【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第20回「石橋をたたいて渡るような一手」
こんにちは。
IGOcompany【U】@毎日note継続中(228日目)です。
囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などでも囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
昨日の金子真季先生の指導碁会にご参加頂いた皆様、ありがとうございました!次回は、5月25日(土)になりますので、良ければ今のウチからスケジュールに入れておいて下さい^^。
あと、4月のスケジュールも出来ましたので、載せておきますね。
さて、
本日のnoteは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!
第20回「石橋をたたいて渡るような一手」
です。
棋士の白石先生の研究会に参加して、実際に指導して頂いた僕の棋譜を題材にしました(というワケで、珍しく僕が黒番の自戦解説です)。
凄い勉強になったので、皆さんと共有したいです。
※有料記事ですが、ほとんどの部分は無料に設定していますので、気楽に眺めてみて下さい。
題名を、
「石橋をたたいて渡るような一手」と書いたんですけど、
このnoteを読んでいる皆様のほとんどは、その一手を打って「大丈夫」です!(※むしろ、打った方が良いでしょう)
ただし、感覚的には、ネット碁五段以上の方には、ちょっと「ヌルイ」ようなイメージでの着手になりますので、それを紹介します。
そのニュアンスが難しいんですけど、囲碁って棋力が高くなればなるほど「もっとギリギリまで踏み込む」みたいな意識が必要なんですよね。
安全に行こうとすればするほど、碁に遅れると言いますか。。。
僕のこの(拙い)碁を眺めていただいて、そのちょっとした空気感みたいなものを感じてみて頂けると嬉しいです。
その感覚が研ぎ澄まされていけばいくほど、棋力は向上すると思います。
いつも通り、専門記事は、こちらのマガジンに随時追加しています。
こちらは、今まで書いた書籍や色々な有料noteが「全て」詰め込まれているマガジンですが、
この棋譜解説だけ、(これから書く分も含めて)全100回分読みたいよって人は、こちらのちょっとお得なマガジンをご購入下さい。
購入していただかなくても、スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、そちらだけでも宜しくお願い致します!!
前回のnoteはこちら。
※必ず前回のnoteを載せていますので、もし興味があれば遡って頂けると。
今回の参考教材。
それでは、始めていきましょう!!
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第20回「石橋をたたいて渡るような一手」
【全体の流れ 白135手目までの棋譜】
白135手目までの棋譜。
この段階では、形勢は明らかに白良しになっています。
どこで形勢が動いたか、どの手がポイントだったのかを解説していきます。
ちなみに、教材に使用した90手目までは、
黒の評価値が90%(くらい)と、それなりに頑張っていたようです。
【実戦の進行 白11手目まで】
序盤の進行。
右下隅の黒6のコスミツケの手は、昔だったら筋悪(白に二立三析を与える)って言われそうですが、今はもう普通に打たれるようになりました。
【実戦の進行 黒22手目まで ツケフクラミのサバキ】
実戦は、黒12と隅の石にツケて、フクラミからのサバキを目指しました。
このサバキの手法は、第14回の棋譜解説でも登場しています。
【参考図① 黒Aとツナギを打つのは陣笠の愚形】
このサバキの手法について、ポイントをひとつだけ書くと、白4のアテに黒Aとツナギを打つのは「陣笠」の愚形。黒が悪いとされています。ここではBのアテ返しが大切です。
【参考図② オシも簡明でした】
実戦は、黒22をハネで打ったんですが、下の図のようにオシていった方が黒は良かったと思います。
【実戦の進行 白25に対してどう打つのか!?】
黒24としっかり一子をカカエて、黒は悪くないなと思っていたんですが、白から白25と左辺に迫ってこられました。
下手の意識だと「えっ、強い石を攻める気なの!?」って怖くなってしまいます。
ここで、どう打つかも悩んだ局面です。
【参考図③ 黒Bと反発すべきトコロでした!】
多分、多くの人がAと隅の石を守ってしまいそうですが、これは黒が利かされで良くないでしょう。気合いの悪い印象の一手です。
そこで、
僕の第一感は、
黒Bのハサミだったんですが(それが正しかったようなんですが)、
前回の指導碁でボロボロになった記憶があるので、息の長い碁にしようと…
【実戦の進行 黒26のツケから】
中央を厚くしておけば悪くはないだろうという判断で、黒26のツケを選択しました。
これは後でAIで検討しても有力な一手だったので、ああ、良かったと思ったんですが、この直後に凄い「ヌルイ」手を打ってしまうのです!
