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【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第13回「第48期棋聖戦七番勝負第1局を眺めてみよう!!」

こんにちは。

IGOcompany【U】です。

財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。

もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、

「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。

本日のnoteは、

【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第13回「第48期棋聖戦七番勝負第1局を眺めてみよう!!」

です。

明日の新百合囲碁学園のSunday碁でも、この棋譜を題材にしようと思っています。

なので、明日の講義を聞く人は、明日以降に読んで下さい(笑。

さてさて、

このシリーズを書くのも、

ちょっとずつ慣れて(?)きました。

以前は、1回で数時間かかって書いていたような気がするんですが(拙い文章ですが、結構時間かかってるんですよ)、

5000字前後なら2時間はかからないくらいで書けるようになりました。

まあ、推敲しようとすると、結構さらに時間が取られちゃうんですが。。。

昨日のnoteも、

ツラツラと書きましたって載せてますけど、

何度も見直して(カドが立たないようにと言いますか)書いたりしましたね(みんな結構関心のある話題だったみたいで、嬉しいことに、いつもの倍の人が読んでくれていたり、かなりリアクションがあったりしました!)。

アラタメテ書いておきますが、

「あくまで個人の拙い意見ですので、こういう考えもあるのかと広い心で読んでもらえると嬉しいです。とくに何か特定のモノを批判するとか(日本って批判すると貶されたって捉える部分もあるんですが、そういう意味じゃなくて一意見の表明です)、そういう意図はありませんので、ご容赦ください!宜しくお願いします!!」

閑話休題(本題に戻すの意)。

さて、

全100回を目指す上達に役立つ棋譜解説シリーズ、

前回の棋譜解説はこちらです。

※必ず前回のnoteを載せていますので、興味があったら遡ってみて下さい。

いつも書いてるんですが、

囲碁の棋力向上の為には、沢山の囲碁の知識に触れることが必要です。

囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないんですね。

応用の連続と言いますか、難しい言葉で表現すると「棋理(囲碁の理屈)」の理解が重要です。

色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、たくさんの棋譜解説を読んで、囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。

身も蓋もない言い方をすれば、兎に角、数をこなさないことには強くならないんですよね(笑。

なので、拙いnoteですが、コツコツせっせと色んなことを書きますので、良かったら眺めてみて頂けると嬉しいです。

今のトコロ、週に1回(以上)のペースで有料記事を更新できているので、このペースで書き続けていきたいですね。

このnoteを読むだけで、年間50局分以上の棋譜解説(や囲碁の記事)を読むことが出来るので棋力向上は間違いなしだと思います!

ほぼほぼ8割以上は無料で読むことが出来ますので、良かったら応援よろしくお願いします。

有料記事は、有料noteのマガジンにまとめておきますので、全部読みたい人は下のバナーをクリックして頂けると喜びます!

購入してもらわなくても、スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、そちらだけでも宜しくお願い致します!!

それでは、始めていきます。

【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第13回「第48期棋聖戦七番勝負第1局を眺めてみよう!!」

参考教材は、こちら。

ちなみに、

自分の教室でプロの棋譜を扱う時は、

難しいので「何かひとつだけでも新しいことを覚えて頂ければ十分です」と念を押したりします。

もちろん、僕は生徒さんからお金を頂いて、自分の囲碁教室で講義しているワケですので沢山の事を解説するのですが、

全部覚えようとするとパンクしてしまう(と思う)ので「何かひとつだけでも新しいことを覚えて頂ければ十分です」。

このようなタイトル戦は、高段者でも理解しにくい攻防がずっと続きますので眺めることに意義があると言いますか、今こういう囲碁の最高峰の戦いがあるんだよって紹介する意図で教材にしたりしていますね。

例えば、今回の第1局では出ていない定石ですが、教室では左下隅の打ち方を解説しているので、それだけを覚えてもらっても十分じゃないかと思います。

それでは、始めていきましょう。

【解説した部分までの総譜 1手目~81手目まで】

第48期棋聖戦七番勝負第1局の初日。

封じ手までの棋譜を参考にしました。

黒 井山裕太王座 白 一力遼棋聖 です。

良かったら、棋譜を並べながら解説を読んでみて下さい。

【1手目~8手目まで】

まあ、どう打っても一局のトコロですが、

白8の一間は少し珍しいなと感じました。

昭和の頃は、よく一間に受けていたんですが、やはり黒からAの急所や、Bのノゾキなどの味があるので、現代の碁では、段々と小ゲイマに受ける方が多くなってきたんですよね。

