【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第27回「応氏杯 準決勝第3局 柯潔九段 対 一力遼九段」
こんにちは。
IGOcompany【U】@毎日note継続中(336日目)です。
公益財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、文章を書いたり、「囲碁」の普及活動をしたりしています。
今回は、先日凄い盛り上がった応氏杯の棋譜を解説します!
今週の囲碁の話題でも触れましたが、
一力先生が、応氏杯の決勝に進出しました!!
8月に決勝戦があるようなので、とてもとても楽しみです^^。
ちなみに、応氏杯は4年に1度の世界大会で、優勝賞金は40万ドル(日本円にして6400万円)との事です!ぼんやりと5000万円くらいの大会だと認識していたんですが、昨今の円安でこの額みたいですね。
というワケで、
本日のnoteは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第27回「応氏杯 準決勝第3局 柯潔九段 対 一力遼九段」
です!!
教室の講義の題材にしようと思って、ミッチリと棋譜を検討しましたので、その成果を皆さんにお伝えしようと思います。
良かったら、棋譜を並べながら解説を読んでみて下さい。
ちなみに、
この解説シリーズは、
僕の書いている有料noteの「全て」のマガジン(10年分で5,980円)と、
全100回を目指す棋譜解説シリーズのマガジン(100本で2,980円)に、
記事を随時追加していきますので、宜しくお願いします。
前回のnoteは、こちら。
※必ず前回の棋譜解説を載せていますので、良かったら遡ってみて下さい。
囲碁が強くなりたいと思っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、
囲碁の棋力向上のためには、
兎に角、たくさん勉強すると言いますか、様々な棋譜解説に触れ「棋理」を理解していくことが大事だと思います。
質も大事ですが、量をこなすのも重要です。
僕も、毎日コツコツnoteを書いていますので、(拙い文章かもしれませんが)、良かったら沢山棋譜解説を眺めてみて下さい(前半部分は無料です)。
スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、宜しくお願い致します!!
今回の参考教材。
それでは、
棋譜解説noteを始めていきましょう!!
今回は気合が入っているので(一力先生の決勝進出が嬉しいので)、いつもより参考図も多めです(笑。
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第27回「応氏杯 準決勝第3局 柯潔九段 対 一力遼九段」
【解説に使った棋譜の総譜 白90手目まで】
応氏杯 準決勝第3局 柯潔九段 対 一力遼九段
【実戦の進行 黒9手目まで】
黒7のハサミから、黒9のケイマは、ちょっと懐かしい(?)進行。最近だと白8をカケで打つことが多いです。
【参考図①】
白1のオシから、白5のハサミで打てば自然な進行(このnoteを読んでいるほとんどの方はこの進行で問題ないと思います)。
とはいえ、この進行は、白1とオシて最初に黒に地を与えてしまうので、(若干)白は選び難いのかもしれません。
【参考図② 簡明に落ち着くツケフクラミ】
よく紹介していますが、ツケフクラミで落ち着く進行も簡明でオススメです。黒2で白3にノビてくれば、三々に入ったような変化になるでしょう。
【実戦の進行 白12手目まで】
実戦は、白10のハサミから、白12手目まで進みました。
白12は石の形で「ハザマ」なので、白は打っておきたい急所です。
ここでちょっとした質問ですが、
黒13手目を、どこに打ってみたいでしょうか?
※意外と、級位者の方は間違った着手をしてしまうかもしれません。
【参考図③ 絶対に打ってはいけないケイマの突き出し】
次の図の黒1や、
その次の図の黒1を打ちたい人は、石の形的には要注意!
