【まち村】シャッターを外せば、シャッター通りではなくなる。
全国に広がるシャッター通り商店街。量販店・ショッピングセンターの台頭により、一軒また一軒とシャッターを下ろしていく。寂れた商店街には、貧乏神が舞い降り、冷たい風を吹き込んでしまう。こうなると、時すでに遅し。99%、打つ手はない。
あちらこちらの地域で、産官学連携での支援に取り組んでいるが、成果を上げているという話はほとんど聞かない。私は、さまざまな事例を見ているが、そのどれもが的外れだと言わざるを得ない。
もっとも間違っている支援は、“集客”を第一に考えているもの。「人が来ないのだから、来るようにしよう」と、イベントを企画してしまうことである。
芸能人を呼んだり、縁日を開催したり。無料カフェや結婚式など。1日限りのイベントに力を入れている場合が多い。集客に成功したとしても、後には続かない。
まったくの無駄。効果はゼロ。なぜ、商店街に人が来なくなったのか、という根本を考えなければならない。
量販店に人が行くようになったのはなぜか。価格の安さもあるのだが、1ヵ所で買い物を済ませることができるからである。利便性を優先させた結果が、量販店の選択なのである。それだけではない。品揃えの豊富さも大きな要因となっている。
価格・利便性・品揃え。これらを兼ね備えた量販店に、個人商店軍団はどう立ち向かえば良いのか。
その答えは、難しく語るまでもなく、「個性の強い店になる」である。量販店に無いものを“売り”にするしか、方法はない。99%打つ手はないと言ったが、残り1%がこれである。
量販店に無ければ、個人商店に行くしかない。そんな個性を持った店を生み出すことができれば、量販店など、もう怖くはない。敵は存在しなくなる。シャッター通り商店街に必要なのは、そんな店である。
だが現状では、戦意喪失した店主たちが愚痴ばかりをこぼし、新しいことに取り組む意欲もない。
そんな寂れた商店街をなんとかしようと政府が支援策を打ち出しているが、税金の減免や補助金の支給など、いつものように金のバラまきのみで、効果的な具体策は持ち合わせていない。どうすれば良いのかもわからない商店街に、金だけを渡したところで、捨て金になってしまうだけである。
シャッター通りを解決するには、まずはシャッターを外してしまうことが重要なのである。シャッターがなければ、不名誉な名前で呼ばれることはなくなる。
つまり、言いたいのは、日中にシャッターが下りないように、空き店舗をなくすことが最重要課題なのである。そのためには、イベントの開催ではなく、まずは商店街に個性の強い店を集めることから始めなければならない。
現在営業している店も、やる気になって真剣に個性づくりに取り組むべきである。「歳を取っているから、もうできない。若い人たちに託したい」などと逃げていては、絶対に成功しない。その及び腰が、シャッター通りを作ったのである。
このままでは、日本中どこも同じの、つまらない量販店ばかりになってしまう。消費者は、楽しい店・面白い店で買い物をしたいのである。
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