続的になり、継続性に欠ける状態に陥ってしまいます。しかし、ビジョンを掲げ、それを基に運動を構築していくことで、連続性のある運動展開が可能になります。
理事長所信・基本計画も、ビジョン達成に向けた具体的な個々の方針・指針にほかならないものです。猪苗代青年会議所は、まちのありたき姿に基づいて、その実現に向けて運動を展開していく必要があるとの考えから中期ビジョンを策定するに至りました。
まちの現状と課題 ―
磐梯高原エリア特有の資源|高原の豊かな暮らし
私たち一般社団法人猪苗代青年会議所が活動する猪苗代町・磐梯町・北塩原村からなる磐梯高原エリアは、奥羽山脈の中にあり、福島県のシンボルで宝の山と親しまれる霊峰・磐梯山と澄んだ湖水の美しさから「天鏡湖」と称される猪苗代湖を抱え、日本で2番目に大きな磐梯朝日国立公園が広がっています。
湖面標高514mと全国でも有数の標高の高さで、高冷地・豪雪地帯に属し、そうした環境が育んだ火山景観や受け継がれる山岳信仰、湖・沼・森が織りなす変化に富んだ美しい景観、そして、そこから生まれる多様なアクティビティが魅力の地域です。
地域の活力の低下と気象災害|人口減少と気候変動
一方で、磐梯高原エリアは、2045年には高齢化率44.23%になると推計されており、共同生活の維持が困難な「限界自治体」になりつつあります。また、世界経済フォーラムでは、2020年生まれのこどもたちは、祖父母世代と比べ、洪水に見舞われる回数が2.8倍、猛暑を経験する回数が6.8倍であることが報告され、気候変動による深刻な気象災害が増え、生活の基盤を揺るがしかねない状況になっています。
磐梯高原エリアの可能性|自然観光と交流人口の拡大
そうした中、政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針)」では、成長戦略の柱の一つとして、地方経済・雇用を支える「観光立国の復活」が示され、人口減少が進む中、観光等を通し交流人口を拡大させることで、地域の活力を取り戻し、地方創生を図るとしています。さらに、コロナ禍での地域への関心の高まりは、自然やアクティビティ、文化の体験に向かう人の流れを創出し、観光スタイルを変化させ、国立公園を始めとする「自然観光」に注目が集まっています。
リジェネラティブ(回復・再生)|サステナブル(持続可能性)のその先へ
私たちの生活は「環境」に大きく影響を受けています。その生活の積み重ねが文化となり、歴史となり、他にはない地域の価値を生み出しています。よく資源は「モノ」「ヒト」「コト」と表現されます。「モノ」を放置したままでは恵みを得ることはできません。「モノ」に「ヒト」の手が加えられることで価値ある「コト」が生まれます。つまり、「ヒト」がどんな価値観を持つかがまちづくりを左右します。
今、世界では、現状を悪化させないだけでなく、環境・社会・経済にとってプラスになるよう前進するというフェーズへと移行してきており、その概念がビジネスにも取り入れられてきています。磐梯高原エリアは、時代のニーズに即した資源に溢れ、今、正にその大きなポテンシャルを発揮できる時機であると考えます。
磐梯高原エリアらしさの追求と保全・再生|攻めと守り
愛郷心を育み、ここに住んでいて良かったと思える地域をつくる、そして、交流人口の拡大を通して地域を活性化させるためには、他にはない磐梯高原エリアらしさの追求が必要です。磐梯高原エリアの自然、生活、文化、歴史が他にはない魅力そのものであり、その利活用が幸福度向上とコンテンツの高付加価値化の鍵を握ります。
また、価値の根源たる自然は、有限です。無秩序な利活用は、自然そのものが持つ再生産能力を超え、自然環境を悪化させ、私たちの暮らしをも脅かします。この高原の豊かな暮らしを持続可能なものにするためにも、私たちの生活にリジェネラティブ(回復・再生)の価値観を積極的に取り入れていくことが必要です。
中期ビジョンの概要
中期ビジョンは、次代の向かうべき社会の主題として、「心」を中心に据えた上、各政策分野のビジョンを次のとおり策定しました。
