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森本商店街に見る「動画」プロモーションと、アフターコロナの人との「つながり」を考えてみた
IR「森本駅」前を中心に、陸上交通の要所として重要な役割を果たしてきた森本地区(金沢市北部)。
自然豊かな立地に、明治~昭和初期にかけ商業街が形成され、地域の活性化を担ってきました。近年ではインターチェンジの開通や、駅前広場の整備も行われ、多くの人々の笑顔が行き交っています。
世の中がコロナ禍に陥ってから約2年、それでもできることをコツコツ進め、商いを続けてきた森本商店街振興会の面々。
彼らが力を合わせ制作した同商店街のプロモーション「動画」について振り返ってみました。
「動画」は効果的なプロモーションツール
スマートフォンが普及し、高速・大容量通信のサービス提供が進む昨今、テレビ以外にも、老若男女が無料で見られる「動画」の種類は日々増え続けています。
近年「動画」を使ったサービスやプロモーションは極めて一般的なものとなり、多くの企業がさまざまな「動画」をビジネスやマーケティングに活用し、成果につなげています。
小規模事業者や個人のSNSなどにおいても、それは例外ではありません。
自社のサービスや存在を「より多くの人に知ってほしい」、あるいは「まずは興味や関心を持ってもらいたい」etc.
そんな課題に対して、「動画」は効果的なプロモーションツールになり得るのです。
「動画」のメリット、ポテンシャルとは
ズバリ、「動画」のメリットは、情報量や訴求力が高い!です。
よく言われているのは、
●動画の情報量は、文字+写真 の 約5000倍
●動画情報を文字情報に換算すると約180万単語
●1分間の動画は、Webページ3,600ページ分の情報料に匹敵する
(引用:米国の調査会社[Forrester Research]のJames L. McQuivey博士の研究結果より)
など、文字や写真と比較しても、「動画」が情報量に優れていることは想像に難くありません。
また、アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱された「メラビアンの法則」をご存知でしょうか?
「メラビアンの法則」とは、人と人がコミュニケーションを図る際、「言語情報」が7%、「聴覚情報」が38%、「視覚情報」が55%の割合で、他者に影響を与えることを示した心理学的な法則です。
情報の発信者が受け手に与える影響の中で「視覚」がもっとも大きな割合を占めるということです。
そう考えると「言語(文字)」だけよりも、「視覚」や「聴覚」に訴えかけられる「動画」のほうが、情報伝達において優位になるとも言えます。
「商店街」は、業種やサービスが 十人十色
一言では語れない魅力こそ「動画」で紹介
企業や店舗はもちろん、その集合体でもある「商店街」という単位のプロモーションにおいても「動画」は効果的です。
商店街はいろいろなお店が存在していることが魅力であり、消費者にとっても使い勝手がいいものです。
しかしながら、業種やサービスが一律ではないため、それぞれの内容や魅力をわかりやすく第三者に伝える「情報発信」が、時に困難になります。
そんな時こそ「動画」の出番!
コロナ禍で来街客や消費が落ち込みはじめていた2020年春、森本商店街(金沢市)では店主たちが主役となり、リアルな日常シーンや街並みを撮影した「プロモーション動画」を制作しました。
商店街メンバーが一丸となり「元気な商店街」をアピール。
約6分間の動画には、森本商店街の人と街の魅力がたくさん詰まっています。
ぜひ言語情報より、視覚情報=「動画」でご覧ください。
「商店街」の魅力は
商品のみにあらず、「人」にあり!
この「プロモーション動画」では、特筆すべきポイントがもう1つあります。
それは、BGM(聴覚)。
「動画」のなかで流れる音楽は、なんと森本商店街の副会長(瀬下由浩氏)が、作詞・作曲+ボーカルを務めた「オリジナルソング」なのです。
森本商店街の「プロモーション動画」のために、書き下ろされた『TSUNAGARIのうた』。
“ 街は人のつながりでできている ♪ ” と歌う歌詞からは、
当時、コロナ禍の不安と恐怖に立ち向かうための、小さな希望をもらった気がします。
大変な時こそ、皆で力を合わせる。
そんな「つながり」も商店街ならではの強みかもしれません。
また、1つの作品(プロモーション動画)を協力し完成させることで、携わった人たちの絆が深まり、インナーブランディング(内向けに対する価値観や目標の共有、連帯感の強化)においても、良い影響を与えるのです。
余談ですが、森本商店街の店主さんは、「役者ぞろいだなー」といつも感心させられます。歌を歌ったり、楽器を演奏したり、野球を教えたり、踊りを舞ったり。
本業に精を出しながら、皆さんノリがいいし、フットワークが軽い。
何を隠そう「森本商店街一座」なるものを結成し、まさしく本当に役者として舞台に立っているというから驚きです!
コロナ禍でしばらく休止していた一座の公演も再会するようなので、楽しみです。
「商店街」こそが、地域コミュニティの担い手
新型コロナウイルスは、全国の企業や店舗に大きな打撃を与えました。
また、新たなサービスや商品の需要を生み、何より新しい価値観を世の中に浸透させました。
非接触のためのオンライン、距離を保つソーシャルディスタンス、ネットを活用したDXもそれです。
安全性や利便性を考えれば、これらもまた必然と言えるでしょう。
「新しい生活様式」を含めたニューノーマルは、“人と離れて機械に頼ろう”と言っているのではありません。
安心できる暮らしのあり方や、他人を思いやる社会のために実践できる工夫なのです。
だからこそ「商店街」は、今後ますます地域コミュニティの担い手として、重要な存在になってくると考えます。
単に「買い物や食事をする場」から「多世代が共に暮らし、その生活を支える共同体」へ。
大げさではなく、公共団体や介護・福祉の分野と連携すれば、高齢者、共働き世帯、子育て世代に向けて新たなサービスを提供していくこともきっと可能です。
アフターコロナで、人とのつながりは希薄になるのではなく、例えばオンラインを通じて離れていてもつながれる仕組みや工夫、あるいは社会課題に対する「共助」というつながりが、これからの地域に必要となるのではないでしょうか。
そのキーパーソンこそが、あなたの街の「商店街」なのかもしれません。