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家庭という密室で起きたこと

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外からは綺麗にみえる家庭像の内側で起きていたグロテスクな現実について書いています。
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#別次元

目次:家庭という密室で起きたこと

◇はじめに ◇ パズルのピース #1 蘇った記憶  ・性虐待の記憶  ・記憶の細部 ◇ パズルのピース #2 知らない誰かが勝手に生き始める  ・底が抜ける  ・虎視眈々と ◇ パズルのピース #3 宙に浮いている時間  ・これは現実ではないという祈り  ・現実と交錯する ◇ パズルのピース #4 母から虐待されていたと認識できるまで  ・階段から落ちた真相  ・幼稚園で初めて知ったこと  ・幼稚園にほとんど行っていない ◇ パズルのピース #5 家庭という

パズルのピース #3 宙に浮いている時間

これは現実ではないという祈り 私の生きる時間軸には宙に浮いているような空間があった。 それは別次元のどこかで起きていること。 だから現実ではない。 そう自分に言い聞かせるように強く念じるように祈っている時間が宙に浮いていた。 それは、おぞましい、体中に虫唾が走るような、嫌悪感でいっぱいの中で、その時間が終わるのをひたすら身を固くして耐えている時間だった。 吐き気を催しながら、どんなに激しく拒絶しても、止めてと強く主張しても、お願いだからやめてくださいと懇願しても、止まらな