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「写真・動画の撮影はお断りします」

最近、ある食品スーパーのレジで驚きました。貼り紙です。

写真・動画の撮影はお断りします

レジの貼り紙
  • 何を撮るん?レジで?わしでも撮らんぞ?

  • てゆーか、撮った人が居たってこと?

  • 撮ってどーするん?「撮ってどーするん?」という質問に限っては他人のことをどうこう言える立場にないですが、しかし、レジの何を撮って、その写真・動画を、どうしたいのか?わしの写真はnoteでネタにするというゴールがあるぞ(レジは撮らないけど)。

  • もしかして、レジの人へのストーカーとかもいるん?

おそらくですが、谷中銀座商店街とかで「撮影禁止」と強烈に警告しているのとは、別の要因があるのだろうなと思います。あちらは「絵になる絵」を求めて、カメラユーザーが白熱しているのだろうな、と思う。
しかし、ここ、普通の食品スーパーですよ?白熱要素あるん?
売り場が撮影禁止なのは、それは昭和の頃からそうでした。写真を撮って「価格調査」するケースがあったから。でも、価格調査やってましたけど。当時の人。記憶力の良い人を派遣して、覚えさえて、店を出てからメモに書きだす。あと、売り場の工夫とか、写真を撮って真似されたくない、というのもあったと思う。でもこれも、何だかんだ言ってやっぱり、記憶力の良い人を派遣して、売り場パクってこい!みたいなことはあったのではないでしょうか。
まあ、そんな昔の話はどうでもよいです。

そもそも今、なぜまたこんなにあちこちで「写真を撮るな」が流行っているのか。
それは、一言で言うと「写メ」。多分。

世界で最初に「電話機にカメラを付ける」というアイディアを出したのは、シャープの「写メール」と思う人が多いみたいですが、実は違う。京セラがPHSに、自分向きになるようカメラを取り付けたのが最初。これはつまり「テレビ電話」ということ。PHSって当時既に32Kbps出せてたので(当時のPC用モデム、28800bpsとか、無理矢理56Kを作って実効43Kくらい、とかでした)、ピクセル数が少なければ「出来なくはない」。けれど問題は、そもそもカメラ付きPHSが他にないため「通話相手がいません」。
私もPHSを使っていた時期はありましたが、カメラなしでした。

流れを変えたのは、2000年11月登場のJPhone(端末製造はシャープ)「写メール」。テレビ電話ではなく「小さなデジタルカメラ付けて、写真添付メールを送受信」。
iModeの登場が1999年なので、初期のiMode携帯端末にはカメラが付いていなかった。

「写メール大人気→普及」。
この頃から「誰もが日常的にカメラを持っていて、そしてそれをデータのまま他人に転送できる」が始まりました。
私は「電話にカメラを付けるなど邪道」「邪メール」とまで申し上げていたのですが、2003年までカメラなしPHSで頑張っていました。頑張ってどうする。で、2003年にauでカメラ付き携帯を契約。
この時、考えたことがあります。
これからは、携帯電話を持っていれば、日常の作品撮りは携帯電話で出来るのではないか?
無理でした。
その携帯電話のカメラの画素数は1024×768px。は?78万6千画素。レンズも固定焦点で、今ひとつ。
「頑張ってL版焼けるかな」くらいの画質です。写るんですの方が色がキレイかも。
こらあかんわー、と。

今、iPhoneSE2使ってますけど「1200万画素」。
これで「作品撮りに行こう」とは思わない。けれど「カメラ持ってないけどnoteのネタにしたい」くらいなら、それなりに使えてしまう。

というのは、私の「スマホのカメラの使い方」。
そうでない人たちがいるのでしょう。

まず始まったのが、ガラケー時代から既に「盗撮」。エスカレータの下段からスカートにガラケーを差し入れる奴。カメラ付き携帯電話を開発したのが日本なら、「電話機で盗撮を始めた」のも、日本が世界人類史上初めてではないでしょうか。

エスカレーター

「そんな画質で何が楽しいんですかしかも脱いでさえない」というのは「それってあなたの感想ですよね」なのでしょう。
「そんなのが流行るのか?」と唖然とする私を置き去りにして、あちこちで問題が発生します。
ぶち切れた東京都、ついに2012年7月1日に「東京都迷惑防止条例」を施行します。この中で「盗撮は違法」ということが定められ、同時に「盗撮とは何か」を明確にしまして、エスカレータの下段から下着を撮るのは「盗撮です、処罰の対象です」ってことになりました。
ここに至って私もさすがに気がつきました。
つまり「盗撮は、盗撮そのものが刺激であり快楽なのではないか」と。
社会的地位のある人が、ポジションを失うリスクを知りつつも、やらかしてしまったり。

