陰謀論と疑似科学にうんざり
確かに世の中には陰謀と呼べるものもあるかも知れない。悪い人間もいるだろう。研究不正もあり得るし、間違いもあるだろう。
今、常識とされる事が逆転する可能性もないとは言えない。
しかし、巷の陰謀論や疑似科学は稚拙である。
何故、あなたが世界を支配する程の闇の組織の陰謀を知り得たのか?
そしてまた、それを発信するあなたが、組織から消されないのは何故か?
何故、あなたは科学者も見分けられない科学知識を持っているのか?本当にその判断は正しいのか?既存の科学が恣意的かも知れないという判断をする自分の判断にはバイアスがかかっていないのか?と問わなければいけない。
幼稚な懐疑論は、素朴な現実感に劣ると私は思っている。その間違いに陥る事なくクリティカルに考える事は想像を絶する程に難しい。
世の陰謀論や疑似科学をカテゴリごとに列挙する事はしないが、共通しているのは安易さ、安直さである。世の中、世界は複雑であり、そんなに簡単ではない。闇と光の対決などではなく、問題は全ての人の死角にある影の問題である。全ての人が間違い得るし、全ての人が錯覚する。これは私も例外ではない。
期限付きの陰謀論や、科学実験によって反証される疑似科学は時が経てば、棄却されるだろう。
しかし、人間の無知や傲慢さに裏付けられた疑い、それも非合理で病的な疑いは尽きる事がなく、形を変えて生き続けるだろう。
ある種の陰謀論者は悪魔が世を支配していると言う。確かに、彼らこそが、そしてまた、こうした根源的な愚かさこそが、人間を唆す魔物のように見えるという事は、私も同意する所である。
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