2021.10.25 現代の若者のシューカツ事情と将来観
先日、単発のアルバイトで出会った、とある22歳・女子のお話を再構成してみました。
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今、大学4年です。
ゼミは英語と社会学を一緒に学ぶような・・・面白い時と面白くない時の差が激しいですね(笑)
今は、授業はオンラインと対面と選べるんですけど、オンラインでいいかなって思いますね。
友達は、家を引き払って地元に帰りました。オンラインで受けられるなら家賃が勿体ないって。
今の大学1年、2年、マジでかわいそうです。
何も思い出ないもん。本当にかわいそう。
私も、今22歳って信じられないです。
コロナで空白だった期間があるから。まだ20歳くらいな気持ちがするんです(笑) 「え、もう22?!」って(笑)
シューカツは終わりました。
人材系の営業です。
こないだ内定式でした。
半年みんなで研修して、その後、赴任地が大阪かナゴヤか北関東になるんです。北関東だけは勘弁して~って思ってます(笑) でも、住めば都ですかね?
とにかく稼いでいかなきゃっていう思いがあります。
稼ぎ続けていかなきゃって。
女性で途中で仕事止めちゃう人がいるって、なんでなんですか?
産休とか育休とか、取れるんですよね?
シューカツ中は、いろんな人事さんに会いました。
結構フランクな面接が多かったですね。
「志望動機を3分でどうぞ」とか言われても・・・ねえ。
コロナなので1次、2次面接までがオンラインで、最終面接だけ実際に行くっていうスタイルが多かったですね。
交通費と時間が浮いてラッキーでした。
ウチの会社は、本当にざっくばらんで、
最終面接では「あのさあ、〇〇さんは、Sなの? Mなの?」って
なぜか性癖を聞かれて(笑)
え、セクハラですか? あんまり気にしてないです。
「彼氏いるの?」くらいだったら別にいいかなあ。
本当にハラスメントってあるんですか?
商社の人は話がめっちゃうまかったです。
さすがですよね。
一般事務の面接を受けたら、総合職への愚痴をずっと聞かされたっていうこともありました。正直な人だなあと思いました。
K社って知ってますか?
有名な商社で、総合職だと1年目から年収2000万円らしいんですよ!
すごくないですか!
ちょっと惹かれますよね。
でもその社の合言葉は「30歳で墓場行き」なんですって(笑)
でもいいなあ。2000万は惹かれますね。いいかなってちょっと思っちゃいます。
総合職じゃなくて事務職だったら、そこまできつくないらしいんですよ。
魅力的でした。
シューカツやって思ったんですけど、
男性ってやっぱりきついなって思いました。
結局、女性ってどうにでもなるじゃないですか。最悪。
男性は、家族できたら養わないといけないし。
主夫という選択をする男性がいるっていうのも勿論知ってますけど。
でも、自分より妻の年収の方が高いって、正直、耐えられるんですかね(笑)
早くから働いた方がいいんですかね?
下手に大学行くよりも。
親が言うんですけど、有名大学ほど「社会で使えない」って。
「コミュニケーション能力がない」んですって。
「できないくせに上から目線で質問してくる」って言ってました。
わかる気がします。プライドばかり高くて。
でも、その後の生涯年収が違ってきますもんね。じゃあ、大学行った方がいいか。
学部も就職しやすいかどうか、気にしました。
でも大学と会社で求められることが違うから、またイチから勉強し直しですね。
友だちはほとんどもう内定取ってますねー。
新卒一括採用解禁日、とかありますけど、守ってない会社もいっぱいあるんで、とりあえず本命じゃなくても、保険で内定とって。
その後、本命の会社を受けていって。
でも、高校時代の女友達は、まだない子もいますよ。
「え、まだなの?! どうすんの?」って思いましたけど、
大学に「指定校推薦」で行ったのが、マイナスなのかなって言ってました。
一般入試より、指定校推薦の方が「楽(ラク)してる」って思われますね。だって、高校の勉強さえ頑張っていれば大学入れるんですから。
まあ、でも、そんな高校の時の話されても困りますけど。
内定ない子は、おうちが裕福で、ぶっちゃけ働かなくてもいいんですよ。
親も「無理に就職しなくても、留学でもすれば?」って。
私に言わせれば、シューカツ下手すぎる~~~って思いますけど。
まあヨソのおうちなんでいいんですけどね(笑)
花嫁修業?? その子「洗濯機も回したことない」って言ってました(笑)
これから、シャカイ、カイシャに出るって、不安しかないです。
でも「最悪なこと」をたくさん想定しておけば、それよりマシだった時に「良かった」って思えるんで。
とにかく「働かなきゃ」って思います。
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リアルな胸の内を聞かせてくれました。
もちろん彼女一人のことを「Z世代・若者全体」に一般化することはできません。
みなさん、いろいろ感じられたと思うんですが、、、
私は「なんという社会にしてしまったのか」と思いました。
大人の1人として。
私自身も、(カイシャ組織というものに適応できず)どうしようもなく、その時その時は一生懸命やってきた・・・お前にも何かできたろって言われても困るのですが(私自身も溺れながら生きてきたので)・・・。
日本って、なんでこんなに若者に金銭的不安のプレッシャーをかけているんでしょうか。
なんでこんな「生活するために、金がいる、働き続けていかなきゃ」って思わせているんだろう。
彼女はとにかく「稼ぎたい、稼がねば」と思っているようでした。
お金は自分が必要な分だけあればいいし、あなたは若いし学歴もあるから、なんとでもなるよ。
稼ぐことは別に悪くないけど、何のためにお金が欲しいのかがないと、お金に使われてしまうよ。
そんな生易しい言葉は口に出来ないくらい、彼女からは切迫感を感じました。
ずっと働いていたい。
それ自体は悪いことでもなんでもありません。
でも、健康と引き換えてまで稼ぎたいか、そもそも自分はどういう暮らしがしたいのか、それに必要なお金はどのくらいで・・・、ということが全然なく、ただ「不安に駆られて」「お金のためにとにかく仕事をしつづけなきゃいけない」と若者が思っている社会というのは、私はあまりいいものだとは思えません。
なぜ働くのか、なぜその仕事をするのか。働いている間、ずっと問い続けるべきことだと思っています。
そして非常に保守的な家族観。意外でした。
もちろん、そうじゃない若者もいっぱいいるとは思います。たった一人の話だし、彼女がたまたまそうだっただけかもしれない。
でもまだまだ、若い人の中にも「いやいや、主夫とか男性育休とか言うけどさ、本音は違うでしょ。私だって夫には稼いでてほしいし」と思っている人がいるんだろうと思います。
なんという社会にしてしまったのか。
政治家、これ聞いてるか?
アクティビスト、これ聞こえてるか?
聡明でまっすぐな彼女の人生に幸多かれと思う。
みんな、もっと自由に生きられる。私も自由に生きていい。
これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m