政策分野ごとに目指すビジョンを掲げた背景は、導入文において説明しています。また、その後に続けて、当該ビジョンへと向かう運動を構築、展開するため、視点と切り口を小項目として整理して掲載しています。
これらの各視点は、ビジョンを達成する視点の一つであって、具体的な事業内容や運動の在り方を制限するものではありません。しかし、これらは各政策分野が抱える課題等から、中期ビジョンとの関係で重要性が高いと考えられるものを示したものです。各政策のビジョンへと向かうために、積極的に活用しながら連続性をもった事業を構築し、展開していきます。
コンセプト
霊峰
霊峰とは、会津富士とも称される「磐梯山」のことです。日本百名山に選定され、福島県のシンボルの一つで、磐梯朝日国立公園に属しています。
磐梯山は、古くから山岳信仰の対象とされ、「慧日寺」に代表される会津の仏教文化の発祥の山として、広く会津の人々から崇められ、心のよりどころとされています。
磐梯山は、1888年(明治21年)の大噴火の「岩なだれ」により、470余名の犠牲者を出しました。一方で、この噴火により、「五色沼」をはじめとする多くの湖沼群が創生され、多様な生き物を育て、併せて美しい景観が人々を魅了しています。
登山やパラグライダーなどのマウンテンスポーツ、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツの基地として多くの人で賑わいます。
こうした様々な恵みをもたらす資源の象徴の一つです。
天鏡
天鏡とは、磐梯山の四季折々の勇姿を映すことから天鏡湖と称される「猪苗代湖」のことです。日本百景に選定され、福島県のシンボルの一つで、磐梯朝日国立公園に属しています。
日本国内で4番目に広く、湖面の標高514mは、全国でも有数の標高の高い湖で、「猪苗代湖のミズスギゴケ群落」、「猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地」が国の天然記念物に指定されています。
入り組んだ岬、白砂青松の浜と変化に富んだ趣を見せ、夏はヨットやウインドサーフィンなどウォータースポーツの基地として、冬は白鳥の飛来地として多くの人で賑わいます。
こうした様々な恵みをもたらす資源の象徴の一つです。
織りなす
織りなすとは、糸を織り上げて、美しく立派な織物を作ることで、そこから様々なものを組み合わせ優れたものを生み出す様を意味します。
磐梯高原エリアの豊かな資源を利活用し、新しい価値を生み出す様を表現しています。
高原の暮らし
高原とは、標高が高く、開けた地形を言います。冷涼な夏の気候、排水のよい高燥な大地、豊かな森林地帯など、避暑に適した気候風土を有しています。
磐梯高原は、肥沃な大地と豊富で美しい水に恵まれ、水稲・野菜・花卉を中心とした多彩な農作物が生産されています。夏の涼しい気候は、野菜・花卉はもちろん蕎麦の生産にも適し、昼夜の寒暖差が質の良い美味しい農作物を育みます。
季節の移り変わり、四季をはっきりと感じることができ、生活にメリハリを生みます。四季折々の情景は、上質な空間をつくり、自然に寄り添ったゆったりとした時間を味わうことができます。
五感を豊かに刺激する自然と共生する暮らしは、生を実感し、幸せを感じることのできる感性を育みます。磐梯高原の暮らしは、こどもたちの将来や人生を豊かにする力「非認知能力」を高める情操教育に最適の環境です。
ビジョン
心耕し
磐梯高原エリアの主産業の一つである「農業」と「心の豊かさ」を象徴しています。
“農業”は英語で「agriculture」と言い、“教養”は英語で「culture」と言います。「耕す」を意味するラテン語「colere」に由来し、「culture」は元々「心を耕すこと」の意味で用いられていました。
土をよく耕すことで肥沃になり、農作物を豊かに育むように、より良い人間性を育むために、感性を豊かに耕していきます。
心揺さぶり
心揺さぶるとは、強く感銘を受けるということです。私たちの人格や言動はこれまでの体験に影響を受けています。
