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知らない世界のあなたへ

朝、トイレで読んでいて、感動というほどのものではないけど、何か、ジワっときた。

「何ものかになろうとすることは、確かに簡単なことではない。その可能性は限りなくゼロに近い。しかし、どんなにそれがごくわずかでも、そもそも何ものかになろうとしなければ、何ものかになることはできない。何ものかになれるかどうかは、なろうとしたときにはまだ決定されていない。なろうとするまえに、なれるかどうかを知ることはできない。それは賭けである」
(中略)
「むしろ、私たちの人生は、何度も書いているように、何にもなれずにただ時間だけが過ぎていくような、そういう人生である。私たちのほとんどは、裏切られた人生を生きている。」
(中略)
「だが、いつも私の頭の片隅にあるのは、私たちの無意味な人生が、自分にはまったく知り合えないどこか遠い、高いところで、誰かにとって意味があるのかもしれない、ということだ。」
(岸政彦『断片的なものの社会学』より)

これを読んだら、映画『クラウドアトラス』を思い出した。

それぞれの個人の日々の選択が、善意の選択、悪意の選択が、世界のどこかに影響を与えている。それは時空を超えて。人々はどこかで無意識のうちに繋がっている。

僕の今日の選択が、善意や悪意や、くだらない拘りや、ちっぽけな失敗や、人生を賭けた挑戦や挫折が、知らないどこかで誰かに影響を与え、引き継がれて、そして世界を繋いでいく。


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