どう打っても一局だとは思いますが

【白12手目までの局面】

左辺白10のハサミに対して、黒11の手抜き。

例えば、

もし白10のハサミが嫌だったら、黒9で黒は二間ビラキを打っておくのも普通です。

部分的には、白は、白10のハサミに手を抜かれているので、

左下隅を連打するのも自然な発想になります(実戦は、左下隅ばかり打つのも何なんで、白12のコスミツケにまわっています)。

白が左下隅を打つならAやBが考えられます

【参考図①】

左下隅のAやBについて解説。

白1のケイマのカケは、古来から、よく打たれる手です。

黒の石を封鎖して、白は何の不満のない手ですが(級位者の方がこう打って何の悪いこともありません!)、

本当に厳密に言うと、

最近ではちょっと「あまい」かもなと思われている手でもあります。

下辺の白を盛り上げたい時などは白1のケイマのカケがピッタリです

【参考図②】

というのも、

白1のケイマのカケで左下隅が白地になるのなら良いのですが…

黒2とツケる味が残ってしまいます。

黒2とすぐに動くとは限りませんが、部分的には黒2のツケから黒4のハネで黒は「何かしらの手」にはなります。

この何かしらの手があることを囲碁では味があると表現するのですが、白としてみればどうなるかわからないという不安も残るワケですね。

左下隅のこの変化図はあくまで一例です

【参考図③】

ちょっと高段者向けの攻防。

下の図のように白△とあって、白が強ければ黒8の切りに白はAと逃げ出して黒を取る事ができるかもしれません(詰碁)。

黒Bが利けば生き

その前に黒もBのハネが利けば生きとなる可能性もあります。

こちらに関しては、

こちらのnoteで説明した事と同じになりますので、

良かったら読んでみて下さい(高段者向けなんでしょうね)。

【参考図④】

なので、

このようなツケの味があるのが嫌な人は、白1のコスミツケを選択します。

最近は、こちらの方が多い印象です。

この対局では、絶対に黒2と受けないと思いますが(黒は手抜きをします)、部分的にこうなれば白は黒の石を攻めている展開です。

黒を攻める白1のコスミツケ

今回の棋聖戦の解説で、ここまでこの左下の変化を説明する人はいないと思います(笑。

この碁の流れの大筋には関係ないトコロですからね。

僕の囲碁教室は、19路盤入りたてから高段者の方まで通ってくれているので、こうやって棋士の先生の対局の中から、説明したい事を探すのもインストラクターの腕の見せどころ(?)なのかもしれません。

【実戦の進行 黒13手目の局面】

白12のコスミツケに対して、黒はBと立てば普通の進行。

こう打つ一手なのかなと思いましたが、

黒13のノゾキは、絶妙なタイミングの様子見ですね。

ちなみに、これと似たようなノゾキが「ヒカルの碁」で登場していまして、鈴木伸二先生が反応してました(笑。

ヒカルが和谷の師匠の研究会に参加して検討している時の場面ですね。

この黒13に対して、このnoteを読んでくれている皆さんの9割以上はAにツナギがオススメです。Bのハネもあるかもしれません。

実戦の白14は!?

【白24手目までの局面】

実戦は、白14と上辺の星。

今は、こういう風に打つんですね…。

黒15の三々入りから黒23手目まで。

白22は黒石が連絡しないように阻んでいます。

白24のツケは、カッコイイ。

こういうツケの意味を説明すると、

囲碁はツケると「お互いの石が強くなります」

白としては、左上隅の黒は強くなって良いですよ、外側の白の石もその分強くさせてねって気持ちで打っているのだと思ます。

黒は、どうにかその意図を外したい。

現代の碁はツケが多いです

【白26手目の局面】

ちなみに、

下の図、

白26に対して、皆さんはどう打ってみたいでしょうか?

級位者にとっての最善手と、有段者にとっての最善手は違います


※ちょっと行間を空けてみますので、考えてみて下さい。


【参考図⑤】

黒1とツナいだ人は、とても素直です。

碁は連絡にありなので、この手が悪いワケではありません。

むしろ、級位者の方が打ったのだとしたら100点満点だと思います!

