見出し画像

見たことのない空 星の河を渡ろう

夜空を見上げるたび、私たちは過去と未来の狭間に立たされる。

そこには、遥か昔に旅立った光が今、私たちのもとへと届く。

そして、今この瞬間に輝いた流れ星は、その一瞬の輝きを残して消えていった。

それはまるで、私たちの人生そのもののようだ。

カルメン・マキの『星の河を渡ろう』の一節に、私はいつも心を揺さぶられる。

「明日が静かに輝く、過去を超えて、すべての陰りを微笑みに溶かして……流れる星の河へ漕ぎ出そう」。

この言葉は、悲しみを抱えながらも、それを超えて輝きを見つける人間の姿を象徴しているように思う。

冬の天の川を見上げると、その光が2万光年もの旅をして私たちのもとへ届いたものだと気づく。

今目にしている星の輝きは、遥か昔に生まれ、長い時を超えてここに届いたもの。

そして、その天の川に零れ落ちる流れ星は、宇宙が生まれた137億年の旅を終え、地球に、気の遠くなるような旅を続けてきたんだ。

そして、地球の大気に触れたその瞬間、まるで全ての命を燃やし尽くすかのように、眩い光を放つ。


ふたご座流星群

それって、私たちの人生とどこか似ていると思わない?

それぞれが、それぞれの時間を生き、限られた瞬間の中で精一杯輝こうとしているんだ。

多くの人は「幸せになりたい」って願うよね。

でも、幸せって何かを手に入れることで得られるものじゃなくて、心の持ち方次第かもしれない。

どれだけ願っても、未来の幸せを確約することはできない。

だけどね、今この瞬間に、夜空の星の輝きを感じたり、流れ星が過去の悲しみを抱きしめながら消えていくのを見つめることはできるんだ。

悲しみを抱えたままだと、幸せにはなれないと思うかもしれない。

でも、それは違うんだ。悲しみって消え去るものじゃなくて、時間とともに形を変えながら、私たちの一部になっていくものなんだ。

過去の痛みを否定するんじゃなくて、それを抱えながら微笑むことができたとき、人は本当の意味で幸せを感じることができるんじゃないかな。

星の河を渡るように、私たちも人生のという長い長い時間の流れの中を進んでいる。

時には波に飲み込まれそうになったり、行き先が見えなくなることもある。

でも、夜空を見上げると、静かに輝く星々がちゃんとそこにある。

それは、「どんなに暗闇に包まれても、光を見つけることはできるんだよ」って、そっと教えてくれているように思う。

流れ星が一瞬の輝きをのこして消えていく。

この刹那とも思える一瞬の輝きに、私たちは何を思うのかな。

もし願いが叶うなら、どうかこの“今”の瞬間の幸せに気づけますように。


天の川 (星の河・銀河)

幸せって、遠くに探しに行くものじゃなくて、本当は自分の内側にちゃんとあるものだからね。


いいなと思ったら応援しよう!