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家庭という密室で起きたこと

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外からは綺麗にみえる家庭像の内側で起きていたグロテスクな現実について書いています。
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#性虐待

目次:家庭という密室で起きたこと

◇はじめに ◇ パズルのピース #1 蘇った記憶  ・性虐待の記憶  ・記憶の細部 ◇ パズルのピース #2 知らない誰かが勝手に生き始める  ・底が抜ける  ・虎視眈々と ◇ パズルのピース #3 宙に浮いている時間  ・これは現実ではないという祈り  ・現実と交錯する ◇ パズルのピース #4 母から虐待されていたと認識できるまで  ・階段から落ちた真相  ・幼稚園で初めて知ったこと  ・幼稚園にほとんど行っていない ◇ パズルのピース #5 家庭という

パズルのピース #7 最後のパズルのピース

なぜ殺意と憎しみをぶつけられていたのか? 3歳で既に殺意を向けられていた、ということは、その原因が私にあるとはどうしても思えなかった。 育児ノイローゼだったから? 精神を病んでいたから? 代理ミュンヒハウゼン症候群だったから? 何かの病だったなら、母の精神構造を分析して、その原因を見つけ出すことができれば、私は存在を認められて愛されるのだろうか? 私は自分で自覚がないところで、そんな期待を持っていたのかもしれない。 だから記憶の断片を集めながら、自分にされたことの残酷

パズルのピース #5 家庭という密室の中で

性虐待の原体験 それは初めて父とお風呂に入ったときのことだった。 3歳くらいだったと思う。 お父さんという人は仕事であまり家にいなくて、あまり話をしたことがない無口な人だった。 いつもはお母さんに頭を洗ってもらうけれど、その日はお父さんが洗ってくれることになった。 お父さんの膝の上で仰向けになった。 シャンプーが目に入るのが怖くて目を堅く閉じていた。 頭を洗ってもらっていたはずが、なぜか脚と脚の間を覗きこまれているようだった。 お父さんは「まだできないか」と意味不明な

パズルのピース #3 宙に浮いている時間

これは現実ではないという祈り 私の生きる時間軸には宙に浮いているような空間があった。 それは別次元のどこかで起きていること。 だから現実ではない。 そう自分に言い聞かせるように強く念じるように祈っている時間が宙に浮いていた。 それは、おぞましい、体中に虫唾が走るような、嫌悪感でいっぱいの中で、その時間が終わるのをひたすら身を固くして耐えている時間だった。 吐き気を催しながら、どんなに激しく拒絶しても、止めてと強く主張しても、お願いだからやめてくださいと懇願しても、止まらな

パズルのピース #2 知らない誰かが勝手に生き始める

◇前回の記事はこちら 底が抜ける 勝手に生き始めた誰かは、何もなかったかのように明るく振舞ながら、高校生活に戻った。 それまで無口でほとんどしゃべらなかったキャラクターから一変して、誰とでも明るく話すキャラクターになった。 とにかく高校を卒業して、大学進学のタイミングで実家を脱出することだけを密かに考えて生きる人格は、それ以外のことを一切考えず、猛然と高校生活をこなし始めた。 寝込んだまま動けず相変わらず宙を見ているだけの私から分離するように現れた知らない誰かは、何も

パズルのピース #1 蘇った記憶

性虐待の記憶 初めて記憶と感情の統合を体験した時に蘇ったのは、高校二年生のとき、起き上がれなくなって不登校になった頃の出来事だった。 治療中に浮かんできた場面は、決定的な事実を表していた。 それは、父親からレイプされている場面だった。 当時はレイプという表現を使うことに後ろめたさを感じていた。 なぜなら、父親はその行為を「私を治してあげるための治療」だと言っていたから。 本当にそう信じていたのか、自分を正当化するためだったのか、その両方が混在するような独特な妄想の世界の

はじめに:家庭という密室で起きたこと

はじめに トラウマ治療を経て、蘇った記憶の断片をパズルのピースのように集めながら、私の記憶の空白期間で何が起きていたかを書きました。 私は今まで、これらの体験によって自分が醜く汚れてしまったように感じていました。 それを人に知られてはいけない恥だと、自分の中に封じ込めてきました。 でも、これらの感覚は、私に帰属されるものではなく、やった側のものだと気づきました。 もともと彼らのものだから、私が大切に抱えている必要はない、と。   そんな思いを持ちながら、今まで封印してい