2022.9.16 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
大阪市立美術館で「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見ました。
とりあえず、
ゴッホとフェルメールは舐めたらアカン。
▼長蛇の列・大阪人のモラルの高さ
会期が9/25までなので、混んでいるのかと思い事前に調べた。
最近は密を避けるため「日時指定制」にしている美術展もあるので。
すると、
・平日は「日時指定なしチケット」で行ける。
・でも当日チケットを買うのに時間がかかるので、オンラインチケットを買った方が無難
とあったので、「じゃあ、ふらっと行ってもチケットさえ持っていれば入れるんだな」と思い、オンラインで事前に平日チケットを購入し、平日の午前中に行った。
長蛇の列。
入館人数をコントロールしているため、チケットを持っていても持っていなくても並ばないと入れないのだ。
・・・100人以上は並んでいたと思う。
しかも、「当日券を持っていないのでこれから購入する人の列」と「すでにチケットを持っていて入館待ちの人の列」があって、「これから購入する人」の方が少ないため列が速く進む(ように見えた)。
おいおい!!( `Д´)ノ
せめて美術館側のTwitterでそういうこと(入館待ち20分とか)をもっと分かるように発信してほしかった・・・。
しゃあない。炎天下の中、屋根も何もないところで列に並ぶ。
平日の昼間に来るもの好きな中年は私くらいだ。ふつうは働いている。
子どもも学校であるから家族連れもいない。
あとはシニア。シニアシニアシニア。
大阪の人たちは文句も言わず「まあフェルメールだから」っていうかんじで、おしゃべりしたりして、おとなしく待っている。誰もイライラしたり文句を言う人はいない。列を横入りしたりもしない。
素晴らしいモラル。
ちょっと感動して反省した。
たぶん東京だったら、ぜったい何人かイライラしながら待ってる人とか、「当日券買うやつの方が速いぞ!」とクレームをつける人が出てるね。ぜったい。
東京の方が「イラチ」(※せっかち、という意味。関西~東海圏で使われる方言)なのかもなーと思った。
私はもちろんイラチなうえに、待たされると思ってなかったのに待たされるし、ちょっと涼しくなったと思ったら今日はまた暑いし、いわゆる「ケツが決まっている(後に予定があるためここを出なくてはならない時間が決まっている)」状態だったため、めちゃくちゃイライラしながら待っていた(笑)
それでも列は順当に進み、ようやく入ることができた。
▼フェルメール以外
館内はまあまあ混んでいたが、さすが人数をコントロールしているだけあって、バレンタインデーの名古屋タカシマヤみたいな(※密集し過ぎて息がつまることの例え)ようなことにはなっていなかった。
忍耐強く少しずつ進んでいれば、各絵をじっくり見ることも可能です。
ただ、杖をついていたり車いすの方もいらっしゃるので、方向転換の際は注意。
ただ、まあこういっては何だけど、「オランダの画家の絵」というだけだったら私はちょっと見に行かなかったと思う。。。
みんなもたぶん半分くらいは「フェルメールの絵が見たい」と思って来ているのだろう。
ここに出ていたオランダ絵画(主に17世紀)の特徴は、
ド素人の私が見るに・・・以下のようであった。
ということで、
みんな、フェルメール以外スルーしがち、という状況になっていた。。。
私も「ケツカッチン」だったため、やむなく、ささっと見て回ることになってしまったのだが、くやしい。
チケット2100円もしたのに!! もっと各絵をゆっくり見たかった。
他の画家も、フェルメールと並べられると可哀想というか、たぶん「いい迷惑」と思ってるんじゃないかと思う・・・。
レンブラント大先生の絵もあったんですけど、それもなんか気もそぞろで見てしまった。これがまた、女性の肖像画だったんだけど、「麗子微笑」みたいにちょっと笑顔が怖くて(失礼)・・・。
▼オランダの寓意
西洋の絵画、特に聖書のシーンを描いた絵などによくある「寓意」。
右手が上を指している=「天」、とか、地球儀=「王様(世界制覇)」とかなんかそういうやつ。
今回の展覧会に出ているオランダ絵画には「寓意がないと絵じゃない」というくらい、寓意が込められまくっていた。
鳥を売っている老婆は、獣を売っている=売春を斡旋する遣り手婆、それを買っている若い女の靴が脱げているのは「失われた純潔」だ、とか。
音楽を演奏している女性は男性を誘惑しているのだ、とか。(なんで?)