琴線に触れ、将来や人生を豊かにするような「原体験」を磐梯高原エリアから生み出していきます。
心躍る
心躍るとは、期待から心がわくわくするということです。楽しく、期待感があり、希望が持てる地域には自然と人が集まってきます。人と人とが集まると「化学反応」が生まれます。
磐梯高原エリアは豊かな資源に溢れています。そうした資源を利活用し、新しい価値を創出していきます。
心耕し × 心揺さぶり × 心躍る = 幸せを育む磐梯高原
人生最大の目的は、幸せになることです。幸せは心でしか感じることができません。
心を育み、心を豊かにする体験を重ね、未来に希望が持てる、そんな幸せを育むことができる磐梯高原を創造します。
キャッチフレーズ
磐梯高原エリアは、ポテンシャルの高い豊富な自然資源に恵まれ、そこから生まれるキャンプを始めとするアウトドアやエコツーリズムなどの多様なコンテンツも魅力の一つです。
そうした自然資源を活かしたアクティビティは、人間性を回復させる「遊び」であると同時に、五感を豊かに刺激し、自分で考え挑戦する姿勢や好奇心、感性、意欲を育む「学び」でもあります。
体験によって五感を刺激されたこどもは、感じたことを自分の言葉で語ろうとします。感じることが、表現への衝動を生み、言葉を豊かにしていきます。こうした非認知能力は、遊びの中でこそ育まれます。
磐梯高原エリアでは、人生を豊かにするかけがえのない価値ある体験ができるということを広く内外へ届けていきます。
スローガン
政策分野
■ 教育|アントレプレナーシップ人材の育成
背景
現代は様々な情報が溢れ、未来を予測できないVUCA時代にあります。モノがなく、衣食住に不便さがたくさんあった明治・大正・昭和の時代は、生活の不便さを解消するビジネスが中心でした。しかし、現代はモノがあふれ、目の前に見える不便さは少なくなっています。
今、正に「不便さを解消する」フェーズから「豊かさや新たな価値を生み出し、提唱していく」フェーズへの転換期にあります。
こうした局面にある今、人々の心を掴むようなビジョンを描き、自発的に問題解決・課題達成に取り組んで結果を追求する人材や、新しいことに積極的にチャレンジしてイノベーションを創出する人材、高い創造意欲を持って行動できる人材などが求められます。
視点と切り口
アントレプレナーシップの向上
アントレプレナーシップとは、新しい事業を創造しリスクに挑戦する姿勢を持つ「起業家的行動能力」のことです。そうした力を持った人材が地域に増えることは、地域の活力向上に繋がります。
非認知能力の向上
非認知能力とは、積極性や粘り強さ、リーダーシップやモチベーションの高さといった数値では図りにくい能力のことです。これは、人間性・人間力やアントレプレナーシップの基礎になるものです。
主なターゲット|年代
JCI猪苗代正会員
幼年/少年/青年/壮年
■ 経済|資源の高付加価値化の推進
背景
私たちの生活は「環境」に大きく影響を受けています。その生活の積み重ねが文化となり、歴史となり、他にはない地域の価値を生み出しています。
コロナ禍での地域への関心の高まりは、自然やアクティビティ、文化の体験に向かう人の流れを創出し、観光スタイルを変化させ、「自然観光」に注目が集まっています。
私たちの生活・文化・歴史を単なる消費コンテンツの一つで終わらせることなく、その人の人生を豊かにし、交流人口から関係人口、定住人口に繋げていくためには、磐梯高原エリアらしさの追求とストーリー創出による資源の高付加価値化が必要です。
視点と切り口
エコツーリズムの推進
エコツーリズムとは、自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指すものです。これは、旅の学びを生活に取り入れ、人生を豊かにするトランスフォーマティブ・トラベル(変容の旅)の基礎になるものです。
トランスフォーマティブ・トラベルの中心的な顧客となるのがSBNR(無宗教型スピリチュアル)層とET(異文化好奇心を持つ旅慣れた知的旅行者)で、磐梯高原エリアには、この層が求める高価値の体験を創出できる資源に恵まれています。
