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2019.2.26

大学受験間近。ある街のバーでバイトしていた。
開店前、いつものように店内の掃除をしていると、同じ高校に通う女子が入ってくる。顔は知ってるが、話したことのない子だった。
「どうしたの?」と私は声をかける。
「あのね…」とモゴモゴしてる彼女に「とりあえず、座る?」とカウンターの椅子をすすめ、瓶のジンジャエールの栓を抜き、氷を入れたグラスに注いで出した。「これ、奢るよ」
「え?なんか、ごめんね…」と彼女。
「で、どうしたの?」
「うん、ケン君がここでバイトしてるって聞いて、話があって来たの」と彼女が頬を赤らめる。少しドキドキしながら「話って、ナニ?」と私は聞き返す。
「私、トシアキ君の事が好きで。ケン君とトシアキ君、仲良さそうだから、どうかな、と思って…」グラスの縁をなでながら、彼女が言う。ああ、そのパターンね。
「うーん、どうかなぁって言われても。まぁ、今彼女はいないよね」と私は応える。
「そうか、良かった」と彼女が微笑む。彼女はいないけど、想ってる人がいる事は伏せることにする。
「開店するまで、ここで勉強して行っても良いかな?」と彼女が聞く。「構わないよ」と私は応える。参考書を開き、問題を解き始める彼女の頬が西日に照らされてい?。その横顔がすこし切なく見える。

「勉強も良いけどさ」と私は彼女を近くの湖に誘う。
水辺の土手に座り、タバコを吸いながら2人で湖を眺めている。
私たちから少し離れて、疲れた様子のおじさんが、ワンカップを片手にタバコを吸っている。

「日本国憲法第三百何十二条で、屋外喫煙が禁止されていることは知っていますか?」と、誰かが物凄い早口でまくし立ててくる。声の方を向くと、制服を着た小太りの小学生がたっている。

「ん?なんて?」とおじさんが聞き返す。「日本国憲法第〜」先程と同じ台詞をまくし立てる小学生。おじさんが「なにをーーー!」と怒って拳を振り上げると、「キャー!」とその小学生が頭を抱え、悲鳴を上げる。
その途端、湖の至る場所の水面盛り上がり、私たちは水の波にのまれた。
おいおいおい!こんな事ってある??
と思ったところで目が覚めた。

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