
【1ヶ月で100名中90名が脱退】ドローンジョプラス解散の危機を通じて、私が学んだこと
こんにちは。
株式会社Kanatta代表取締役社長の井口恵です。
最近有難いことに大学や高校で講義をさせていただく機会が多いです。
テーマはさまざまですが、これだけは絶対伝えると決めていることがあります。
それは、私の座右の銘でもあるのですが、
「何をするかより誰とやるか」
という言葉です。
起業して5年。
仕事をすればするほど仲間の存在をありがたく感じます。
今回は私がドローンジョプラスでの失敗を通じて学んだ仲間の大切さについてお話しします。
ドローンを知ったきっかけ
Kanattaを立ち上げて最初にはじめた事業がドローンジョプラスでした。
よく、「ドローンがもともとお好きだったんですか?」とご質問いただきますが、全くそんなことはありません。
むしろ何も知らないに近かったです。
初めてドローンの存在を知ったのは、こちらの事故がきっかけでした。
2015年に、首相官邸の屋上にドローンが落下した事件です。
当時私はたまたま永田町勤務だったので、「テロかもしれない」という報道に、少し恐怖を覚えていました。
今考えれば、首相官邸の真上は電波がないので、落下して当たり前だったのでは?と思いますが、そのときはドローンの存在すら知らなかったので、なんとなく「怖い」というイメージだけが残りました。
しかし、その後気になってドローンについて調べれば調べるほど、可能性しかない市場だと確信します。
ドローン業界のインフルエンサーとの出会い
その一年後、まさか自分がドローンの魅力を発信する女性のチーム、「ドローンジョプラス」を立ち上げることになるとは夢にも思いませんでした。
しかし、ドローン業界でインフルエンサー的な存在である女性との出会いで一気に話が進みます。
もともと日本のジェンダー不平等さに疑問を持ち、それを解決するような事業をやりたいと思っていた私は、どんな事業を通じて女性の経済的自立や社会進出を支援できるか考えていました。
そんな中、ドローン業界で知らない人はいない女性がいると知り、大きな可能性を感じます。
前述のとおり、ドローン業界はこれから確実に伸びていく産業であることは認識していました。
しかしながら、ラジコン世代の男性が最初に参入したことこともあり、ドローンパイロット(操縦士)の9割は男性だったのです。
男性主体のドローン業界で活躍する女性がいると知り、彼女のような女性を増やして、女性のドローンパイロットのコミュニティをつくれば、女性の経済的自立や雇用創出につながるのでは?と思いました。
ドローンジョプラスの誕生
方向性が決まってからは、話は早かったです。
まずそのインフルエンサー的な女性を雇用し、一緒に女性のドローンパイロットのチームを作ることになりました。
ドローンジョプラスの誕生です。
最初はドローン自体が全く知られていなかったこともあり、人集めに苦戦しました。
しかし、一度楽しいと分かると、次回は友達も誘ってきてくれる女性の特性もあり、イベントや勉強会を中心にドローンジョプラスのメンバーは徐々に増えていきました。
そして2018年の年末にはついに100名を突破。
100名を突破したときはとても達成感がありました。
そして次の2年間で今度は一気に500名を目指そう!と役員陣で盛り上がっていた矢先に、事件は起きました。
リーダーの卒業
ドローンジョプラス第一号であり、リーダー的存在だった女性が、ドローンジョプラス卒業を発表したのです。
卒業の理由は、方向性の不一致。
・・・バンドの解散理由でよく聞くやつですね(笑)。
バンドの解散理由が本当に方向性の不一致だけなのかは分かりませんが、私たちの理由はまさにそこにありました。
コミュニティを重視して、どんどん人数を増やしていくことに価値を感じていた私に対して、彼女は自分自身のスキル向上に集中したいと言っていたのです。
一生懸命折り合いをつけるために話し合いを重ねましたが、最終的には「別々に活動した方がお互いのためだね」という結論に。
こうして、彼女の卒業が決まったのですが、事件が起こったのはここからでした。
