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リサーチは、主観的で創造的な提案活動だ|リサーチをかえりみる

リサーチに取り組んでいるけれど、

  • ​新しい発見が生まれない

  • インタビューでうまく深掘りができない​

  • 調査結果を共有しても納得が得られない

そんな課題に対する記事を書きました。

探索型リサーチの成功には何が必要なのか。探索型リサーチを仮説をつくるための主観的で創造的な提案活動と位置付け、リサーチから示唆を得るため勘所を整理しました。

リサーチ、かえりみました。


  1. 新しい発見が生まれない
    →リサーチでインサイトを得るために必要な「アブダクション」​

  2. インタビューでうまく深掘りができない
    →インタビュー深掘りのコツ。相手にとっての言葉の意味を聞く

  3. 調査結果を共有しても納得が得られない
    →関係者の想いを聞き出して、​共創的なリサーチを


本記事では、3つの記事の前提として「探索型リサーチ」「インサイト」について整理しています。

探索型リサーチは、仮説を生み出すための調査

ここまで探索型、探索型と言ってきましたが、探索型リサーチは「かもしれない。こうしていくのが良いのかもしれない」と、仮の答えを導き出すため
のリサーチ
です。

では、他にどんなリサーチがあるかというと、対照的なものとして「検証型リサーチ」があります。検証型は、仮説が正しいか評価するために行います。

この記事シリーズでは、定性調査について取り上げます。対象者の行動や思考の背後にある動機や感情を深掘りすることで、数値ではとらえられない理解やインサイトが得られると考えているからです。

インサイトは、潜在的な欲求の仮説

では、インサイトとはなんでしょうか?インサイトとは、ユーザー自身が気づいていないことで、リサーチャーが解釈する潜在的な欲求の仮説」と考えます。簡単にいうとユーザーもリサーチャー側も気づけていなかったことに気づくことです。

そのためインサイトは唯一絶対ではないので、仮説、仮の答えという表現にしています。よく混同されるのがニーズです。ニーズは「顕在化された欲求」と言えます。

誰から見ても客観的に良いインサイトというものはありません。そして、プロジェクトやメンバーによって重要な発見は異なります。

インサイトは客観的な事実それ自体ではなく、あくまでも調査をヒントにしたリサーチャーの内なる発見ということになります。なので、ユーザーは意識していないだけで、ユーザーにとってインサイトは当たり前なことだったりもします。

プロジェクトを前進させる気づきが良いインサイト

インサイトというと、すごいアイデアのように聞こえますが、画期的な発見をしよう、突飛な気づきを得ようとすることではありません。良いインサイトはプロジェクトを前進させる気づきです。

プロジェクトを前進させる。つまり、仮説に基づき、別の誰かでもその確からしさを次の段階で具体化・検証することができることです。

意外性を求めるのではなく、自分たちが気づいていなかったことに気づき、試してみようと思える仮説を立てることがインサイトを生み出すということと考えます。

では、そんなインサイトを生み出すためには何が必要なのか?
次の「アブダクション」に続きます!


リサーチをかえりみる
【前書き】リサーチは、主観的で創造的な提案活動だ
【1】リサーチでインサイトを得るために必要な「アブダクション」
【2】インタビュー深掘りのコツ。相手にとっての言葉の意味を聞く
【3】関係者の想いを聞き出して、​共創的なリサーチを

本記事シリーズは、2024年6月に行ったCONCENT DESIGN SCHOOL Regular program 「プロジェクトを推進する! 新たなインサイトを生み出す『探索型リサーチ』実践」でお伝えした内容を一部抜粋して、再編しています。
スライド図:長谷川 弓希子 / 星川 萌美


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