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ヨーロッパで『デザイン思考』を学んできた①

コロナ禍によって足が遠のいていた海外渡航。
最初にコロナの話題を目にしたのは確か2020年3月。あれから3年も経ちました。

ようやく日本も規制が緩和されて、最近は多くの渡航者や観光客を目にします。

わたしもその流れに便乗してコロナ前にやり残したこと、“ヨーロッパでデザインのワークショップを受ける”(今回は『デザイン思考』 in イタリア!)を完了してきました。

今後この『デザイン思考』のワークショップや、それを活用してプロジェクトを進めていきたいと思っているので記事として残しておきます。

『デザイン思考』について

そもそも『デザイン思考』ってなに?

『デザイン思考』という言葉、聞いたことあるでしょうか?
わたしはデザイナーとしての教育を受けてきた人間ではないので、最初は「なんのことやら、、、?」でした。

<デザイン思考について>


『デザイン思考』とは、デザイナーがデザインを行う際に用いるプロセスを利用して、課題の定義や解決策を見いだす思考法。ユーザー視点に立って共感や満足を重要視するのが特徴です。

ビジネス上の課題解決の手法としても注目され、AppleやP&Gといった外資系企業、またYahoo! JAPANや任天堂でも取り入れています。

(※グラフィックやプロダクトなどの「デザイン」と混同されがちですが、デザイン思考は、あくまでこれらのデザインが設計される際に用いる思考のプロセスを指します!)


なぜ注目されているの?

デザイン思考が注目される理由として、消費者ニーズの多様化や購買行動の変化が挙げられます。昔のやり方ではモノやサービスが売れにくい時代になったのです。

技術の進歩によって似たようなモノやサービスで市場は溢れかえり、人々は容易に情報を得られるようになりました。そして、従来のように新しいものを発売するだけでは、消費者の心を動かせなくなったのです。

人々は大量のモノ・サービスの中から、本当に自分が求めるものだけを選択します。そのような時代で「消費者ニーズを基に課題を見出し、解決策を創り出す能力や手法」つまりデザイン思考が求められています。


ポイントとプロセス

<3つのポイント>

デザイン思考の3つのポイントを説明します。

①人間中心設計

「人間中心設計」とは、使う人のことを考えてモノやサービスを作るという考え方です。単に表面化した問題を解決するのではなく、ユーザーの気持ちに寄り添いながら、本質的な課題を見出します。そして、その課題を解決するための方法を探っていくことを重要視します。

②共創型

デザイン思考は個人ではなくチームで話し合いながら進めていきます。様々な立場や経験を持つ人たちが関わることで、インスピレーションを与え合い、新しいアイデアや価値が生まれるからです。

③非線形プロセス

デザイン思考が「非線形プロセス」であることも特徴です。これは順序立てられたプロセスよりも、プロセスの各ステージをさかのぼったり、柔軟に行き来することを良しとします。試行錯誤を繰り返すことで、「問題点を発見しリスク回避」、「アイデアが深まる」、「他のバリエーションが生まれる」といった利点があります。

<5つのプロセス>

デザイン思考は、以下の5つのプロセスで進めていきます。(上述したように、デザイン思考は非線形プロセスなので、このプロセスを行ったり来たりします。)

デザイン思考の5つのプロセス


①共感(Empathize)

インタビューやアンケートによって、ユーザー視点でサービスやプロダクトの課題を考えます。ここで大切なのは、単にユーザーの話すことを鵜呑みにするのではなく、その言動の奥にある感情にも目を向け深掘りすることです。

②定義(Define)

①共感(Empathize)で得た情報をもとに、「ユーザーが本当に求めていることは何か?」の仮説を立て、ニーズの定義をします。

③概念化(Ideate)

②でニーズの定義ができたら、ここでは課題解決に向けてのアイデア出しを行います。ブレインストーミングの手法を用いて、たくさんのアイデアを出すことが大切です。

④試作(Prototype)

③でたくさん出したアイデアを1つに絞り込み、一度プロトタイプ(試作品)を作ります。ここでは完璧なクオリティは求められておらず、できるだけ低コスト・短時間で作成します。プロトタイプ作成によって、新たな視点や問題点・改善点に気づくことが重要です。

⑤テスト(Test)

④で作成したプロトタイプのユーザーテストを行います。ここで得られた発見やフィードバックをもとに「仮説は正しかったのか」、「サービスやプロダクトがユーザーのニーズに沿っているか」を検証します。

検証して終わりではなく、より良いサービスやプロダクトを作るために何度も改善や再考を繰り返していきます

なぜこのワークショップを受けようと思ったのか

「デザイナーではない私が、なぜわざわざヨーロッパまで行って『デザイン思考』を学ぼうと思ったのか」について、少し触れておきます。

実はワークショップに申し込んだのは2019年の終わり頃。2020年にコペンハーゲンで受講予定でした。が、皆さんお気付きの通り世界的はパンデミックによって延期。月日が流れ、今に至ります。

申し込んだ時は北欧のデザインやライフスタイルに興味を持ち、「もっと深く知りたい!」と誰でも参加可能なワークショップに申し込みました。

ちなみに、このワークショップの主催は、デンマーク・コペンハーゲンの教育機関「CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)」。

・CIIDのWebsite

当時は「好奇心から申し込んだ」感じでしたが、この3年で自分を取り巻く環境や内面で様々な変化が。仕事やプライベートで関わるプロジェクトを通して、こんな風に思うようになりました。

<仕事やプライベートで関わるプロジェクトを通して感じること>


●「本当にこのやり方で合っているのだろうか?」(方法の見直し)
●「私が、または参加者が、プロジェクトの一員になっているだろうか?共感できているのだろうか?」(なんか分断が起きている気がする、排他的な感じがする)
●もっと楽しく、軽やかにやりたい!!(遊び心が欲しい、実験的なことがしたい)


そこから抜け出す手がかりとして、ヨーロッパのクリエイティビティやデザインの在り方に惹かれ、実践的に『デザイン思考』を学ぼうと決めました。



長くなってしまったので、ワークショップの内容については次の記事で書きます!










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