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「【囲碁】第60期十段戦第2局のちょっとした感想」

こんにちは。IGOcompany-Uです。

今日は、先日打たれた第60期十段戦第2局の前半部分の、ちょっとした感想を書こうと思います。

前に「第46期棋聖戦第7局のちょっとした感想」

を書きましたが、意外と読まれています。

十段戦は、すでに先日3局目が打たれ、許家元十段が挑戦者の余正麒八段に3連勝で防衛していますが、全然まだまだ僕の勉強が追い付いてないので第2局目の雑感です。

週間碁などで追ってはいないけど、noteに書いてあれば、囲碁の記事をちょっと読んでみようかなって方もいると思うので、書いてみます。

【第60期十段戦 第二局】 

黒が余正麒八段 白が白許家元十段です。

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左上隅は、小目の「ツケヒキ定石」。

黒はAと打てば定石どおりですが(AIがそこを好点と示すものの)、やっぱり左辺に黒石が集まってしまうので、黒17とカカリにまわったのはわかります。

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白は、白24と左上隅にツケていきましたが、

この手ではAの「四線に対するケイマの三線の急所」や、

Bの打ち込み(オキ?)が白22の手と関連して良い手だったようです。

そもそも白22は、アマチュアは一路右にしっかりと構えていた方が良いかもしれません。

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白1と打たれた時、白石を分断して戦いに行く人もいると思いますが、基本的には幸せにならないように感じています。

黒2のツケから、白を渡らせて厚みを築き、先手を取って十分でしょう。

白は1と打つことによって、黒からのAの「四線に対するケイマの三線の急所」を補っている意味がありますね。

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白24のツケからは、白1と打つ定石の方が多いと思います。

昔は、白が十分って思われていましたが、最近は隅の黒はしっかり生きているし、白が後手になるのでそれほど良くないんじゃないかと考えられています。僕は結構白が好きですけど。

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なので、実戦は白26と二段バネで激しく打っていきました。

黒は、33と下辺にまわり、左下隅の白3子にプレッシャーをかけています。

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現代の碁の感覚だと、左下の白△の三子は「そんなに弱くない」と思って扱います。

この感覚を把握していなかった時は、よく余計な一手を入れてしまい碁が遅れてしまいました。

この図のように、白1のコスミツケを決めてからハネカケツギ、あるいは単にハネカケツギでも、白は弾力のある形で、そう簡単には死にません。

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というわけで、白は手を抜いて白34と黒25の石をカミトリます。

左辺の石を強くしようとしていますね。

注目したいのは、黒42のカケツギで、

皆さん、この時白だったらどこに打ってみたいですか?

※3行くらい行間を空けてみますので、考えてみて下さい。




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個人的には、白1のノビが良いんじゃないかと思いました。黒2のハネに対しても左辺を受けているくらいです。

でも、実戦は、

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白42のアテから、白44。

ここまで厳しく打つのかと驚きましたね。

×印のキリがいっぱいあって、こわくて打てません。

しかし、AIで検討してみると、この手が1番有力だったようで(僕の手は二番目の候補手でした)、タイトル戦の厳しさを感じた一手です。

とはいえ、僕は、教室で生徒さんに説明する時は、

白42でノビをオススメすると思います(手抜きもあるのかな?)。

×印のキズがたくさんあればあるほど危険になりますので、ヨミを十分にいれてないと危ないです。

プロの打つ最高の一手が、皆さんにとっての最善の一手とは限らないワケです。

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ちなみに、黒55のノビは、見た瞬間にアヤシイと感じないといけません。取られている二線の石からノビているのですから。

わかりますか?

もし、白と二目を取りに行こうとすると、

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(黒4、6でA、白5でB)

有名な「石塔シボリ」の形です。

黒8が気づきにくい好手で、攻め合いは黒勝ち。一瞬でタイトル戦が終わってしまいます(笑。

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なので、白56と打ち、白60が「三目の真ん中の急所」。

黒73が「タケフの急所」の一手になります。

攻め合いや戦いの時に、ボクシングのジャブのように、相手の形を崩す時によく使う急所です。

考える取っ掛かりになるので覚えておいて損はないと思います。

たしか、このあたりでお昼休憩で十段戦第2局は進んでいきます。最後は黒の大石を仕留める大捕り物になってしまった一局です。

以上、前半のちょっとした感想を書いてみました。

好評だったら、棋譜解説も沢山していきたいと思います。

少しでも参考になったら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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