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「みんな使いこなせてる?ダイレクト三々定石の簡単な解説と、簡明なオススメの形」
※2023年9月21日追記
このnoteが6万5000ビューを達成!この記事も1200人以上の方に見てもらえています。ありがとうございます!!
ちょっと宣伝ですが、この記事を、より詳しくした
「三々定石」の書籍を発売しています。
宜しかったら読んでみて下さい^^。
以下、通常のnoteです!
↓ ↓ ↓
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
(その昔は)今はなき「囲碁未来」って雑誌に、囲碁の記事を書いたりもしていました。
2023年の4月からは「新百合ヶ丘囲碁学園」の学園長にもなりまして。
※僕のnoteの中で、かなりこの記事が読まれているようなので、1年以上ぶりに、このnoteを加筆修正してみました。
※有料記事で、「三々定石」について、まとめてみました。こちらも宜しければご一読下さい(前半部分は無料です)。
三々定石は、おもに3種類ありまして、
①【星にダイレクトに三々に入った場合】
②【星にカカリ、ハサミの後の三々に入った場合】
③【星にカカリ、シマリで受けた後の三々に入った場合】
この今ご覧になって頂いているnoteが、
①【星にダイレクトに三々に入った場合】の部分を、
下にあります有料noteで、
②【星にカカリ、ハサミの後の三々に入った場合】
③【星にカカリ、シマリで受けた後の三々に入った場合】
を解説しています。
それでは、
以下は、本来のnoteです。
このnoteは、AIの登場と共に、打たれるようになった「ダイレクト三々」について解説しています。
内容が難しくならないように、出来るだけ簡単に書いたつもりです。
拙い文章でツラツラと書いているだけのnoteではありますが、少しでも誰かの参考になったら嬉しいです。
ちなみに、
それでも解説が難しいと感じた人は、
このnoteの最後に「級位者でもこう打てば大丈夫という簡単な形」を紹介していすので、その形だけでも使ってみて下さい(それで大丈夫です)。
それでは、
「みんな使いこなせてる?ダイレクト三々定石の簡単な解説と、簡明なオススメの形」を始めてみます。
「ダイレクト三々定石の話」
1.二目の頭をハネる手は、ほぼ見かけなくなりました
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上の図が、もっとも基本的な、星に三々に入った場合の「三々定石」。
この定石は、隅が白地、外側が黒の厚みになる変化で、どちらかと言えば(序盤は)黒が良いと言われている形でした。
なので、昔は、すぐに白1と三々に入るこの手(「ダイレクト三々」)を滅多に打ちませんでした。
しかし、
今は上に示した定石と違う変化が主流となり、逆にすぐに三々に入る手が打たれるようになってきたのです(後述します)。
上に示した図は、昔の三々定石の形。黒4で「二目の頭」をハネる変化。
今は、この手(ハネる手)もほとんど見かけなくなっています。
ちなみに、
私はこの定石で覚えてたよ!って人も多いと思います。
この形になってもすぐに負けになるワケではないので、この形で囲碁を楽しんでもらっても何の問題もありません(囲碁は大筋が合っていれば大丈夫です)。
【黒が良いと思われていたから、ダイレクト三々は打たれなかった】
AIの発達によって生まれた「ダイレクト三々」。
昔は、すぐに三々に入ると「外側を強くしてしまっている」「目先の利益(地)を稼いでいる」みたいな印象で、あまり好まれませんでしたが、
今は逆で、相手の形が決まる前に、AIが重要と示している三々という場所にすぐに入ってしまおうという考え方が主流となってきました。
【上の図の定石形について】
まずは、昔の定石を解説します。
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「二目の頭は見ずハネよ」の格言通りに黒4と進め、白が9からのハネツギを決めるていると、黒の石はカケツギの好形を得ます。
この形になると、今は外の黒石は強いという感覚になります。
こうなれば黒が良いので、
白は「ダイレクト三々」に入ってから、この定石を打たなくなったのです。
では、白はどのように打つようになったのでしょうか?