この形になれば黒の石は生きていますからね。

しっかり黒が生きて十分一局です

ただし、

有段者(高段者)だと、この変化は白の注文で、白も連絡して強くなってしまうなぁと不満に思うかもしれません。

相手の意図を外し、少しでも工夫して打とうとすると、

実戦のような変化になるでしょう。

もう一度言いますが、級位者の方が打ったのだとしたら(むしろ、よっぽどの高段者じゃない限りは)連絡する手で100点満点だと思います!

【実戦の進行 黒43手目まで】

白が連絡して厚くなるのが好ましくないと、黒は黒27。

白28と出られると、×印の部分が欠け眼になる関係で、黒は完全には生きていません(とはいえ、その分、外側の白も連絡していないのです)。

結果的に言うと、最後の最後のこの黒石が二眼あるかないかで事件と言いますか、勝敗が決した部分があるので、

先程も言いましたが、よっぽどの高段者じゃなければ、連絡して生きておいた方が良いと思います。

白42は、先程「あまい」と言いましたが、この場合は逆に黒に白42の位置に打たれると白の石が分断されてしまうので逃せない急所。

ココに打つ一手でしょう。

白は白42を打たずに済ませたかったのですが…

黒も先手で黒43にまわることができたので、不満はないと思います。

個人的に、次の白44手目は意外でした(でもAIによると最善でした)。

皆さんだったら、どこに打ってみたいですか?

【参考図⑥】

僕だったら、広いのは右辺なので素直に右辺か、

右下隅に手を付けていきそうですが、

実戦と同じように、上辺のケイマの位置が好点のようなんです。

左上隅からの白の石の強弱も関係しているのだと思いますが、狭いトコロに打っているようで、最初はちょっと違和感がありました。

白上辺に打つのが有力

※今回からAIの画像も載せて書いてみます。

どうですか?

白44が大きく見えますか??

この次に、右辺黒45と打たれるとちょっと黒が良いような気がするんですがまだまだ互角の進行です。

【参考図⑦】

白46手目の候補手は、右辺へのカカリ、上辺を広げる手(これも大きいんですね)、下辺への打ち込みやカタツキが考えられるようです。

白46手目は!?

囲碁は盤面が広いので、どう打つのが良いのか難しいですよね。

では、実際に、

一力先生が打った手は!?

【白46手目の局面】

白46!!

ここが良い位置なんですね。。。

難し過ぎて、僕には打てないなぁと思ったりしながら、

棋譜を研究しました。

(しかも、この後、白は白46からの石を捨てますからね)。

白46のケシで十分と思えるのが凄いです!

【実戦の進行 白56手目まで】

ここは分かりやすい(?)トコロ。

白56は、コスミのカドの急所で、

前に紹介した高川先生対木谷先生の対局でも登場した着手ですが、

やや打ち過ぎの意味がある手でもあります。

教室で生徒さんに講義する場合には、まずはA~Cなど「どこでも良いので」弱い石から動くのがオススメですよと解説すると思います。

この辺は、トッププロと、アマチュアとで最善手が違うワケです。

持ち時間も全然違いますからね。

弱い石から動くのが本手です

【実戦の進行 黒73手目まで】

実戦は、白56の打ち込みから、右上隅を生きる方が大きでしょって動いていくんですが、これは流石に難しい。

白の石が分断されて、右下の白石はどうなってしまうのかって思ってしまいます。

一力先生は、白46と打ち込んでからの白石を捨てる方針で打っているんですが、この石を捨てるって発想は、プロならではだよなと感心してしまいました。

実戦の進行

【おまけ】

個人的に、

アレ??って思った右上隅の変化について。

黒が「劇的に良くなる変化があるんじゃないかな」って一瞬思ったんですが、皆さんはどう思いますか??

ヒントは、こちらのnoteにもある変化です。

実際には、それは僕の勝手ヨミで、成立はしないのですが、気になった方はそのおまけ部分をご覧ください。

以下、有料部分です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

いつも以上に文章が長くなってしまいましたね。

これから全100回を目指し、定期的に皆さんに役立つ情報を発信していきますので、応援宜しくお願い致します。

ちなみに、

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【参考図⑧】

この定石になれば、黒が良くなるんじゃないかなと思った変化。

スソガカリからの定石なんですが、黒1の切りから部分的に黒良しになる形にまとまると一瞬思ったんですが、

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