瞬間に心を寄せてみる
夜明け直前のグラデーション
1988年9月乗鞍岳にて
今、この瞬間に己の生命に感謝し、静かに時を過ごす。
夜明け前が一番暗い、夜明け前が一番寒い、
なにかが変わろうとしている時、
不安な感情に導かれて重い気分になることがあります。
そんな時には旅に出て、新しい光を見、時を感じ、一歩下がって自己を見つめるようにしています。
本当の存在目的は、なかなか見つかるものではないかもしれません。
でも今ある身の周りにヒントがたくさん有るかもしれないのでしょう。
瞬間に隠された秘密は、一瞬感じる感情の起伏に見つかるかも知れませんし、一瞬の光影の中に見つかるかも知れません。
ふと、旅先で見つけた〝光〟〝感情〟は一期一会。
その時しか出会えないし、その時しか感じえないのでしょう。
そんな時に出会いの全てに感謝してみると、この荒んだ世界線にも〝光〟が差して見えるかも知れません。
平和は、叫んだり、悲しんだり、戦ったり、罵り合っても訪れないと言うことは歴史が証明してしまっています。
時代の中には勇ましい声が聞こえている時もあるでしょう。
悲しみや憎しみの連鎖は人々の向く方向に進んでしまいます。
ならば、全ては自ら中にあると仮定し、その自らの悲しみに向き合い、悲しみの感情を赦し、包み込む。
そのあとに、今生きている一瞬一瞬の時間と一瞬の中に見つかる光、己の生命に感謝してみると、案外早く心の平安は訪れるのでしょう。
現実世界は一人一人の感情のエネルギーが、70億人分積み重なって構成しているように感じます。
ならば悲しみの大勢に流されずに悲しみから感謝の流れに変えていきたい。
CGユングが到達した解釈では世界線は一人一人の集合無意識によって動いているそうです。
誰もが心安らかで、その感情は一瞬一瞬の連続体ならば、心安らかな時代は自ずと訪れる可能性があると思います。
瞬間、瞬間の感情に秘密があると思っています。一瞬を制御できると大きな変化が起こりそうな気がして止みません。
光の存在であるすべての人類に全ての良きことが訪れます。
そう祈っております。