【ダイレクト三々、よくある進行】
白は9と、もう一本ハイを打って先手を取り(昔はあまりよくないと言われていた二線のハイも今は普通になりましたね)、
そして、ハネツギは打ちません。
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白は11と右辺(や大場)へと先行します。
これはこれで一局と捉えることも出来るんですが、
こうなると白は隅も右辺も打っているような局面になってしまいます。
昔だったら、隅の地は白、黒は厚み、ってワカレてた筈なのに、白が両方打って得をしているようにも感じてしまいますね。
また、黒はカケツギを得ていないので、白は後にAなどのノゾキから、黒の石への攻め(壁攻め)も狙えます。
この攻めが狙えるのがポイントで、
一般的に、この進行は白が良いと言われるようになりました。
【もし白がハネツギを決めていると】
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もし、昔のように白がハネツギを打ってしまっていると、黒は強いので、白Aのノゾキに対してBなどと反発しやすくなります。
カケツギを与えてもらっている場合は、黒も不満はありません。
白からのハネツギひとつで、石の強弱に差が出てしまうのです。
なので、白は、二目の頭をハネられた場合は、ハイを打ってからハネツギを決めずに、大場に先行するような打ち方を選ぶようになりました。
ちなみに、
唯一残っている、二目の頭をハネる変化は、
2.二段バネだけが生き残っています
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黒はこの二段バネの定石を、いつでも打つワケではありませんが、
両側に白があり厚みを作っても仕方がないと判断した時などは、黒4、6と二段バネをし黒は隅を確保します。
つまり、隅の地が欲しい時は二段バネです。
今、二目の頭をハネる変化は、この定石くらいになりました。
また、時代によって変わるかもしれませんが、今現在の打ち方は、基本的には二目の頭のハネはないのです。
では、結局、ダイレクトに三々に入られた場合、黒はどうすればいいのでしょうか?
3.ノビてケイマが基本形
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黒4は、ノビで打たれるようになりました。
厳密に言えば、黒から黒4でケイマに打つ手などもありますが、変化が難しく簡明ではなくなるので、
ここでは「黒はノビを打てば、とにかく良い」と捉えて下さい。
白5のケイマまでで一段落。
黒は先手を取って大場に先行します。
【ヒラキを打たなくなった現代の碁】
もちろん、その後、右辺の星などに黒が打つ手も立派ですが、最近の碁では見かけることは少なくなってきました。
黒は右辺の星にヒラキを打てば、右辺は黒模様になると思いますが、
最近は、模様にせずに「この黒の外側の三子は思ったより弱くない」と捉えて打ち進めることの方が多いです。
この考え方が、現代の碁です。
わざわざ一手入れずに、大場に先行するので、スピード感がありますよね。
【白からのハサミを打たれても大丈夫】
ヒラキを打たなかった場合、右上隅の黒の三子が心配になったりもしますが、もし、白から1と黒の三子に迫ってきたとしても、
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黒2とコスミツケで様子を見て、ハネカケツギを打てばよくあるサバキ形。
現代の碁は、サバキの時にこのハネカケツギを多用します。
黒はAのアテに対してコウに弾いてもいいし、Cなどと打っても構いません。
もし白に、黒4の石をAのアテから取られたとしても、黒はカケツギで守れば、そんなに弱い石ではないのです。
また、Bのハネ出しから、隅の白石を取る狙いも残ります(手筋の問題でよく出る形です)。
なので、もう一度言いますが、
(ハネカケツギを打てばどうにかなるので)
右上隅の黒の石はそんなに弱くないので一手入れなくても大丈夫なのです。
このような考え方は、ちょっと難しいかもしれません。
置き碁の時などはヒラキを打ったり、一手かけても十分だと思います。
互先の碁になると、一手入れずに大場に先行する方が多いという話です。
兎に角、外の黒石は「ハネカケツギを知っていれば、そんなに攻められない」と捉えてみて下さい。
【ノビで打つのが、オススメの形】
今までの説明をまとめると、
「二目の頭をハネずにノビれば簡明」ということですが、
ここで、ちょっとむずかしい変化が残っています。
ここからは有段者向けの話になりますので、下に書いた「ノビに相手もノビてきた場合」の部分は、読みたい人だけで大丈夫です。
