田舎で家を決める際のチェックポイントは?
電気・ガス・水道。
この基本形をまず疑ってみましょう。
都会に住んでいたら、
あって当り前のことが、田舎では??
ここだと決めた土地に電柱があるかどうか?
これは、大丈夫です。
その家より半径1キロメートル以内に電柱があれば、
電力会社が無料でひいてくれます。
無くても1メートルごとに
幾らかのお金を払えばいいだけです。
次にガス。
これは、当然プロパンです。
ちょっと恐いと思われる方もいるでしょうが、
薪だけで生活するわけにはいきませんから、
あきらめましょう。
最近はオール電化住宅もありますが、
田舎ではいまだに停電がありますので、どうでしょうか。
都会では無くなってきたでしょ。
そして、水道。
これが問題です。
特に山奥では、良くて簡易水道や井戸水、山の涌き水。
その他は、川や谷の水をとってろ過する方法もしくは、
山の上の方に池を作って、
そこに溜まった水を使う方法です。
衛生的かどうかなど考えていては、生きて行けません。
私のところはというと、
山に浸み込んだ水や雨水が流れ出すところから
パイプをひいて、一旦タンクに溜めます。
そこから、電動式ポンプで水をとります。
そして、「除鉄器」という名のろ過器を通り、
「滅菌器」という名の消毒装置から出てくる
塩素を注入し、蛇口へとやって来ます。
仕組みとしては、都会の水道とさほど変わりません。
ここまでしても水をそのまま飲むことはできず、
煮沸してから飲んでいます。
水のことはよ~くチェックしておきましょう。
水が無くては、生活できません。
(現在は水道が引かれ、便利になりました)
もし、古い家を借りたりする場合に
井戸があったとしても、
専門の人に調べてもらってください。
枯れていないか。
また、将来的にはどうか。
水質、水量はどうか。
山や川の水は、水質も大切ですが、
雨や台風の時に濁りや泥が混じったりするので、
管理が大変です。
村などが運営している簡易水道の場合は、
その規模によっては水量が不足する場合があります。
池の水をひいている場合は、
健康な身体づくりに重点を置いてください。
建築会社が作った住宅だから水道は大丈夫だ、
と思うのも危険です。
特に別荘地は注意してください。
水が出なくなった、というような話をよく聞きます。
売るだけ売ったら知らん顔、ということが多いようです。
怒られるかもしれませんが、本当にある話です。
たまにしか来ないから大丈夫だろう、
と安易に考えているのです。
さて、3つをクリアしたら、次はトイレです。
水洗便所で、下水を通って……
などということは田舎にはありません。
まずは、昔ながらのぼっとん便所。
ちょっと進化して、簡易水洗。
これは、少量の水で流して、汲み取り方式。
さらに進化して、単独浄化槽。
これは、トイレの排泄物をタンクに溜め、
バクテリアで分解して、外に捨てるもの。
加えて、生活排水もいっしょに分解してくれるのが
合併浄化槽です。
今、この方式を全国の田舎で推奨しています。
生活排水など、田舎ではだいたいたれ流しですから、
環境にいいわけありません。
うちは合併です。
金額は高いのですが、
自治体でいくらか負担してくれます。
うちは半額でした。
あと、気をつけることは、土地そのものです。
山を削った造成地か、はたまた埋め立てたところか。
地盤の問題です。
山を削った土地なら、残っている山側の崖は
どうしているかをチェックしましょう。
崩れる危険を考えます。
埋め立てたところは、
埋めてからどれくらいの年数が経っているか。
10年経ったところは大丈夫だと聞きました。
私の村(現在は町)でこんなことがありました。
どこかの業者が、川べりの土地を造成して
住宅を幾つか売り出しました。
しかし、その土地は地盤がゆるく、
川が増水した時にどうなるか
わからないところだったのです。
その近くの人たちはみんなそのことを知っていて、
心配していました。
幾つかが売れたようですが、その後、役場の方で、
できる限り危険なことを
知らせるようにしたみたいですが、
どうなったかは知りません。
やはり、なんでも地元の人に聞いてみるのが一番ですね。
最後にひとつ。
地震の無い土地を選びましょう。
日本ではなかなか難しいですが……。
私たちはこの地に来る前、比較的軽かったのですが、
阪神淡路大震災にあっています。
子供は小さかったので覚えていませんが、
私と家内はやや後遺症があります。
小さな地震でも、震度以上に恐怖を感じるのです。
みなさんは、安心して暮らせる土地を探してください。