ブランドアンバサダーの育成
ブランドアンバサダーとは、新たなファンの獲得を目指し、地域やブランドの魅力を広める人のことです。地域住民が一人ひとりが磐梯高原エリアの魅力や価値を広める力を身につけることで、愛郷心が育まれるとともに、磐梯高原エリアのブランドが高まり、交流人口拡大に繋がります。
主なターゲット|年代
JCI猪苗代正会員
青年/壮年/中年/高年
■ 環境|リジェネラティブの普及
背景
磐梯高原エリアの価値の根源たる自然は、有限です。無秩序な利活用は、自然そのものが持つ再生産能力を超え、自然環境を悪化させ、私たちの暮らしをも脅かしています。
資源は「モノ」「ヒト」「コト」と表現されます。「モノ」に「ヒト」の手が加えられることで価値ある「コト」が生まれ、「ヒト」がどんな価値観を持つかがまちづくりを左右します。
この地域での暮らしを持続可能なものにするために、私たちの生活にリジェネラティブ(回復・再生)の価値観を積極的に取り入れていくことが必要ですが、基礎となるSDGsが十分に浸透していないのが現状です。
視点と切り口
SDGsの浸透
リジェネラティブ(回復・再生)とは、現状を悪化させないだけでなく、環境・社会・経済にとってプラスになるよう前進するといった、サステナブル(持続可能性)の先にある価値観です。SDGsの浸透を図ることで、リジェネラティブの普及の土壌を耕します。
SDGsのビジネスへの統合
SDGsやリジェネラティブ(回復・再生)の価値観が重要であるとはいえ、直接的な利益に繋がらなければ、広くこの地域に浸透することは叶いません。SDGsウォッシュになる可能性がある表面的なSDGs推進ではなく、ビジネスと統合した本質的なSDGs推進を図ります。
主なターゲット|年代
JCI猪苗代正会員
少年/青年/壮年/中年/高年
■ 社会|価値デザイン社会実現の推進
背景
2019年、内閣府は国家戦略として新たな価値創造を行える人材の育成による「価値デザイン社会」の実現を提言しました。
価値デザイン社会の実現のための柱として、 個々の主体を強化し、チャレンジを促す「脱平均」、イノベーションを促進する「融合」、価値が実現しやすい環境を作る「共感」 の3つが掲げられています。
地域の活力を高め、交流人口を拡大していくためには、自然環境、文化、歴史など磐梯高原エリアの豊かな資源を利活用し、他にはない豊かさや新たな価値を生み出していく土壌づくりが必要です。
視点と切り口
ダイバーシティマネジメントの推進
ダイバーシティマネジメントとは、多様な人材が共存、その多様性が活きる環境を整え、事業の成長と組織の強化を促進することです。これは、価値デザイン社会の基礎となるものであり、しなやかな組織づくりに繋がります。
価値デザイン人材の育成
価値デザイン人材とは、価値の根源たる本質を捉えた上で、「これまでのビジネスモデル」を分解し、理念やビジョンに基づいて、時代に即した新たな価値を生み出す「これからのビジネスモデル」を再構築できる人材のことです。こうした能力を高めることは、変化に柔軟に対応できる人材、組織づくりに繋がります。
主なターゲット|年代
JCI猪苗代正会員
少年/青年/壮年/中年
■ 組織|地域に最も必要とされる組織の確立
背景
JCを通して成長し、ビジネスに活かし発展させていくことで、地域経済も活性化し、地域の活力が高まります。様々な情報が溢れ、変化が早く、未来を予測できないVUCA時代にあって、次なる潮流をいち早く掴むことは、ビジネスの継続・発展にとって重要なことです。
しかし、ビジネスの発展に活かせる学びが得られるとしても、JC活動が家族や社員、地域住民の理解や共感が得られ、応援してもらえるものでなければ、メンバーが能動的かつ持続的に活動することはできません。JCは異業種の集まりで多様性があります。その多様性を活かし、イノベーションを促進するためには、個々の状況への合理的な配慮が必要であり、その多様な人材が活動しやすく、最大限に能力を発揮できるよう戦略的に環境を整備することが必要です。