なんと、彼女の卒業を知ったメンバーのうち、90名がドローンジョプラスを辞めてしまったのです。
ドローンジョプラス解散の危機
正直、彼女の卒業を機に何割かが辞めることは覚悟していましたが、まさか100名中90名が辞めてしまうとは思っていませんでした。
それからの日々は、今思い返しても本当に大変でした。
連日、今後のドローンジョプラスについてどうするか、重い話し合いが行われました。
と同時に、いろんな後悔が押し寄せてきました。
今思えば、90名の卒業はしょうがなかったと思います。
なぜなら、当時の私たちは、あまりにもそのリーダーに頼りすぎていたからです。
ドローンの知識はもちろん彼女が一番。影響力やスキルも抜群でした。
新しく入ってきたメンバーの加入理由のほとんどは「彼女に憧れて」というものでした。
そんな状況でリーダーが辞めたら、当然崩壊すると思います。
彼女に依存しすぎていた私たちに残された選択肢は二つ。
ドローンジョプラスの解散
もしくは
残った10名を中心に、新生ドローンジョプラスを立ち上げることでした。
残った10名のドローンジョプラス
その二つの選択肢しかないことを10名に告げたとき、私の心は半分以上解散に傾いていました。
なぜなら、その10名の中に今まで請け負っていたようなドローンの仕事を一人でできる人物はいなかったからです。
「そんな状況だから、もう解散するしかないと思う」
と言う私を見て、悲しそうな顔をするメンバー。
そんなとき、みんなが口々に同じことを言い始めました。
「ドローンをやりたいです。」
最初は耳を疑いましたが、残ってくれたメンバーはみんなドローンジョプラスとしてドローンをやり続けたいと言ってくれました。
確かにスキルはまだまだだけど、10人で力を合わせてなんとか今までの仕事を請け負えるようになる、だからドローンジョプラスを続けたいと言ってくれたのです。
ドローンジョプラスの再出発
正直、このような展開は想定していなかったです。
私が解散といえば解散になると踏んでいました。
しかし、みんなの想いに私が励まされ、もう一度一緒にドローンジョプラスを立ち上げようと決めました。
1から、いや0からのスタートになるかもしれないけど、みんなで頑張ろうと誓った日でした。
それからは、新しいドローンジョプラスが始動しました。
反省を活かし、あえてリーダーは定めませんでした。
その代わり、それぞれが得意な分野を作り、その分野でのリーダーになっていきました。
空撮のリーダー、ドローン体験会のリーダー、プログラミング講座のリーダーなど、いろんなモデルが誕生しました。
そうやって様々な人が活躍できる土壌がつくられ、10名だったドローンジョプラスのメンバー数は、1年で80名まで回復しました。
失敗を通じて学んだこと
現在、ドローンジョプラスには、再び約100名のメンバーが在籍しています。
約1年半前からは、有難いことにメディアにも多く出させていただけるようになり、今のメンバーに2年前の事件のことを話すと、信じられない、と驚く人がほとんどです。
しかし、私たち経営陣にとって当時の失敗は、とても貴重な経験でした。
そして、当時私たちを信じて残ってくれた10名のメンバーには、感謝してもしきれません。
ドローンジョプラスでの失敗を通じて私が学んだこと。
それは、何をするかより誰と一緒に頑張るかが大事であること。
当時の苦難は、あの10名と一緒でなければ乗り越えられなかったと思います。
そして、一緒に困難を乗り越えた仲間とは、今後なにをやってもうまくいくと信じています。
これからも、たくさん失敗すると思いますし、今でも問題がないわけではありません。
しかし、私は今の仲間と一緒に全ての困難を乗り越え、大きな成果を出したいと思っています。
当時の失敗を通じて、ドローンジョプラス、そしてKanattaとして、一回りも二回りも成長させていただいたことに心から感謝して、あの経験を糧にこれからも目標に向かって突き進んでいきます。
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