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ヨーロッパ滞在記・イタリア編 2015年3月29日・「似顔絵」
この日は休日。生徒たちはそれぞれの休日を満喫している。
食堂にはテレビがあり、そこでのんびり観ている人もいる。食事をするテーブルでは、自作の漫画を描いている生徒もいる。
食事の準備は生徒たちが交代制で順番におこなっている。
人数分のテーブルマットを並べ、その上に食器を並べていく。
テーブルマットは学院が独自に作ったもの。漫画キャラクターがプリントされている。
「ペンネ」と呼ばれるパスタ。マカロニがペン先の形をしているためこう呼ばれる。
イタリアに来てからパスタを食べることが多いが、全然飽きないし、和食も恋しくならない。それだけイタリア料理は美味しい(^^)。
食事の後に生徒たちの似顔絵ラフスケッチを描いた。これは僕がイタリアに来てから空き時間に描き溜めたものだ。生徒たちの顔と名前を覚えるためであり、また似顔絵を描いていることで生徒たちと楽しく接することもできた。お喋りするきっかけには最適だった。
絵を描くということは「コミュニケーション」に使える。言葉が通じなくても、絵で表現することで意思を交わすことができる。
現代では、漫画を描くことは「コミュ障」と言われることも多いが、それは一側面に過ぎない。絵を描く技術を持っていることは言葉が通じない相手でも意思を交わすことができるので、立派に「コミュニケーション技術」になる。
僕個人は、そういうことで絵を描く技術を役立てればいいのになと思うけど、絵を描く人は基本的にシャイなので、なかなかコミュニケーションに繋げる人は少ない。
僕はそれが勿体無いと思う。僕は絵を描く技術をコミュニケーションに活かすように考えていたからドイツやイタリアに来るようにとお誘いがあった。自分の行動範囲を広げることにもなるのになと本当にそう思う。
「ヨーロッパ漫画学院」の寮の中では、日本人は僕ただ一人だ。通訳のベアトリーチェさんはいるものの、一緒にいてくれるのは基本僕の授業があったり観光に出かけるときだけ。それ以外の日は彼女は大学に通っている。
今回僕がイタリアに滞在するのは約10日間。そのうちの何日間は通訳無しでイタリア人生徒たちと同じ屋根の下での共同生活となる。僕はイタリア語が分からない。英語だって高校3年生までしか勉強していない。その中でイタリアの人たちと共同生活をするのだから、コミュニケーションを取ることが必要となる。
彼らは僕のことを「先生」として扱ってくれていて「日本人」であることを配慮してくれている。だからといって「イタリア語が分からない。英語も少しだけ」といって自らコミュニケーションを取らないようでは、共同生活も上手くいくはずはない。だから僕のほうから彼らの懐に飛び込むようにコミュニケーションを取らなければならない。そんなときに僕には絵が描ける技術があることがとても有難かった。
幸い、彼らも「漫画好き」であるという共通項がある。「漫画」が、言語が違う相手との共通の話題になるということが、とてもスゴイことなんだと思う。漫画の力って本当にスゴイよ。漫画は「コミュ障の逃げ場」だけじゃないよ。使い方によっては「世界中の人たちと仲良くできるコミュニケーション・ツール」にもなるのだから。
そういう想いを抱えながら、翌日の3月30日に僕はここを離れ、日本に帰国することになる。
(2015年3月30日・「帰国」に続く→)
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