僕と迎合
Digest my opinion
意見を求められた時、本当の答えは僕の胃袋の中に否応なくぶち込まれる。
ペプシン
「お昼何食べたい?」彼女は言う。
その刹那僕はラーメン、ハンバーガー、オムライス、カレーライス、などなど今にも口からはみ出してしまいそうな自分の意見を唾液と共に飲み込み、食道の蠕動運動により無理矢理胃袋へと押し込む。
胃袋に入った僕の意見は、胃液により跡形もなくバラバラに分解される。
そして脳からの指令により僕は少し深く呼吸をし、彼女の好きな食べ物、好みのジャンルの情報から適切な意見を再構築し、喉を震わせてこう言う。
「僕はパスタとかうどんとかかなぁ。」
本当にしょうもない人間だ、本性を知られたら呆れられるだろうけどこれが僕だし、仕方ないよ。
このような道化を演じ、周りの顔色を人よりも気にしなければ生きていけない人間にいつの間にか僕は成ってしまっていた。
死ぬまでこれをしなきゃいけないのか、生きづらい、気なんか使いたくない。
僕はフワちゃんが羨ましい、その反面根底では恐ろしく彼女を侮蔑していた。
このような拗らせ大学生のような思考をしてしまう自分が本当に気持ち悪いし、客観的に見ていて痛すぎる。
本当の紳士な大人はフワちゃんには何も思わないし意見もないんだろうか、けどそれはそれでつまらなそうだなとか色々面倒くさくて無意味でどうでも良いことを考える。
そのあと色々考えるけど最終的には何故かわからないが自己嫌悪に陥る。これが僕のテンプレート。
1人がいいけど1人は寂しいから女の子に迎合する。
矛盾を抱え、踠きながら生きる僕は少しカワイイ。
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