最後にあります「級位者でもこう打てば大丈夫という簡単な形」まで飛んで下さい。
4.ノビに相手もノビてきた場合
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相手もノビてきた場合は、黒の応手が難しくなります。
基本的には、黒6のハネ、白7のハネのこの形で黒は先手で切り上げます。
ちょっと不思議な形ですが、この形のまま保留するのが現代の碁の考え方です。後々にAかBか、黒は都合の良い手を選択します。
仮に、もし黒が続けて打つとしたら、黒の自然な手はAにノビですが、
「すぐに」それを打つことは稀になりました。
もし、すぐにAのノビを打つと、白に一本ハイを打たれて黒もノビで対応すると、白にBなどへ先に打たれてしまいます。
上で紹介した【ダイレクト三々、よくある進行】と同じく、白は先手で隅と辺の両方を打ててしまうのです
では、黒は、どうすればいいのか。
Bの辺りに黒石が来るのを待ってからAに打ちたいので、ここでいったん保留します。
右辺を黒っぽくしたいと思うタイミングまで、Aのノビを決めません(後手になってしまうからです)。
この保留するという考え方が、
ダイレクト三々を理解する上でのポイントのひとつです。
(※もう難しいよって人は、「6おまけ ノビて打ってしまいましょう」だけ読んで頂いても良いと思います。)
5.少し難しい変化(欲しい方向が逆の場合)
上の図で、黒Aを保留しますと書きましたが、
逆に黒が右辺を取りたくない、上辺を取りたいって状況もあると思います。
その場合は、黒8のハネをタイミングをみて打ちます。
この定石は、置き碁などで序盤に形を決めたい時も有効です(ただ手数が長くて難しいですよね)。
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※白15は黒8にツナギ。
プロの対局でもよく見かけるこの変化。
これが覚えるの、いちばん難しいと思います。
僕の教室の生徒さんも苦戦していました。
白が、黒10の石に食いついてしまうと隅に閉じ込められてしまうので(そう打つ場合もありますが)、白11と右辺を噛み取ります。
ノビる場合とは逆で、上辺に黒が向かい、右辺が白になります。
黒20はシチョウが良い時の打ち方で、悪い場合は一路下に外して打ちます。
長い定石なので、無理せずに、こういうのもあるんだな程度で眺めてもらうだけでも十分です。ここまで理解できている、この定石を知っているって人は立派な高段者だと思います。
ちなみに、こちらのnoteで、更に詳しく解説しています。↓
興味がある人は、良かったら読んでみて下さい。
6.おまけ もうノビて打ってしまいましょう
ここまでの解説が難しかった人は、覚える必要はありません。
もう、そろそろ、このnoteの結論に入ります。
【もう、どこまでもノビて打ってしまいましょう!】
難しかったなぁって人は、下に示した進行だけ覚えれば十分です。
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もうずっとノビで打って構いません。
白も「車の後押し」なので、参考図のように白9までノビで打ったりはしないと思いますが、とにかく簡明に打ちたいって人は「ノビで打てばいいんだ」と思って頂いて大丈夫です。
厳密にいえば、少し損だったり、先手を取られてしまっていたりもする場合もあるかもしれませんが、(高段者でもなければ)些細な事だと思ってしまいましょう。
大丈夫、アマチュアの碁では、この変化で勝敗は決まりません。慣れてきたら、いろいろな定石に挑戦すれば良いと思います。
今日のnoteでは、
色々な変化図を示しましたが、難しいと感じた人は、最後の簡明な形だけでも覚えて帰って下さい。
以上、
簡単ではありますが、
「みんな使いこなせてる?ダイレクト三々定石の簡単な解説と、簡明なオススメの形」の解説でした。
他にも「4.ノビに相手もノビてきた場合」、「5.少し難しい変化(欲しい方向が逆の場合)」などは、まだまだ変化があるところで、もっと詳しい解説が必要なトコロですが、まずは最初に覚えるべき図を出来るだけ簡明に示したつもりです。
もし気になることがあった人は、コメントで訊いて頂いて構いません。出来る限り更新して追記しようと思います。
それでは、今回のnoteが少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
おまけ
前の記事でも書きましたが、研究会のスポンサーやサポートも募集中です。
最後に、下にありますサポートの文章も載せて終わりにしたいと思います。
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