使用者側弁護士の本棚:⑧定年後再雇用・高年齢者雇用


類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕II

第9章 定年(高齢者雇用の義務違反)を争う地位確認請求事件
Ⅰ 攻撃防御方法の概要
Ⅱ 具体的なQ&A
Q1 訴状審査等の注意点は何か。
Q2 定年制とは何か。
Q3 定年年齢を何歳とするかについて,法的規制はあるか。
Q4 高年齢者の継続雇用制度に関して,平成25年4月1日施行の改正高年齢者雇用安定法では,どのような点が変わったか。 
Q5 継続雇用制度について,1年ごとに労働契約を更新する形態でもよいか。 
Q6 定年後に当初の事業主以外の者との間で雇用が確保される制度は,継続雇用制度に含まれるか。 
Q7 高年齢者雇用安定法9条の違反の私法上の効力はどのようなものか。 
Q8 使用者が継続雇用制度を導入していない場合,定年に到達した労働者は,労働契約上の地位確認請求及び賃金請求をすることができるか。 
Q9 定年に達した後引き続き1年間の嘱託雇用契約により雇用されていた者が,使用者に対し同契約終了後の継続雇用を求めたものの拒絶された場合に,当該事案の具体的事実関係の下において,使用者の継続雇用規程に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとした判決があるのか。それは,どのような判決か。
Q10 使用者から,継続雇用制度の定める基準(対象者限定基準)を満たしていないとして,就労を拒否されたが,当該限定基準が高年齢者雇用安定法9条の趣旨,他の労働関係法規(労基3条等)又は公序良俗に違反するものであった場合,定年到達者は,労働契約上の地位確認請求及び賃金請求をすることができるか。 
Q11 継続雇用基準(対象者選別基準)を「会社が必要と認めた者に限る」とし,1年ごとに雇用契約を更新する形態の継続雇用制度を採用する事業主との間で,当該基準を満たすとして定年到達時に1年の再雇用契約を締結したところ,翌年,当該条件を満たさなくなったとして契約更新を拒否された労働者は,労働契約上の地位確認請求及び賃金請求をすることができるか。
Q12 Q9ないしQ11において,継続雇用後の具体的な労働条件が継続雇用規程等から明らかでない場合には,労働者は,労働契約上の地位確認請求及び賃金請求をすることはできないか。
Q13 定年到達者が継続雇用制度の(対象者限定基準)継続雇用基準に適合することの主張立証責任は,原告と被告のいずれにあるか。
Q14 使用者が高年齢者の継続雇用制度を導入していない場合,定年到達者は,使用者に対し,不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるか。
Q15 使用者が継続雇用制度を導入しているものの,それが高年齢者雇用安定法9条1項2号や他の労働関係法規又は公序に違反するものであった場合,定年到達者は,使用者に対し,不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるか。
Q16 使用者が,継続雇用制度において無効な継続雇用基準を設定し,これに基づき再雇用拒否をしたことが不法行為に該当する場合,高年齢者が使用者に賠償を請求できる損害には,何が考えられるか。例えば,①一定期間の賃金相当額,②慰謝料は損害として発生したといえるか。 
Q17 適法な継続雇用基準に適合するにもかかわらず,継続雇用を拒否された定年到達者は,不当な継続雇用拒否を理由として,使用者に対して,不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるか。
Q18 不当な継続雇用拒否が不法行為に該当する場合,高年齢者が使用者に賠償を請求できる損害には,何が考えられるか。例えば,①一定期間の賃金相当額,②慰謝料は損害として発生したといえるか。
Q19 使用者の導入した継続雇用制度の賃金額又は業務内容が,合理的な裁量の範囲を逸脱しているとして不法行為が成立する場合はあるか。


労働関係訴訟 (II) (最新裁判実務大系)

57 高年齢者雇用
 A社には,就業規則で60歳定年制が定められていたところ,満60歳に達する正社員Bは,A社に再雇用を希望する旨申し出たが,A社はこれを拒否した。
(1)A社に60歳以降の従業員の継続雇用又は再雇用に関する就業規則がない場合の問題点としていかなるものが考えられるか。
(2)A社に,満60歳に達した正社員については①引き続き継続して勤務することに健康上の問題がないと会社が認めた者で,②過去3年間に懲戒免
職事由がない場合,③当該従業員が希望すれば,再雇用契約社員就業規則により1年更新の嘱託社員として再雇用する旨の就業規則がある。
  A社はBに懲戒免職事由があったことを理由に再雇用を拒否していたが,審理の結果,懲戒免職事由がないことが判明した。Bにはいかなる請求
  権が認められるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕定年制について
〔3〕高年齢者雇用確保措置に関わる紛争の変化
〔4〕高年法による高年齢者雇用確保措置の義務化に関する立法の経過
〔5〕高年齢者雇用確保措置の具体例
〔6〕「私法上の効力」の多義性
〔7〕高年法の私法上の効力
〔8〕継続雇用制度がある場合に生起する問題
〔9〕就業規則の不利益変更
〔10〕請求の趣旨ないし判決の主文の記載
〔11〕要件事実の分配
〔12〕問題についての解答


退職・再雇用・定年延長 (実務Q&Aシリーズ)


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岡芹 健夫 (著)


高年齢者雇用安定法と企業の対応: 競争力の維持と世代間の公平の実現を目指して 単行本 – 2012/4/1

安西 愈 (編集), 木下 潮音 (編集), 第一東京弁護士会労働法制委員会 (編集)



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