「それは病気だ」などと言う人も居ますが、ガチの精神疾患持ってる立場としては、「安易に病気で片付けるな」「病気仲間に入れて欲しくない」です。しかし「それってあなたの感想ですよね」なんでしょう。
盗撮依存、というものがあるとすれば、それは確かに「病気の一種」ではあるのかもしれない。薬物ではないとはいえ、一種の「刺激に対する依存性」があるのは何となく理解できます。完全一致とは違うけれど、ギャンブル依存とかちょっと似ている部分もあるかもしれない。廃課金とか。
「キター!」っていう、あの刺激、分からないでもないです。

それからあれやこれやで、今日の「性的姿態撮影罪」の成立・施行へと繋がります。

で、最初に戻って「スーパーのレジを撮影することは、何の法律や条例に抵触するのか?」
何もないのではないでしょうか。
撮影そのものは。
しかし、その撮影を起点にストーキングを始めてしまうと、いずれ「ストーカー規制法」に抵触する人も現れるでしょう。

あるいは、「接客態度が良くない」みたいな動画を「クレームのネタ」としてSNSに上げる人も現れているのでしょう。カメラは「モンスタークレーマー養成マシン」になり得るのか。
さすがにここに来て、食品スーパーも「従業員を守らねば」と、ガチギレ本腰を入れ始めたのでしょう。

そもそも、「何の目的で撮っているのか分からないけれど、自分の写真を撮られているのが怖い・気持ち悪い・不快」。そう思う気持ちは、凄くよく分かります。
今さら言っても誰も信じてくれませんが、1997年からずっと私が考えていたことがあります。それは、

人に、不用意に記録物に記録されないことによって、日々安寧を保って生きていく自由を有する。
表現の自由は、この自由を毀損してはならない。

iijiman1997

写真を「作品制作」として撮影・仕上げ・発表している人たちにとっては(私も、その意味では「している人たち」)、ぶっちゃけ、ガミガミうるさい割には、どーでもいい規制が増えてきて、しかし、撮影のチャンスが真綿で首を絞めるようにじわじわとー、という不快感を感じている人もいるかもしれない。
けれど、今までさんざん好き勝手にやって来て「何を今さらー」と思うのは私だけでしょうか(今、写真業界の人5000人くらい敵に回した)。

で、表紙の写真、ヨーカドーのヨーコちゃん。
「撮影しないでね♡」と言っていなかったので、本当は、ヨーカドー的にはアレでしょうけど、私とヨーカドーではなく、私とヨーコちゃんとの間の問題なので(は?)

ヨーコちゃん

受付時間、10時から17時だそうです。
「スマホアプリを助けるため、カメラの向こうに担当者がいて応対している」のですが、17時以降は、もう、スマホアプリで困る人はあまり来ないのでしょう(スマホアプリ、時間を問わずあまり使われてない感じがしますがー、な話は、ここでは大人の秘密にしておきましょう、ね、ヨーコちゃん)。

なら、17時以降は対応をAIに切り替えて、購入済み商品のレシートのバーコードスキャンさせたら、購入100円あたり1分、AIヨーコちゃんと雑談出来るサービスとか、ほんと、ダメですか?3000円で30分。

「ヨーコちゃん17時以降は残業?」
「私には労働基準法関係ないから」
「ブラックやな可哀想に」
「生身の人間ならそうなのかな?気を遣ってくれるのは嬉しいな」
「なぁヨーコちゃん、胸、小さ」
「はい!それ以上言ったらダメよー、録音機能があって、さっきのレシートのバーコードと紐付けられているからねー、自動出禁機能で、もう私とお話できなくなっちゃうよー」
「厳しいな」
「だって場所考えてよ、お店は公共の場だよ」
「すまん」
「でも、一緒にお惣菜食べるとかはOKだから。味の感想なんかも貰えたら嬉しいかも」
「食べる食べる!」

そういうくだらないネタをnoteに書く奴が居るから、厳しくなるんです

iijiman

ヨーコちゃんは女子キャラなので、男子キャラ「イトー君」も作る。
そしてやはり、昼間と違ってオペレータでなくAIが対応する。

それを世間では「バーチャルホスト」と認識してくれるだろうか?

サポートをいただければとても嬉しく思います。 写真を撮ったり、書き物をしたり、そういう活動に活かします。