
メイク男子の苦悩~vol.1~
僕はメイク男子であり、メイクをすることが当たり前になっています。今では周囲も当たり前に「メイクをする僕」を受け入れてくれます。しかしメンズがメイクをする上で悩みはたくさんありました。今でもすべてが解消されたわけではありません。その苦悩について語っていきます。
メイクをしている、またはしたいと思っているメンズが苦悩を共感できたり、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
また、メイク男子やジェンダーに関心がある方にも、考えるきっかけや何かの参考になることを願っています。
※Panasonicさんとのコラボ記事はこちら
メイク男子、最初の苦悩
僕が初めてメイクをしようと思ったのは約6年前、18歳のころでした。その当時は今ほどメンズメイクが浸透していませんでした。(現在でもメイクをする男性は10~20代で5%未満、30代まで広げると3%未満と言われていますが、、)僕がメイクをしようと思い立ったとき、最初に悩んだことはコスメをどうやって、何を入手するか?でした。
メイクをしようと思ったところで、コスメがないと何も始まりません。しかしメイクに関する知識などなく、どこで買えばいいかもわかりませんでした。僕は母親のメイクポーチから普段使っていなそうな、取ってもわからなそうなBBクリームを抜き出しました。最初はそれでよかったのですが、肌の色にも合っていないしどんどんBBクリームは減っていきます。とうとう自分で買わなければならない時がやってきたのです。
初めてのコスメ
さてコスメを買わなければならなくなり、まず悩んだのは何を買うか?です。その頃の僕はまだポイントメイク(リップやアイメイクなど)はしていなかったので、肌を綺麗に見せるためのベースメイクを買おうと思っていました。しかしベースメイクだけでも化粧下地やファンデーション、パウダー、コンシーラーなどたくさんあります。そんな区別などできるわけなく、とりあえずよく聞き一番基本的なファンデーションを買おうと決めました。
次はどうやって買うか?です。どうやってと言っても当時の僕には店頭で買うしか選択肢はありませんでした。ネットで買ったとして、家に届いたところを親に発見されてはいけないと考えていたからです。そのため、家から一番近いドラッグストアに足を運びました。
ドラッグストアに入る前から心拍数は最大、入ってからはコスメのコーナーにすぐには踏み入ることはできずウロウロしていました。自分はさり気ないつもりでしたが、周囲から見たら不審者のようだったと思います。そして覚悟を決めコスメコーナーの前を商品を見ながらゆっくりと通り過ぎました。もちろん立ち止まる勇気はありません。コスメの種類の多さに絶望したのを覚えています。
コスメコーナーを何往復もし、ようやく目当てのファンデーションを見つけレジに並びました。当然店頭で色味を見たり手に出したりすることはできません。そしてまるで今回の買い物は親に頼まれたものと言わんばかりに、買い物かごの中にはシャンプーが入っていました。めんどくさそうな顔をして会計を済ませ、速足で帰宅し自分の部屋に駆け込みました。やっとの思いで買ったはずのファンデーションは、実は化粧下地だとわかったのは翌朝でした。
ーvol.2へ続くー