ヨーロッパ滞在記・イタリア編 2015年3月24日・「ヴォルテッラ観光」
午前中、他の講師の方の授業を見学する。ショートストーリー漫画の制作をしていた。
授業での原稿制作は基本的にアナログだった。ペン入れまで手描きをし、スクリーントーンも手で貼ってカッターナイフで削りを入れる。
生徒の原稿は全員が日本漫画のスタイルだ。絵柄、キャラクター、コマ割りなど一見するとちゃんと日本漫画のスタイルになっている。セリフがイタリア語なので、かろうじて「イタリアーノ日本漫画」だと判る。本当に皆、日本漫画が好きなのがよく判る。
教室には様々な漫画の資料が揃っている。イタリア語翻訳された漫画や日本から取り寄せた本もある。
日本で出版されているポーズ集もある。生徒たちは資料を参考にしながら作画する。
授業の途中、校長先生が教室にやってきた。そして僕は呼び出されて教室の外へ。校長先生の車で2人で出かけた。
行き先は「ヴォルテッラ」という街だった。
「ヴォルテッラ」はローマよりも歴史の古い街で、2000年以上の遺跡がゴロゴロしている。観光名所ではあるけど、高地にあり都市部からのアクセスが難しいため、観光としてはレアな場所になっているらしい。そのため街も変に観光地化されていない。街そのものの建物も、中世の時代から変わっていない。というより中世からの建物にそのまま人々が住み続けている。
ここは「ヨーロッパ漫画学院」にも縁が深い街でもある。校長先生とヴォルテッラの市長は知り合いだ。
「ヴォルテッラ」の行政の中心地。ここの市庁舎の市長室で「ヨーロッパ漫画学院」の卒業式が行われる。
市庁舎では僕は市長に紹介され、市長と握手を交わした。その様子を記者が写真を撮っていた。どうやら「日本の漫画家、ヴォルテッラに来たる!」というような街の宣伝として使われるらしい。
3000年以上前の城門。紀元前の物が日常に存在するのがスゴイ(^^;)。
右の眼鏡の人がヴォルテッラ市長。
イエス・キリストが生まれる1000年以上昔の人工物がそこにある不思議(^^;)。
城門近くにある貯水池。
なぜか錦鯉っぽい魚が泳いでいる(^^;)。
「ヴォルテッラ」から学院に戻る。雨が降ってきた。
イタリアでは、当たり前だが車は右側通行。日本での左側通行に慣れていると、反対車線を逆走しているようでドキドキしてくる(^^;)。
学院に戻ったのは午後4時ごろ。午後の授業の途中だった。
なぜか残りの2時間で僕の授業をすることになった。聞いてないよ!(^^;)。
なにも準備していなかったので、白紙から原稿を描き上げるライブドローイングを行った。僕が作業をしている様子を生徒たちが机を囲みながら見ていた。
口で作業手順を説明するよりも、実際の作業工程を見てもらったほうが生徒たちにとっても分かりやすいだろうと思った。ペンのタッチによる線の使い分け、集中線の引き方、カケアミ線の描き方など、実際に描きながら説明していった。
2時間でなんとか絵は描き上げた。しかし衆人環視の中で絵を描くのは緊張する(^^;)。
授業が終わり夜になる。学院の周りは街灯がほとんど無い。真っ暗で周りが見えなくなる。山の中でイノシシも出るので、こんな時間に学院の外に徒歩で出ていくのは自殺行為だ(^^;)。
(2015年3月25日・「授業風景」に続く→)
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