大阪西成の「ドヤ街」が、『中華街』に生まれ変わる!?
大阪市西成区に、通称「あいりん地区」と呼ばれる「ドヤ街」がある。日雇い労働者やホームレスが、全国から集まって来る地域である。
長年に渡って「ドヤ街」のレッテルを貼られていたが、当時の大阪市長であった橋下徹氏の“西成特区構想”をキッカケに、平穏な街へと生まれ変わろうとしている。
まだまだ発展途上ではあるが、いま大きなうねりが起き始めている。チャイナマネーの介入である。中国人経営者たちが集まり、「チャイナタウン構想」を打ち立てたのである。
なぜ、彼らがこの地域に目をつけたのか。第一には、土地が安いこと。「ドヤ街」であったことでイメージが悪く、土地を格安で手に入れることができる。
さらに、大阪万博の開催やIRの誘致計画がある場所に近いことから、宿泊客を引き込むことができると見ている。特区構想以降、“民泊”が増え、すでに外国人観光客の宿泊が増えている。
今後も町中で“民泊”の建設は進む。一戸建ての空家もリフォームして活用されている。
また、中国人経営者による「カラオケ居酒屋」が、乱立し始めている。セット料金(チャージ)がなく、カラオケも1曲100円と安いため、日本人の客が大勢集まっている。
安くしなければ客の集まらない地域であることを知った上での中国人流の経営である。まず人を集めることができれば、他のビジネスもやりやすくなる。
さらに、この地の商店街はいわゆる“シャッター通り”となっているが、ここもまた、チャイナマネーが再生計画を立てている。中国人経営者による、中国人相手の店を作ろうとしている。
いまはほとんど空き店舗となっているが、やがて「中華商店街」となるだろう。現在、商店街で生き残っている日本人経営者には不安もある。
“中華一色”になってしまうこと。活性化することは良いが、ごく普通の日本の店では売れなくなる可能性があるからである。
もし中華街になれば、その不安は的中するだろう。だが、中国人が介入しているいま、時すでに遅しである。街は急速に変貌していくだろうが、これを批判することはできない。
「ドヤ街」が生まれ変わるのである。明るく活気ある街となるかもしれない。横浜・神戸のような観光地となる可能性は高い。
チャイナマネー、恐るべし。されど、期待する。