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2016年11月2日

いいことばかりなはずはなくても、人生はおもしろい。けれど生きていくのは大変だ。夢に生きるのも、家族のために生きるのも、大切な誰かのために生きるのも、たったひとりで生きるのも、簡単なことはなにひとつないのだと、長い間旅をするうちに知った。限りのないものを手にしたとしても、人はきっとそれを疎かにする。

11月9日にリリースする新譜の収録曲に“ジュライ”という曲があって、主人公はタイムマシンに乗って捜すんです。“いきたい時間”を。彼は“いきたい時間”という場所の終わりに直面したからこそ、取り戻したくなった。その願いを叶えるのは不可能だと思う?

裏話をすると、実はこのCDに僕が最初につけた名前は“タイムマシン EP”だったんです。だから、裏タイトルとして、そう呼んで下さい笑

制作期間中、“いきたい時間”についてずっと考えてたし、このCDを聴いてくれた人それぞれにとっての“いきたい時間”に、いってもらえたらいいなって思ってました。

脳がバターになるくらい答えを追いかけて辿り着いたのは、非現実的な願いを叶えられるとしたら、たぶんイマジネーションだけなんだってこと。

mondaysickでも、ame full orchestraでも、僕の立ち位置は脚本家であり、映画監督だから、音楽を作る上でバンド然としたバンド表現に興味が湧かなくて、演者は作品の中の光景や背景になれればいいし、主人公の感情の機微に投影できる部分があった時は、リスナーやオーディエンスが“僕”や“君”になってくれたら嬉しいです。

うたのためにあるわけでも、楽器演奏のためにあるわけでもなく、表現のためにある、そんなバンドになりたいです。

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