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お客さまになりきる。

私は、お客さまの立場でモノを考え、
お客さまの目線でお店を見ます。

“ここは、こうすればいいのに”とか
“あんなやり方ダメだ”と、
好き勝手なことを言っています。

仕事柄、人一倍気になるということもありますが、
こうした感覚は、誰でも持っています。

みなさんだって、他のお店に行った時には、
あれこれ不満も出てくるはずです。

“こうすれば良くなるのに!”という発想も出てきます。

その時点では、みなさんもお客さまの目線で
お店を捉えることができているのです。

でも、いざ自分のお店のこととなると見えなくなります。

それは、なぜでしょうか?

ハッキリ言って、自分に対する「甘え」です。

“面倒だ”“疲れる”“ザボリたい”という気持ちが、
心のどこかにあるのです。

また、“そんなことをしてもムダだろう”という、
やる前からの言い訳もあります。

他のお店に対しては厳しさを持っているのに、
自分に対しては、甘えがあるのです。

誰でもそうです。
私もそうです。

しかし、もう一歩踏み出して、
「お客さまの立場」で考えてみることが重要です。

この当り前のことができていないお店が多いのです。

“考えているけど、わからないよ”
という方もおられるでしょうが、
それは、頭だけでちょこっと考えただけなのです。

身体で考えていません。

自分のお店に来てくれるお客さま、
来て欲しいお客さまが、
どんな方なのかをじっくり考える必要があります。

また、そのお客さまになりきって、
自分のお店を訪ねてみましょう。

もし、腰の曲がったような
お年寄りのお客さまが多いのなら、
重いものを詰め込んだリュックを背負い、
腰を曲げて歩き、杖をついてみるのです。

手も不自由になっていますから、手袋もします。

足に重りもつけます。

これくらいしなければ、
このお客さまの気持ちはわかりません。

よく中高生の体験学習で、目隠しをして街を歩いたり、
車椅子にのってみたりしていますが、
まずはやってみなければわからないからです。

小さな子どもが相手なら、
かなり低い位置に商品を陳列しなければなりません。

子どもに優しい人は、子どもとお話をする時には、
同じ高さに目線を持っていき、話します。

そうじゃない人は、上から見下ろしながら話します。

お客さまと同じ立場、同じ位置にならなければ、
その気持ちはわからないということです。

やってみれば、
いままで気づかなかったことが見えてきます。

すると、そのお客さまが望んでいる
お店の創り方がわかるのです。

みなさんも仕事を離れれば、一消費者です。

お客さまの立場になることはたやすいはず。

自分のお店のお客さまになりきってみましょう。

「がんこじじい」になって、文句を言ってみましょう。

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佐藤きよあき
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