そして、地域に「対流」を生み続け、活力を高めていくためには、持続的にリーダーを育成、輩出する体制を構築する必要があります。
視点と切り口
最先端の学びの提供
最先端の学びを提供し続けることは、組織の求心力と影響力を高め、会員の拡大とJCのブランディングに繋がります。
大切な人を幸せにする組織に向けた環境整備
「メンバーの大切な人も幸せにする」という配慮や環境整備は、メンバーの心理的安全性を確保し、生産性と活動満足度を高め、組織の持続可能性の向上に繋がります。
主なターゲット|年代
JCI猪苗代正会員
青年/壮年/中年/高年
フェーズ
当該年度の理事長の裁量を確保するため、ここでは到達点ではなく、運動の広がりの目安を示しています。
到達点は当該年度の理事長が、中期ビジョンに基づく運動の展開、進捗状況を踏まえ、理事長所信・基本計画で示すものとします。
■ 2023年|1年目|認知
対内|認知・理解・共感・実践・協働
中期ビジョンの認知・理解・共感の推進の取り組みと実践・協働を通しての促進
対外|認知
中期ビジョンへの周知と理解推進
パートナーの創出と協働の推進
■ 2024年|2年目|理解
対内|認知・理解・共感・実践・協働
中期ビジョンの認知・理解・共感の推進の取り組みと実践・協働を通しての促進
対外|理解
中期ビジョンへの周知と理解推進
パートナーの創出と協働の推進
■ 2025年|3年目|共感
対内|認知・理解・共感・実践・協働
中期ビジョンの認知・理解・共感の推進の取り組みと実践・協働を通しての促進
対外|共感
中期ビジョンへの理解促進
パートナーの創出と協働の推進
中期ビジョンの中間検証と修正
■ 2026年|4年目|実践
対内|認知・理解・共感・実践・協働
中期ビジョンの認知・理解・共感の推進の取り組みと実践・協働を通しての促進
対外|実践
中期ビジョンへの周知と理解促進
パートナーの創出の推進と協働実践
■ 2027年|5年目|協働
対内|認知・理解・共感・実践・協働
中期ビジョンの認知・理解・共感の推進の取り組みと実践・協働を通しての促進
対外|協働
パートナーの創出の推進と協働実践
中期ビジョンの検証と結果の報告
NEXT VISIONの策定
用語説明
バックキャスティング思考(Backcasting)
現在から未来を考えるのではなく、「未来のあるべき姿」から「未来を起点」に解決策を見つける思考法のこと。
反対に、現状からどんな改善ができるかを考えて、改善策をつみあげていくような考え方をフォアキャスティング(Forecasting)と言います。
限界自治体
65歳以上の高齢者が地方自治体総人口の過半数を占め、農業用水や森林、道路の維持管理、冠婚葬祭などの共同生活を維持することが限界に近づきつつある自治体のこと。
リジェネラティブ(Regenerative)
「回復・再生」と訳され、環境・社会・経済をより良い状態に再生させることを目指す考え方のこと。サステナブルの先にある概念。
サステナブル(Sustainable)
「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」を意味し、環境・社会・経済の持続可能な発展を目指す考え方のこと。
フェーズ(Phase)
段階、局面。ビジネスでは主にプロジェクト管理に使用され、プロジェクトをいくつかの工程に分ける際に「第1フェーズ」「第2フェーズ」などと使用する。
交流人口
その地域に訪れる人々のこと。 その地域に住んでいる人々を意味する「定住人口」、地域と多様に関わる人々を意味する「関係人口」の裾野にあたり、交流人口を拡大し、裾野を広げることは、外貨の獲得と関係人口、定住人口の増大に繋がります。
幸福度
幸せの程度。一人ひとりの幸福を所得などの経済的要素に限ることなく、家族や社会との関わり合いなどの要素も含めて評価する考え方のこと。
非認知能力
