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いばらき?いばらぎ? どっちが正しい、茨城

『茨城県は「いばらきけん」であって「いばらぎけん」ではない!」』と力説される方は多い。そういう人は万一「いばらぎ」という言葉を耳にしようものなら、特撮ファンが「ウルトラマンセブン」という名前を聞いてしまったときと同じように詰め寄ってくるので厄介だ。
いやマンセブンは許せぬ

始めに結論ありき。どちらも正しいんです。茨城県民である私が解説しましょう。



五十音順と農産物出荷量と道路の総延長距離なら上位の茨城県も、魅力度なんちゃらでは47都道府県では下位常連。
人々の話題にのぼる機会の少なさからか、その読み方をめぐっても

北関東イジリ番組や、


webメディアでもネタに詰まると現れる(


当の茨城県も『廃藩置県のときから「いばらき」です』と強弁するが、

じゃ何だよ、これは。

さすが、「茨城県設置の日を茨城県民の日にしていたら、その日は茨城県設置の日じゃなかった」ことを外部研究者から指摘された茨城県である。
写真で示した通り、茨城県自身が各地に掲示している一部の看板(最近は更新が進んでいるが)でも「いばらぎ」と表示しているし、これは「にほん、にっぽん」同様にどちらも正解だと考える方が自然。では、

なんで「イバラギ読みは間違いだ」と言われるようになったか。

実は、たかだか20年ほど前のこと。
「茨城はイバラギじゃなくてイバラキだっぺよ」と主張する個人サイトが注目されて話題となり、書籍化(2004年初版)もされている。それ以前は誰も気にしていなかったのが実情。だから

NHKの朝ドラで木村佳乃が「イバラギじゃねえです。イバラキです」と言ったのは時代考証の誤りだっぺよ。



国レベルになると、かな表記が求められる場合には大阪の茨木市との混同を避けるために「いばらぎ、イバラギ」の表記が使われることもある。漁船の登録や無線局の呼び出し符号でもイバラギ表記は使われていた。
ほとんどの人が知らないのがクルマのナンバープレートだろう。但しレアな状況でだが。


旅行などで自家用車ごと渡航する場合、一部の限られた国を除くと日本のナンバープレートはそのまま使えない。「国際ナンバー」や「海外渡航ナンバー」と呼ばれる数字はそのままながら、かな・漢字をアルファベットに置き換えたナンバー表示をしなくてはならないことが国際条約で決められている。

「TKS」は品川ナンバー

海外渡航の際の自動車一時持ち出しでは登録都道府県の漢字2文字のカシラそれぞれの頭文字、管轄運輸支局名アルファベットあたま1文字を組合せるルールになっている。従って水戸ナンバーはMITOではなく「IGM」となる。当然IGは「Ibara-Gi」だ。なんでこうなったかというと、

五十音順で石川県の方が先にくるから。

バよりシが前ゆえに「IKナンバー」は石川県のものになった次第。

とまあ、公的には読みが使い分けられている茨城。「イバラキ読みが正しい!」という主張を否定しようなんて思ってもいません。
本稿はオモシロおかしく読んでもらうのが目的。書いてあることはホントですが、笑い話として読むべき内容です。くれぐれも詰め寄らないよーに(

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