【まとめ】恋愛について
開催日時:12/4(火)18:15~19:45 参加人数:6名
【議題】
1.「若者の恋愛離れ」は本当に問題なのか。また恋愛は必要か。
2.我々にとって恋愛とは何か。
※ここで言う恋愛は、男女以外のものも指す
【議論の具体的な内容】
1-Ⅰ.「若者の恋愛離れについて」
「問題あり」
・心や感性を培う場所がない、ピンチである
・社会の無秩序化(アミノー)の発生するのではないか。
・価値観のずれと向き合う身近な場所がなくなり、利己的になる。
・近代教育による欲望の抑圧、人間性の否定の結果である。
「問題なし」
・経済状況の悪化で恋愛をする余裕がない。
・出生率の低下、死亡率の低下などの社会の変化の一部である。
・恋愛=幸せ?恋愛によって幸せを感じないのであれば問題ない。
・市場原理だから、需要と供給がマッチしていないのではないか。
→問題ありは、恋愛のもつ正の部分が享受できなくなるという観点から話された。問題なしは、社会状況、その変化の観点からやむを得ないということから話された。
1-Ⅱ.「恋愛は我々に必要か?」
「必要である。」
・したことがないから、したい。
・気持ちよい。
・アイデンティティの比較をする身近な場所である。
・子孫繁栄のため。
・相手の違いを認められる
・殺伐とした競争社会のなかの癒しの場
・守るものが生まれる→責任、挑戦、節制の発生
・女性をものとして、客観視しなくなることのきっかけである。
・パートナーとの接し方を考えることによって、それ以外の他者への接し方を学ぶことができる。
→参加者は皆必要と捉えているようであった。しかし生物的な観点から、教育的な観点まで必要と捉える側面は多様であった。
2.我々にとって恋愛とは何か。
・自分がどのような人なのか、また相手がどのような人なのか勘違いが発生するもの。信頼したら、裏切られる(ブラック企業のよう)。
・承認欲求を満たすもの。
・影響の受信、発信
・ベターハーフ、2人が揃うことによって1つの完全形になること。(異性愛、同性愛、その形態は関係ない。)
・心の豊さを学ぶこと。
・あらゆる面において、全力でぶつかること。
・子供に戻ること(但し、大人の恋愛もあるのでは?)。
・共感性を身に付ける。
・新しい家族をつくること。
・互いを育てること。
・価値観のずれと向き合い、つながりを学ぶ場所。それは、他の人間関係にも応用可能。
・自己中心から脱出する機会(怒りのコントロール、他者理解)
・自由を得られるもの(主観的な自由度は1人でいるよりも、2人でいるときの方が大きいのでは。)
・アルコリズムのない物語(わからない、さぐりさぐりで相手を怒らせたり、喜ばせたり、笑わせたりする。それに対して相対化が起きず、それはまるで物語のようだ)
・価値観の違いが自己肯定を生むという矛盾したもの(相手と向き合うことで、それを前にする自分の思いを見つめ直し、受け止めることができる。)
・空っぽの心の補填。
→「恋愛」というものは、機械的な認識のみならず、何らかの意味づけがされているようだ。とりわけ、「学び」という観点から恋愛を捉えている参加者が多く、この議論も「恋愛から得られる学びとは何か」というかたちで発展した。
【主催者総括】
「若者の恋愛離れ」ということをテーマに今回のサロンは行われた。生物学、脳科学といった観点からは必然的な恋愛も、現在は20、30代の間で「面倒」、「自分の時間を大切にしたい」という理由で遠ざけられているようだ。では、そもそも恋愛とは何なのか。根本的なところから、一歩引いた視点から当事者意識の薄い、「恋バナ」をしようというのが本サロンの狙いである。
印象を覚えたのは「恋愛」と「学び」を結び付ける議論が発展したことだ。もちろん、恋人と過ごすことは本能的なものも多分に存在する。しかし、一番身近で大切にしたい「恋人」との違いに向き合うことによって、「友人」、「他者」、「家族」そして「自分」を考える機会になる。あるところでは、譲り、あるところでは譲れない。自らの本当に大切なものや、自らの改善点を考える、意味付けされた人間教育の場として恋愛は捉えられうるのであるというように考えることができたのであった。
また、近代教育によって「欲望の抑圧」を教え込まれることが「男性の草食化」に繋がっているジレンマが発生しているのではないかという原因を当たる上での「恋愛」と「学び」という議論も、時代と人間の変化に影響される恋愛というものを考えることができ、興味深いと感じたのであった。
「恋愛をする、しないも個人の自由。」言ってしまえば、それだけの話である。しかし、「恋愛」というものに何等かの意味付けをすることによって過去、現在、将来の恋愛に対して、ひいては人間関係、人生に対して、何らかの意味を与えられるのではないだろうか。今回した議論によって、参加者の恋愛への意味付けと人生の意味付けに貢献できたら良い。議論を終えて思うのであった。余談ではあるが、今回のサロンは「恋愛」と親和性の低い主催者個人としても勉強になるばかりであった。(笑)
夜遅い中、お集まりいただきありがとうございました。