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お手本は「夕日ヶ丘商店街」?! 「金石チャリ&あるきMAP」は、商店街を歩くきっかけになったか?

一周まわって新しい「夕日ヶ丘商店街」

2021年5月、西武園ゆうえんちが開業70年を記念してリニューアルオープンしました。目玉は「夕日ヶ丘商店街」。1960年代の商店街を再現した「昭和レトロ」な姿がテレビなどで大きく映し出され、往時を懐かしむ昭和世代はもとより、10代、20代の若者も大きな関心を寄せていることが報じられました。

リニューアルのコンセプトは「心あたたまる幸福感に包まれる世界」。ネット全盛のこの令和の時代に、昭和のコンテンツが一周まわって新しいというのは、昭和を生きてきた自分にとっても、どこかうれしいというのが本音です。

クルマ中心で商店街が衰退

他方聞こえてくるのは、「商店街は廃れる一方ー」。

「人口が減った」「高齢化が進んだ」「郊外に大型ショッピングモールができた」など、衰退の理由を上げれば枚挙にいとまがありません。「広告宣伝や価格で大型店に勝てない」「集客できるような目新しいものがない」確かにその通りです。

1960年代はモータリゼーションが進展しました。金沢も例に漏れず交通渋滞が慢性化し、1967年に市内電車が廃止されました。金沢市内中心部と港町金石を結ぶ金石電車(北陸鉄道金石線)も1971年に廃止されてしまいました。代替交通手段としてバスが走りますが、半世紀を経た今でもマイカー全盛は変わっていません


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レトロなまちなみに再び脚光

藩政時代以来、港町として栄えた金石(かないわ)エリア。道は狭く曲がりくねり、クルマでの往来は結構大変です。神社仏閣や町家建築、昭和初期の近代レトロ建築など古いまちなみが残っていますが、これまではいわば時代に取り残された地域として、ともするとマイナスの評価だったかもしれません。

でも、近年は日本遺産の登録や旧町名復活など、レトロなまちなみに再びスポットが当たっており、地域特有の歴史や文化への興味・関心が少しずつ喚起されてきました。

歴史や文化は作りたくても作れない。つまりはこれを活かさない手はない。

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歩きまわれば魅力が伝わる?!

地域の風情を感じながら商店街をPRするツールがあれば、魅力を再発信できるのではないか。

これまでのようにクルマで来訪してもらうのではなく、徒歩や自転車で回ってもらえば、まちの魅力と一緒に商店街をもっと身近に感じてもらえるのではないだろうか。

ちょうどレンタサイクル「まちのり」のポートが近くにできたことが契機となり、2020年夏、アフターコロナを見据えて「金石チャリ&あるきMAP」を作成しました(あの頃はコロナ禍はもう少し早く収束すると思っていたが…)。

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冬は雪国といわれる金沢だって近年は猛暑続きなので、うちわ型にすることで手に取ってもらいやすくなり、自転車のハンドルにだってぶら下げられる(モノによっては…)。詳しい店舗紹介は商店街のブックレットがあるのでそちらに譲り、まずはまち歩きのきっかけになって欲しい。そんな思いで作りました。

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人が歩くからこそにぎわう

「夕日が丘商店街」はテーマパークの中でのこと。実際の商店街とは違います。でも、「歩けるまちづくり」という点で考えれば、テーマパークも伊勢神宮や善光寺のような大きな神社仏閣の門前町も、ひいては幕張メッセのような展示会場やライバル?!の大型ショッピングモールだって同じではないか。

さまざまな歩くための仕掛けがある。モータリゼーション以前を再現した「夕日が丘商店街」に学ぶところは多そうだ。

人が歩くからこそにぎわう。クルマでは一瞬にして通り過ぎて見向きもされないスポットも、歩きならじっくりと目に入る。店の雰囲気や陳列されている商品、ひいては店主の人柄まで感じられるかもしれません。

商店街ににぎわいを取り戻すためには、歩く仕掛けが必要。集客イベントにも一定の効果はあるが、日頃から歩いてもらうまちづくりが大切なんだと改めて思います。

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「チャリ&あるきMAP」は、予想を裏切ってすぐに品切れになりました。予算の問題で多くは印刷できなかったからか、はたまた猛暑だったからかもしれない。目に見えるような顕著な効果があったわけでもありません。たかがパンフレット一つで商店街の課題が解決できるなんて誰も思ってやいませんし、やれること、やらなきゃいけないことは無数にあります。

でも、方向性はきっと間違っていない。

商店街ににぎわいを取り戻せるような仕掛けを、今後も目指していきたい。



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