白髪ができる! メカニズム
白髪のせいで老けた印象を与えているかも?
■白髪ができるメカニズム
白髪とは、年齢を重ねるにつれて色素細胞の能力が衰え、毛髪の色素が消失した状態のことです。
毛細血管や神経がある毛乳頭のまわりには、「毛母細胞」があります。毛母細胞の間には、髪の色を作るメラニン色素を生成する「メラノサイト(色素形成細胞)」があり、そこでメラニン色素を生成、コルテックスに行き渡り、髪に色をつけているのです。 加齢や病気などにより、メラノサイトが徐々に減少、それに比例してメラニン色素も減少します。その結果、髪の色素が薄くなり、白髪になる、というわけです。
■白髪の生え方には3タイプ?
白髪になるパターンには、実に3通りあります。
❶髪の毛が生え変わった時に白髪になる
加齢などにより衰えたメラノサイトが、髪の毛が生え変わる時に毛母細胞からなくなってしまいます。
❷成長期の途中で徐々に白くなる
加齢などによりメラノサイトの活動が衰え、徐々に髪の毛の色素が減少します。
❸突然白髪になる
病気などによりメラノサイトが急に活動を停止した場合、突然白髪になってしまいます。
白髪のせいで老けた印象を与えているかも?
■メラニン色素の減退が原因となる白髪
白髪ができる原因の最たるものとしてあげられるのが、色素細胞が失われ、メラニンの生成が行われなくなることです。 放射線が髪に当たる。周囲の最適環境(いわゆるNICHEと呼ばれる色素幹細胞の居場所)が放射線の影響を受け、毛包の幹細胞が色素細胞を発生させられなくなる。
色素細胞というのは、一般的に毛母細胞の間にあるとされるメラノサイトやメラニン細胞とも呼ばれるもので、メラニンという色素を作り出す細胞のことを言います。これらの細胞は、加熱によって数が減少することが知られているだけでなく、表皮や毛球といった皮膚、眼、耳、心臓などの各部位に分布して、組織への着色を行ったり、紫外線などによるストレスから皮膚を防御したりする役割を担っています。ちなみに、メラニンの減退については、他にもいくつか原因があげられており、その中でも代表的な「老化」「遺伝」「ストレス」「ホルモンバランス」について、紹介します。
■老化
毛の根元にある毛包という組織において、色素細胞が細胞に色素を供給することで、髪の毛は黒さが維持されているのですが、細胞が加齢による老化の影響を受けると、その機能が維持されなくなり、白髪が誕生する原因となります。
■遺伝
若白髪などの原因として親などからの遺伝という話がよく出されますが、これについては信憑性の高い研究結果が出ているとは言えません。一方で、肌や髪の毛などを黒くすることに一役買っているメラニン色素の輸送において、中心的な役割を担う2種類のタンパク質の複合体であるRab27A-Slp2-aとRab27B-Slac2-aの存在が確認されています。
■ストレス
放射線の影響や酸化ストレス、抗がん剤といったゲノムに対して損傷を加えるような何らかのストレス(ゲノムストレス)が色素幹細胞に与えられることで、色素幹細胞が分化し、ニッチから消えてしまうというもの。色素幹細胞が消失してしまうと、色素が作り出されなくなるので、結果的に白髪が発生してしまうのです。
■血行不良と女性に多いホルモンバランスの乱れ
血行不良によって、必要な栄養素の分配が行われなければ、これまで説明したような、髪を黒くするためのそれぞれの細胞や機能がうまく働かなくなり、結果的に白髪を発生させてしまいます。血行不良は、自律神経の働きに異常が生じることで発生しやすく、また副交感神経や交感神経の乱れによって睡眠不足や内臓、各身体機能の低下などを引き起こし、適切な休息がとれなくなった場合にも同様の状態悪化が発生しやすくなります。とくに女性の場合、生理や妊娠、出産など、成長ホルモンや女性ホルモンといった各種ホルモンの分泌がうまく行われなくなることが少なくなく、そのようなホルモンバランスの乱れによって、自律神経の乱れを引き起こし、結果的に白髪を生じさせてしまうということがあるのです。
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