これを、今回は「石橋をたたいて渡るような一手」と表現してみます。
皆さんだったら、白29に対して、どう打ってみたいでしょうか?
【実戦の進行 黒30が「石橋をたたいて渡るような一手」】
実戦、僕が選んだ着手は黒30のオサエ。
普通の一手だと思っていたんですが、白石先生に「この手がこの碁でいちばん悪かったですね」と言われてしまった手になります。
イメージとしては「受けすぎ」の一手です。
ただし、先程も行ったように級位者の方がこの一手を打ったとしたら、弱い石をしっかりと守る「本手」のような一手になると思います(むしろ、しっかりこう打って欲しい)!
(※こういう囲碁の考え方が、ちょっと難しいですよね。。。)
【参考図④ 黒は強弱を強調するように打つべきでした】
黒の石はそんなに弱くないので、
黒30と受けずに、
下の図のように黒1のマガリから、黒3の急所に迫るような打ち方をするべきでした。攻勢にまわる、といったイメージの進行です。
【実戦の進行 白37手目のノゾキまで】
実戦は、
黒30と守ってから、
黒32とノゾキで根拠を攻めているので、ちょっとチグハグでしたね(打っている時は、これでも十分かと思っていたのですが)。
白37のノゾキも、出切りを狙われて、ちょっと嫌な感じです。
【実戦の進行 白45手目まで】
黒38のツギは、キカサレかもしれませんが、僕はジッと耐えています。
ちなみに、黒40の様子見を打つなら、黒38のタイミングで打った方が白の打ち方が悩ましいとのことでした。
さて、
ここで、
また僕の「石橋をたたいて渡るような一手」が出るのですが、
下の図、白45手目の局面で黒番です、
皆さんだったら、どこに打ってみたいですか??
※ちょっと行間を空けてみるので、じっくり考えて下さい。
【実戦の進行 黒46が緩着!】
実戦、僕は左上隅からの黒石の強弱を気にして、黒46と頭を出すように打ったのですが、これが「緩着」!!
生きている石から動いているような一手です。
ここでは、黒の石は大丈夫と判断して。A~Cなどの大場に先行しなければいけませんでした。
【実戦の進行 黒56手目のコスミツケまで】
実戦、下辺白47と打たれた時に、「あぁ、黒46は遅かったなぁ」と気づきまして、ちょっと後悔しました。
普通は、頭を出すのは立派な一手ですが、黒はもうほぼ二眼がありそうな形をしています。
ただし、級位者の方などはしっかりと頭を出していて欲しいと思います。
また、
下辺の攻防、
白47に対して右下隅を鉄柱で守るのは気合いが悪くキカサレになるので、実戦のようい黒48とハサミを打って戦いたいトコロです。
黒52で、黒48の石から一間トビを打つのも立派だったと思いますが、実戦はコスミツケで打ちました。白53に対しては(コスミツケを打ったからには)黒54と連打するのが気合。
黒56とまわれて、黒も、まあ、悪くないかなと思っていましたが、右下隅へ白からAの三々に打たれる手が気持ち悪過ぎるので、Bとハネツギを決めておく位だったかもしれません。
【参考図⑤ 黒が目指した進行】
左下隅の黒1のコスミツケに対して、白2と立ってくれれば、黒3とトンで黒好調かなと思ったんですが…
【実戦の進行 白61手目の三々】
左下隅を白57、59と先手で打たれて、
白61に打たれると、黒もやや気持ち悪いです。
さて、ここで、黒番。どう受けてみたいでしょうか??
これも前回の棋譜解説でテーマにしましたね。
【実戦の進行 白77手目まで】
黒は、白61の三々に対して、黒62のオサエで「グッと我慢」しました。
よっぽどの高段者じゃなければ、こう打っていて十分だと思います。
AIによると、反撃するなら、こういう感じのようですが、これは難し過ぎますね。
もちろん実戦の進行は、黒が多少譲っているような意識はありましたが、まだまだ三子の威力が失われていないんじゃないかなぁと思っています。
前述した、黒30や黒46の「石橋をたたいて渡るような一手」を打っているものの三子の碁はそう簡単に悪くはなりません。
「中央、黒76とトンだ黒の一団が取られず、逆に白の薄みをつくように打てば黒ペースかな」なんて思って打っているんですが、
次の手が、僕の完全なる失着だったと思うので、
(恥ずかしいので)
本日は、ここからを有料部分したいと思います。
問題の黒78手目は、以下で。
それでは、
まずは、ここまで読んで頂き、ありがとうございました!!
是非ぜひ、また読みに来てみて下さい^^。
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【実戦の進行 黒78手目が安易な一手!】
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