2017年1月6日
成人する頃には、10代が終わってしまうからと寂しい気持ちになって、30歳の誕生日には、もう若者じゃないのだと喪失感を覚えて、人生を折り返したら、手放さなきゃいけないもので手のひらが一杯になった。
けれど、還暦を迎えたら40歳になる頃はよかったと感じるだろうし、命の最後の日には、すべての瞬間は素晴らしかったと振り返るだろう。
僕はネガティブだった幾つかの境界線にもう一度立って、今の自分に語りかけてみたい。
かつての僕が羨ましく映るなら、今日の君も悪くないはずだって。
人は他人とうまくやっていかなきゃならない。
だから、本能的に周りの目を気にすることで自らを守る。
だから、この世界では足跡のない雪原や沼地を進むことはタブー視される。
道標の足跡が靴の形をしていたら、それはたとえば母親の決意の証。
終わりをひとりで歩けるように、君の始まりを抱き上げてくれたんだ。