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ふるさと納税で生活を豊かに?する方法
さて……信じられないかもしれませんが5月になってしまいました.このペースで行くとあと数年で十年後になるのではないかと危惧しています.
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この5月には新しい試みをはじめます.まぁ何度も告知してますが...メンバーシップはじめました.
「飯田泰之のnote経済ゼミ スタンダードプラン」では本マガジン「経済学思考を実践しよう!」の購読+掲示板の利用がマガジンと同額で可能です.noteさん自身がメルマガよりメンバーシップに利用者寄せたい感もありますし,タイミングありましたら切り替え検討ください.
また,「飯田泰之のnote経済ゼミ マスタープラン」では全マガジンの購読に加え月2回ペースでオンラインでのライブ配信+講義のオンデマンド配信を行います.多分火曜の20:30からが多い予定.第一回は公式には5/30(火)20:30からを予定しています.
※録画型コンテンツは先行で開始予定ですので注目しておいてください.ベーシックプランでもおいおい配信やオンデマンド型のコンテンツを増やしていきますね.
※なお...今日は5月1日ですし.メンバーシップに登録すると事実上1か月無料でいろいろ読めるよ♪
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閑話休題...で本編行きます♪
ふるさと納税の問題点
本日のテーマはふるさと納税.本制度,なかでも現行の返礼品つきのふるさと納税には何重にも問題があります.
税構造としての問題
ふるさと納税制度導入時の問題意識は,地域の税収で育成した人材が,成人後に大都市部に流出し・・・彼らの税金は大都市部の税収になるというもの.
15歳未満や引退後の高齢者人口を従属人口といいます.金がかかる従属人口時代には地方圏・郊外ですごし,財政に貢献する現役時は大都市部……だと地方・郊外の自治体財政は苦しい.この不均衡は今なお大きな問題です.
しかし,その是正は地方交付税交付金制度で行うべきことです.過去にさかのぼった幼児~学齢期の人口に対して地方交付税交付を手厚くする制度をつくればよい.そもそも,ふるさと納税による収入は特産品の有無や自治体の知名度に左右されるので,このような財政不均衡是正の手段としては非効率的に過ぎます.
自治体の機会費用
さらにふるさと納税で収入が多い自治体にとっても,ふるさと納税は「お得」とは言えないかもしれない.その理由は...…
自治体がふるさと納税の返礼品を設定すると,その事務作業を市町村職員が行うか,どこかに委託しないといけません.これがふるさと納税の隠れたコストです.
人口の少ないエリアほど,その地域の中で公務員は相対的には高収入.その高収入の人の時間をつかってまで利益があるかといわれると……はなはだ心もとない状態です.「ふるさと納税でもうかっている」という自治体の中には,この市町村職員の労働コストを勘案しているとは思えないケースが散見されます.
また,これらの作業を委託するとなると……その委託先は都市部の事務・物流代行業者ということになる.自治体への寄付が自治体の外に流出させてまでふるさと納税をつづける理由はどこにあるのでしょう.
こう考えると,ふるさと納税は
・安定的に多くの寄付が集まるので,事務・物流代行業を割安で利用できる
・事務・物流代行業者を地域内で調達できる
自治体でしかペイしないということになる.これは結構な狭き門です.
出品業者への長期的負担
そして! 税金で商品を買ってもらってウハウハ...…のはずの商品提供業者にとってもメリットばかりではありません.ふるさと納税で商品を「購入」する人は,「タダだからその商品が欲しい」という人が中心になります.そりゃ実質無料なんですから.
寄付者へのアンケートをとると,ふるさと納税によって「自治体への関心が高まった」「今度は有料で購入したい」と答える人は多い……という反論があるかもしれませんが.意味ないです.そりゃ実質無料でお肉もらって,「おめーの市になんか興味ねーよバーカバーカ」と答える大人はまずいません.そこはみんな空気読んできます.
ただで商品を提供したときに商品を受け取った人――その顧客ロイヤリティは最低ランクです.地域産品は数が限られているものが多い.小規模業者が多いですからね.限られた商品を行政の力でロイヤリティの低い顧客に配分している.これは長期的に見て供給業者にとってもプラスの施策とはいいがたいでしょう.
「三方よし」ならぬ「三方悪し」なふるさと納税...私は近く根本的な見直しが必要だと考えています.この問題を深く理解するために私は,あくまで情報収集のために,例年控除上限ぎりぎりまでふるさと納税を行っています.金券やビールはなくなっちゃったので,試行錯誤しながらいろいろ購入寄付をしてますが...…そのなかで得た教訓などを以下みなさまに提供できればと存じます.
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