たまご
先日、高校からの友人と、ある映画を観た
それは、『461個のおべんとう』
これは、人気ヒップホップバンド
TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さんの書いたエッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』に基づいて作られた映画だ
あらすじはこちらから
ネタバレになりすぎると良くないので詳しくは話せないけれど、印象に残ったところだけ言葉にして残しておきたい
映画の冒頭に虹輝のナレーションで
これは毎日のお弁当の話だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
たしかに、映画を観終わった感想としてはこのナレーションは間違いではない、
ただ、たかがお弁当、されどお弁当
このお弁当のおかげて2人の人生が変わっていくのだ
一樹は、どれだけ仕事が大変でも朝まで呑んで帰ってきても必ずお弁当を作った、まったく手を抜かずに
1年留年して高校に入った虹輝にとって、なかなかクラスでの居場所を見つけるのが大変だったが、そのお弁当のおかげでヒロミと章雄という、いわゆるいつメンと呼べる友達が出来た、いつもお昼を一緒食べるようになる
そんなお弁当には毎日必ず入ってるおかずがあった、それは玉子焼きだ
ある日、晩御飯を食べている時、一樹は虹輝に聞いた
毎日玉子焼き入ってたら飽きるか?まあ工夫はするんだけどさあ〜?と、
虹輝は少し考えた後にこう言った
美味しいものは毎日美味しいからいいよ。
この何気ない一言に、わたしの目から涙がツーっと零れ落ちた
ただの質問の答え、玉子焼きへの感想、だけではないんじゃないかなと
毎日どんな時もお弁当を作ってくれて、父子家庭で大変なはずなのに自分としっかり向き合って生きてくれる一樹への感謝が込められてるなあ、なんて解釈してみたら勝手に頬が濡れていた
他にも、何気ない生活の中でさらっと流れてしまうような台詞が、この2人から発されることによって全て説得力があって、大事な言葉達に変換されて聞こえた
あと、わたしが思ったことは音について
お弁当等の調理してる時ときの、食材を切る音、お湯を沸かす音、揚げ物してる音、炒めている音、どれもが心地よかった
どこか繊細で、主張してるようでしていないようで、でもハッキリと耳に入ってきた
これだけではない、劇中で一樹が組んでいる人気バンドTen 4 The Sunsのライブシーン
Ten 4 The Sunsのメンバーは一樹の他に
古市 栄太(KREVA)と河上利也(やついいちろう)の2人がいる
劇中に歌われる歌は、この原作を描いている渡辺さんとKREVAが携わって制作されている、ラップ部分はKREVAが全て作詞作曲したそう
ジャニーズの中でも歌の上手いと評判である一樹を演じるV6の井ノ原さんの柔らかい温かい歌声と、KREVAの心地よいラップと、リズムが、最強の楽曲を作り上げていた、耳が潤うってこういうことか、と
改めて振り返れば、ナレーションの通り、毎日のお弁当の話であってそれ以上でもそれ以下でもないのだ、でもそれが2人が生きていく上で大事な、大切な、ものであって過ごしてきた時間全てにおいて背中を押してくれたのがお弁当だった
ここ最近で観た映画で1番心が温まった、自分の人生を改めて考えさせられた映画だった
この映画を観たあと、やっぱり美味しい物が食べたくなって居酒屋で玉子焼きを頼んだ話は余談