メンバーの価値創造への報酬を整えることは組織運営と事業成長の根幹に関わる問題です。ライフスタイルブランド「BOTANIST」、ミニマル美容家電ブランド「SALONIA」などのブランド事業を展開するビューティー企業、株式会社I-ne(アイエヌイー)は事業の急成長に伴い、高度専門人材を適切に評価できる人事制度が不足していたことが課題でした。
課題── 高度専門人材を正当評価する人事制度の不在
I-neは急成長を遂げ、社員数は約300人、2022年の連結売上高は350億円を超えるまでになりました。しかし、I-neの経営企画室室長である松江 朝子氏によれば、急成長した会社の規模に適した人事評価制度が存在しなかったことが主要な課題だったといいます。
最初は自力で人事評価制度の改革を試みましたが、専門家の協力が必要と判断し、コンサルティングファームに依頼することを決定しました。
決め手──「テンプレではなく、I-neを理解した提案だった」
複数のコンサルティングファームの中から、I-neはイグニション・ポイントを選択。その決定の要因について松江氏は「イグニション・ポイントが適切な提案に加えて、伴走者として最も優れていたことが決定打」と語ります。
コンサルティング事業本部ワークデザインユニットのディレクターである石橋も「テンプレートの問題」に同意します。
またこうした「本質的でニュートラルな」やり取りを行う中で、松江氏は「気持ちよくコミュニケーションを取れて話しやすいことが最後の決め手だった」と言います。
石橋は「本質的で中立な」対話を行うことで、良好な関係が築かれたと述べます。
「気持ちよくコミュニケーションが取れる」と感じていただけたのは、伴走を通じたイグニション・ポイントの「ディスカッションを重ねたい想い」と、I-neの「本質を問う企業文化」がマッチした成果と言えるかもしれません。
取り組み── 北極星をめざすメンバーが評価されれば、事業も自ずと成長する
石橋は「I-neさんの成長と目標に基づき、事業成長を支えるメンバーに焦点を当てる制度を提案しました」と語ります。
松江氏も高度専門人材の評価への問題意識を初めから持っていたため、人事評価制度の改革をどのように行うかが、重要なポイントでした。
石橋も肯きながら、どのような考えに基づいて問題点を整理していったのかを語ります。
人事評価制度の等級についても、改めて定義し直しました。
北極星をめざす人を評価すると同時に、そこに至る等級も整備し直すことで、高度専門人材に至るステップを明確にしました。
成果── 10年先を見据え、伴走型で成長を駆動させる人事評価制度を設計
もちろん、制度を設計しただけでは終わりません。いくら言葉で定義しても、評価者により「評価」の基準はばらばらになるため、現場へ定着させる運用のプロセスが不可欠です。現場のマネージャーを巻き込んで、「総論賛成、各論反対」と声の挙がった部分を一つひとつ、現場が納得のいくものにチューニングしていきました。
オンボーディング(運用の定着プロセス)で現場を担当したコンサルティング事業本部 ワークデザインユニット シニアコンサルタントの福井が振り返ります。
現在は引き続き運用フェーズを支援中で、細かなチューニングを通じて、人事評価制度のブラッシュアップを行っています。
石橋「新しい制度は、そのときの最適解ではあっても、運用してみて初めて良い点や問題点が洗い出される部分も多々あります。そのため、私は『運用が8割です』と、運用の重要性を常々お伝えしています」
(記載内容は2023年11月時点のものです)
取材・文:山岸 裕一
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