積極性や粘り強さ、リーダーシップやモチベーションの高さといった数値では図りにくい能力のこと。社会情緒的スキルともいわれ、「世渡り力」に通じます。
情操教育
「自分で考える力」や「感じ方」などを形成するために必要な「心」や「人間力」を育てる教育のこと。 感受性が豊かなこどものうちに行うことが大切と言われています。
琴線
心の奥に秘められた感じやすい心情を刺激して、感動や共鳴を与えること。
原体験
一般的に、原体験とは、その人の人格形成や、行動の方向づけに、知らず知らず影響を及ぼしている幼少期の体験を意味しますが、人生の分岐点をもたらすような体験は青年期でも壮年期でも訪れます。
ここでは、幼少期だけにとどまらず人生において分岐点をもたらすような前向きで豊かな体験を「原体験」と鉤括弧つきで表しています。
化学反応
複数のものが組み合わされて、予想しなかった効果が生じること。
アウトドア (Outdoor Activity)
屋外での活動を指す総称。具体的に言えば次のように列挙できます。
キャンプ、ハイキング、トレッキング、トレイルラン、スカイランニング、登山、沢登り、スキー、ケイビング、山菜採り
湖水浴、サップ、カヤッキング、セイリング、チュービング、ラフティング
パラグライディング
釣り(海釣りや川釣り)、狩り
野鳥観察(バードウォッチング)、植物観察などといった自然観察、森林浴
ホエールウォッチング、シップウォッチング、野外で行う天体観望 など
エコツーリズム(Ecotourism)
地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組みのことです。
観光客に地域の資源を伝えることによって、地域の住民も自分たちの資源の価値を再認識し、地域の観光のオリジナリティが高まり、活性化させるだけでなく、地域のこのような一連の取り組みによって地域社会そのものが活性化されていくと考えられます。
アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)
新しい事業を創造しリスクに挑戦する姿勢を持つ「起業家的行動能力」のこと。具体的な能力は次の通り。
マネジメント力とリーダーシップ
クリエイティビティ
コミュニケーション力とネットワーク構築力
ポジティブシンキングとチャレンジ精神
責任能力
未来を描く力
情報リテラシー
問題発見・解決力と課題設定・達成力 など
年代(厚生労働省「健康日本21」 より)
幼年|0歳〜4歳
少年|5歳〜14歳
青年|15歳〜24歳
壮年|25歳〜44歳
中年|45歳〜64歳
高年|65歳〜
VUCA(ブーカ)
先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態のこと。
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。
イノベーション(Innovation)
モノや仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新や刷新、変革をもたらすこと。
情報リテラシー(Literacy)
世の中に溢れるさまざまな情報を、適切に活用できる基礎能力のこと。玉石混淆の情報が溢れる現代にあって必須の能力。リテラシーは、英語で文字の読み書き能力を表す「識字」を指し、情報を組み合わせて「情報を正しく読み解き、発信できる」との意味になった。具体的な能力は次の通り。
情報を検索・取捨選択する力
得た情報が本当に正しいものか見極める力
情報を正しく解釈・分析・評価する力
情報を正しく作成・発信する力 など
玉石混淆
良いものと悪いもの、優れたものと劣ったものが入り混じっていること。
トランスフォーマティブ・トラベル(Transformative Travel)
旅で得た発見やインスピレーションを自身の日常生活に取り入れ、人生をより豊かにする旅のこと。「変容の旅」とも言われる。
ブランドアンバサダー(Brand Ambassador)
