POPは、売り込み上手な店員さん。
POP広告。
日本語で“販売時点広告”と訳されるこの広告は、
大変重要な役割を果たしています。
何も書いていない売り場で、
商品に興味を持っていただき、
手に取っていただくことは、なかなかできません。
とても優れたディスプレイができていたとしても、
POP1つに負けることがあります。
つまり、言葉で語りかけるからです。
何か書いてあると、お客さまはつい読んでしまいます。
そこに、気の利いた言葉や目を引くデザインがあれば、
ディスプレイよりも効果的なPRができます。
POPライターという、専門の職業があるくらいですから、
その重要性がわかります。
このPOPを自店で制作、
もしくはプロに頼んでオリジナルを作って、
うまく活用しているお店は、繁盛しています。
手書きの広告には、あたたかさがあります。
人を惹きつける魅力があります。
もちろん、ある程度デザインされたものがいいのですが。
たとえ、字が汚くても、読みやすくて、
丁寧に書かれたものなら、お客さまは読んでくれます。
商店街の古くからあるお店などでは、
このようなPOP広告はたくさんあります。
しかし、どのお店もその扱い方に気遣いがありません。
やたらとたくさんぶらさげたり、
とにかく書けば良いという感じで、
汚いものが多いのです。
やはり、それなりにPOPの作り方があります。
「POPの作り方」というような本も出ていますので、
参考にしてください。
デザイン面に注意することはもちろんですが、
もっとも大切なのは、言葉です。
お客さまが手に取りたくなるようなフレーズです。
単に「キリリッと決めるフレッシュマンスーツ」
と書いても、お客さまは興味を示しません。
「商談成立・好印象スーツ」や
「やる気がムクムクわいてくるスーツ」と書いた方が、
お客さまの心を捉えます。
「冷麺、始めました」より、
「爽やかなすっぱさが美味しい季節になりました。
冷麺、ご注文ください」
の方が、暑くなる頃のお客さまにはアピールできます。
このようなフレーズを書いたPOP広告は、
そこにあるだけで、立派な営業マンになってくれます。
上手に売り込んでくれるのです。
やる気の無い店員より、よほど役に立ちます。
経費もかかりませんし。
しかし、フレーズはじっくり考える必要があります。
注意することは、
お客さまが商品・サービスを利用した時を
イメージしやすい言葉で書くこと。
ただ、それだけです。
できるだけ具体的な言葉がいいのです。
多くのお店が、
メーカーからもらったPOPやポスターを使っています。
誰もそんなものは見ません。
お店のイメージを損なうだけです。
どこのお店に行っても、同じものがあります。
これでは、そのお店らしさが出なくなります。
お客さまに伝えたい言葉を、心を込めて書きましょう。
きっと、見てくれます。
きっと、手に取っていただけます。