リバースモーゲージ
老後の資金調達の手段として、リバースモーゲージと言うものがあります。
世の中にあまり認知されていないようです。
仕組みを知ると、「その手があったか」妙案だと感じるかもしれませんが、結構使い勝手が悪そうです。
私も、身近で活用している人を見たことがなく、実際のところがよく分かっていません。
自分の勉強も兼ねて、記事にまとめてみます。
1 リバースモーゲージとは
住みながら自宅の土地建物を担保に入れて資金調達をすることをいいます。
自宅を手放さずに資金調達が出来ることがメリットです。
死後に、相続人(相続人がいない場合は金融機関)が不動産を売却して、返済手続きをします。
代表的な例として、自宅が老朽したため、リフォームが必要になった場合にリバースモーゲージで資金調達するケースがあります。
2 2種類のタイプがある
① 使い道が決まった資金を調達
例:リフォームに充てる費用
支払:一括
返済:毎月利息の支払いが発生する。元本は死亡後に支払。
② 使い道が決まっていない資金を調達
例:不足する生活費の補充
支払:一括又は月割から選択
返済:亡くなった後に一括返済
3 公共(社会福祉協議会)と民間(金融機関)で利用できる
公共と民間で利用できますが、性質が全く違います。
① 公共(社会福祉協議会)で利用する。
対象:65歳以上、収入が一定額以下
保証人:必要
利子:低め
地域制限:なし
※生活保護的な役割を担っているようです。
② 民間(金融機関)で利用する。
対象:60歳以上、収入が一定額以上、(例:東京スター銀行120万円以上)
利子:高め
地域制限:あり(大都市圏縛りが多い)
※金融機関の営利商品ですから、これくらいの条件は当然
4 メリット
住みながら自宅を担保に入れることができること。
5 デメリット(リスク)
① 担保不動産評価額の低下リスク
-評価額が低下して、売却時に「不動産価格<(借入額+利子)」となった場合に追加支払いが必要になる。
② 金利上昇リスク
③ 長生きリスク
-生きているうちに借入限度額に到達し、契約が停止してしますリスクがある。
④子供と同居が認められない場合が多い。
⑤融資額が少ない。
-不動産評価額の5割程度が限度額となることが多い。
⑥手数料が高い(登記費用含む)
⑦手続きが複雑で時間がかかる
6 借入限度額の算出方法
(計算式)
実勢価格×70%=評価額
評価額×50%程度(借入先により異なる)=借入限度額
実勢価格×70%≒固定資産税評価額と考えてよいと思います。
固定資産税評価額は、4月~6月ごろ市町から郵送で届く「固定資産税・都市計画税納税通知書」で確認できます。
7 まとめ
利用方法としては
◆相続人がいない場合
◆老後も住宅ローンが残っている場合
などが考えられます。
しかし、デメリット(リスク)の項目で列挙したように、使い勝手が悪いにつきます。費用もそこそこかかりますので、私は最後の手段と考えています。