地域や企業、ブランドに対して好意的な意見や情報を発信し宣伝を行う人のこと。アンバサダーとは、「大使」の意。地域や企業、ブランドの魅力を広め、新たなファンの獲得を目指します。
SDGs|Sustainable Development Goals(持続的な開発目標)
2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。
17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
SDGsウォッシュ
SDGsに取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスのことを揶揄する言葉。
価値デザイン社会
「経済的価値にとどまらない多様な価値が包摂され、そこで多様な個性が多面的能力をフルに発揮しながら、「日本の特徴」をもうまく活用し、様々な新しい価値を作って発信し、それが世界で共感され、リスペクトされていく」社会のこと。2019年に内閣府が提言した国家戦略。価値デザイン社会の実現のための3つの柱は以下の通り。
脱平均|「脱平均」の発想で個々の主体を強化し、チャレンジを促す。
融 合|分散した多様な個性の「融合」を通じた新結合を加速する。
共 感|「共感」を通じて価値が実現しやすい環境を作る。
ダイバーシティマネジメント
あらゆるバックグラウンドを持つ人々を組織に取り込み、その多様性を活かして事業の成長と組織の強化を促進すること。
ダイバーシティとは、個人や集団の間に存在しているさまざまな違いのこと。また、そうした多様な人材が集まっている状態のことであり、表層的なものと、深層的なものに大きく分けられる。具体例は以下の通り。
表層的ダイバーシティ
自分の意思で変えることができない生来のもの、あるいは自分の意思で変えることが困難な属性。
人種
年齢
ジェンダー
障害
民族的な伝統
心理的能力
肉体的能力
特性
価値観
性的傾向 など
深層的ダイバーシティ
表面的には同じに見え、大きな問題とは思えないけれど内面的には大きな違いがあり、そのことがかえって問題を複雑にする側面を持ったもの。
宗教
職務経験
収入
働き方
コミュニケーションの取り方
受けてきた教育
第一言語
組織上の役職や階層
価値デザイン人材
価値の根源たる本質を捉えた上で、「これまでのビジネスモデル」を分解し、理念に基づいて、時代に即した新たな価値を生み出す「これからのビジネスモデル」を再構築できる人材のこと。
SBNR|Spiritual But Not Religious(無宗教型スピリチュアル層)
特定の宗教への信仰を持たないが、物質的な豊かさ以外の精神的な豊かさを求める信仰的スタンスのこと。「Spritual But Not Religious」の略で、日本語では「宗教的ではないがスピリチュアル」という意味です。
欧米を中心にSBNR層が拡大しており、日本の独特の宗教観および自然観は、SBNR層に強い関心を持たれています。日本は特定の信仰を持たない人が多い一方で、宗教的な心を尊重しているという、世界でも珍しい宗教的価値観を持っており、SBNR的な性格を元々備えているため、親和性が高いと言えます。
ET|Educated Traveller(知的旅行者)
異文化に好奇心を持つ旅慣れた知的旅行者のこと。海外旅行市場が成熟した欧米諸国に多く、中長期の滞在に依る異文化交流を好むのが特徴です。
対流
気体や液体が熱せられると軽くなって上へ移動し、冷たい部分は下降して上下が入れ替わる動きのこと。ここでは、地域活性化のイメージとして、「対流」と鉤括弧つきで表しています。
心理的安全性
組織や集団の中でも自然体の自分でいられる環境のこと。
組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。メンバー同士の関係性で「このチーム内では、メンバーの発言や指摘によって人間関係の悪化を招くことがないという安心感が共有されている」ことが重要なポイントです。