(場合によってはこう打つ時もあるかもしれませんが)よっぽどの事がない限り、序盤には作りたくない「ケイマの突き出し」になってしまいます。
同じく、これも「ケイマの突き出し」。
このように打つのは、基本的にはNGだと覚えておきましょう。
【実戦の進行 黒13のコスミ】
というワケで、
実戦、柯潔九段の選んだ着手は黒13のコスミ。
僕の第一感は、
右下隅からのコスミツケだったんですが、
(微差ですが)柯潔九段の選んだコスミの方が評価値は高いようです。
続いて、
白の着手も悩ましくて、白1のノビをついつい選んでしまいそうですが、
【実戦の進行 黒19手目まで】
一力先生は、白14と隅でしっかり生きる方が価値が高いと判断しました。白18は右下の星に打ってしまいそうですが、タケフの方が形が良いんですね。
さて、ここから下辺の石の強弱がポイントの長い戦いが始まっていきます。
白石に△のマークをつけてみましたが(△の石が弱い)、ここからはこのようなマークのついている石の強弱に注目していって下さい。
【実戦の進行 白22手目まで】
白20のハサミから、黒21の大ゲイマ、白22のツケで進みます。
黒21の大ゲイマは穏やかな進行を目指す時にもよく打たれます。
【参考図④ 穏やかな進行】
カカッた石を軽く扱い、左辺にヒラキを打つなどの進行も考えられます。
よくこのnoteで書いているんですが、プロの打つ厳しい手が全て皆さんののオススメの手というワケではありませんので、このように穏やかに打つ引き出しを持っておいても良いと思います。
【実戦の進行 黒25手目まで】
とはいえ、
やはり世界戦の準決勝戦では、石を張って打つんでしょうね。決勝に進めば40万ドルが待っているワケですからね(笑。軽く石を捨てる筈もなく、黒23のハネから黒25のノビと、厳しく進みました。
先ほども言った通り、
ここから石の強弱がポイントの戦いが始まっていきます。
【参考図⑤ オサエは打ち過ぎ】
ちなみに、黒25のノビに対して、オサエで打つのは打ち過ぎです。
要石がシチョウで取られてしまうかもしれないことを確認しましょう。
【実戦の進行 黒27手目まで】
というワケで、白26はタケフ。右下隅にも出来ていますが、タケフはしっかりした守りの形です。
さて、ここで、白番。
皆さんだったら、どこに打ってみたいかを考えてみて下さい。
【参考図⑥ 弱い石を強くするのが本手】
僕だったら、左下隅の白石の強弱が気になりますので、白1としっかり一手入れておきたいなと思ってしまいます。
ただ、この手は「守っているだけ」の着手なのかもしれません。
もっと石の働きを追求したい。
【実戦の進行は!?】
実戦は、白28のツケから、黒△の石の強弱を意識しています。
左下隅の白△の石達の強さも気になりますが、先に黒石に対する攻めを意識した着手ですね
些細なトコロですが、黒31に対してAと打ってしまうと、逆に白の石が取られてしまいますので、注意して下さい(ウッカリ間違えてしまいそう)。
ちなみに、AIで検討しても、実戦の進行が、いちばんの候補手でした。
僕の手は、うっすらと左辺に見えますね(笑。
【参考図⑥ 黒1は緩着】
実戦の進行後、石の強弱を意識して、黒1などと手を入れておけば自然な着手に見えますが、そうすると白2などと戻られて、白は右下隅と左辺と両方打っていることになりますので、(プロ的には)黒がアマイ進行です。
とはいえ、このnoteを読んでいる方は、しっかりと一手入れるという意識は持っておいて欲しいですし、黒1と一手入れる手の方がオススメだったりします。
【実戦の進行 黒33手目】
なので、黒は右下隅の△の石達が弱いのは百も承知ですが、黒33と左辺に打ちました。このように「弱いのは承知だけど、貴方の石も弱いでしょ!?」みたいな反発が、この後は続く事になります。
【実戦の進行 白36のハネ出し】
白36とハネ出しを打ち、白は黒の石を分断しに行きました。
ここから本格的な戦い。ここで最初の形勢が決まってしまいます。
それでは、本日のnoteは、これ以降を有料部分に設定たいと思います。。
ここからの一力先生の打ち回しが素晴らしく、白形勢良しに。
また、なんてことのない一手かもしれませんが、一力先生の個人的に感心した一手も登場しますので、紹介いたします!
そして、形勢が悪い時ならではの柯潔九段の工夫の打ち方も大変勉強になったので、その部分を一緒に勉強していきましょう。
それでは、
一旦、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
良かったら、また読みに来てみて下さい^^。
以下、有料部分です。
【実戦の進行 お互いの石のが取られそうな展開】
サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。