終わっている僕と金縛り
人生で2回目の金縛りにあった
月曜日
今日は授業を全てブッチした。今日何かがはダメだった、何がダメかはよくわからなかったけれど、僕はもうダメだった。
寝ぼけながら見た形骸化したやる事リストはまだ一つしかチェックがついておらず、僕は沈鬱し、将来に絶望した。
泣きたい気持ちになったが涙を流せない自分をまた嫌いになった。
けどそんな自己嫌悪感に駆られている精神とは逆説的に僕の三代欲求の睡眠欲が僕を蝕む。
少しして、寝て目が覚めると体が動かない。あれ?と感じすぐにこれは金縛りだと理解した。
人生で2回目の金縛りを経験できた事に謎の高揚感があったのを覚えている。
金縛りとか心霊現象などの愚かなことに付き合っている暇もない僕は金縛りに抗うべく身体を起こそうと脳から筋肉へと指令を出す。起き上がれない。
かなりの力で起きあがろうとするが本当に動けない。僕は人生で初めて粘着タイプの鼠取りに引っかかった鼠と同じ気持ちを味わう。
ベットの上で踠くうちによくわからない恐怖感と不安感に襲われて変な汗が出始めた。
それからずっと頑張って踠いた、やはり動けない。
踠き続けて数分後、部屋のドアが何故か開いたのが右目の奥に見えた。
家には僕しかいなく、しかも鍵をかけているはず
死ぬほど鳥肌がたち、汗腺からは生温い汗がじわじわとでてきていた。
誰かが入ってきた。誰かはわからないし、別にわかりたくもなかった。
誰かと認識しようと直視する勇気も強さも持ち合わせていない僕は咄嗟に目を閉じてこの事を無かったことにしようとした。
だが入ってきた幽霊なのか?いや、幽霊なんかいない、けど幽霊が僕のこめかみらへんを両手でぐりぐりしてきた。
今思うと「幽霊って実態あるんやなあ。」とか呑気な感想が出てくるが、生憎その時の僕はそんな事を考える余裕や楽観的な心は持ち合わせていなかった。
幽霊はしばらく僕の頭をぐりぐりした後僕の首に手をかけて、首を絞め始めたのだ。
これほんまに怖くない?
生憎学生時代はいじられキャラとしてやってきた甲斐があり、首を絞められる事には不思議と慣れており(当時、芸人のバンビーノのニーブラという意味不明なリズムネタが流行っていたのです)、耐えられない痛みや息苦しさはなかった、だがやはり流石は幽霊さんは中々やるようで程よく息苦しい。
ふと小学校時代自分の首を遊び感覚で絞めていた体格の良い(デブ)あの子を思い出した。
首を絞められて数分経った後、優しい幽霊だったのかそれともとてつもない力で速攻僕を絞め落としたのか、真相はよくわからないがそこで記憶が途絶えた。
目が開くようになって気がつくと体は自由に動いていて、ベット横の開いている窓からの生ぬるい風が僕の肌から気化した汗の蒸気を吹き飛ばして僕の体温を下げていた。
時刻は正午に近づいていた。
話のネタが増えて嬉しくなって、彼女にこの金縛りのことを話すと「疲れているだけ。」と一括されてしまった。
よく考えたらユウレイなんていないしなんて僕はしょうもない話題を振ってしまったのだとちょっぴり反省し、また自分を嫌いになった。
けどやっぱり怖いなぁ、今日も眠りにつくのが
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