ワインのそばに必ず「皮をむきかけたレモン」が置いてあるのだが、それはワイン=豊穣、レモン=すっぱい=節制、であるとか。
いや、あの、うるさい(笑)
昔の人全般に言いたいのは、女の純潔を大事にし過ぎだと思う。純潔を失わなければ子どもも生めない。守ればいいというもんではない。だいたい男の純潔はどうなの?
ワインだって好きに飲みたい。そばにレモンがあったら「梅干し」みたいに気になって仕方ない。
しかし私がここで文句を言っても、オランダの画家たちがそれを止めてくれるわけではない。
あと肖像画。これはまあ寓意というほどではないが、服を見るとこの人がどのくらいの身分の人かわかる、とか、子どもがリンゴをもっているがこれは敬虔なキリスト教徒であることを表していて、とか・・・
あーもううるさい(笑)
オランダの人はとても真面目なんだなと思う。
こういう「写実」+「謎かけ」という2大技法があるので、「だまし絵」とかも隆盛したそうである。さもありなん。
▼風景画、鳥画
たぶん何の寓意も入ってないのが「風景画」と「動物」の絵である。
のどかな農場、海、山・・・おお、心が洗われる。
と思ったら、
真っ白なニワトリをめっちゃ写実的に描いてある絵があった。
もっふもふした白い羽。奥様たちも「♡」。
この画家は、メルヒオール・ドンデク-テルという人だそうだ。
鳥ばっかり描いてた人らしい。
キャプションを見たら
と書いてあった。まあ、言わんとしてることはわかるけど(笑) たしかに、鳥はとても上手でかわいかったけど。ラファエロの使い方。
絵って、そのまま「ああきれいだなあ」と堪能するだけではだめなんだろうか。。。
小学生の頃から美術館に通っているけど、一周回ってきたよ。
ただきれいなものを「きれいだなあ」「上手だなあ」と楽しみたい・・・。それはきっとアートではないんだろうが・・・。
▼で、フェルメール
フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」は最後に飾られていた。
人は群がっているが、ちゃんと待っていればじっくり近くで眺められます。
これがなんで話題になってるかというと、上の大きい絵(修復前)の壁は、何もない。
でも下のポストカード(修復後)の壁には「天使の絵(画中画)」がありますね。
これはフェルメールが「天使の絵」を描いていたのに、後年、誰かが(フェルメールよりもっと後の人が)塗りつぶしたらしいのである。
それが分かったので、このたび塗りつぶしたところを修復したそうなのである。
これ、近くで見るとわかるんですが、
まず、「壁に何もない」絵もけっこういい。
ちゃんと窓の影とかも描かれている。
意外といいのだ。
でも、天使の絵がある本物の方を見ると、
女の人がちょっと笑って見えるのだ。
天使の絵がそういう意味だと知って、女の人を見ると、手紙を読んでちょっと「ふふ」って笑っているようにも見えるのだ。もちろんこっちの錯覚だけど!
そして塗りつぶした奴に対して「なんてことしてくれとんじゃ!!!」と私は思ったのだった。(フェルメールが自分で塗りつぶしたならともかく)絵の意味が変わってまうやないか!!!!
誰がなぜ塗りつぶしたのか分かっておらず、悪意でされたことでもないらしいのだが、私は、個人的には、もとの絵に戻れてよかったね、と思ったのでした。
▼おみやげコーナーも長蛇の列
名残惜しいが会場を出て、おみやげコーナーへ行くと、そこも大変な列になっていた。
会場側はきちんと電子マネー(ペイペイなど)も、交通系カードも使えるようにしてくれていたのだが、(中高年が多いせいなのか)みんな現金払い。
日本にもっとキャッシュレスが普及しますように!と強く念じる私だった。細かいお金を出すのに時間がかかる人こそ、キャッシュレス。私もレジでもたもたすることが減りました。
会期は9/25まで!! 時間に余裕をもってお越しください!
▼フェルメールさん
「来たら見ないといけない!」という強迫観念にかられるのが、フェルメール。
ゴッホ展も混むけど、彼はたくさん絵を描いていて、いろいろな美術館にあるので、ちょこちょこといろんな展覧会で見ることができる。
フェルメールはとにかく点数が少ない(30点くらい)なので、現物を見られる機会は少ない。
私はこれでようやく2枚目。(1枚目は「信仰の寓意」。これも寓意かよ!)
フェルメールって正直まだ何がすごいのか、自分で納得いっていない(笑)
わりと当時の構図としても、光の加減を描こうとしたり、手紙を読んだり書いたりというのは、あるはあると思うのだ。
何がどうすごいんだろう。
いつか体感できるといいなあ。