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「猿の惑星 キングダム」ウェス・ボール

どんな映画か(ネタバレなし)

2024年ついに「猿の惑星」の7年ぶりとなる新作が公開された。
「猿の惑星」といえば、1968年に第1作目が公開された誰もが知る人気シリーズであり、最近だと新シリーズが2011年から3部作で公開されていた。
「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」「猿の惑星 新世紀(ライジング)」「猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)」である。
この3部作から7年空いて、この度完全新作として公開されたのが「猿の惑星 キングダム」である。
舞台としては、前3部作の300年後を描いているため、完全なる新シリーズと言ってよい。(もちろん、一部前作の世界観などは引き継がれている)
かくいう私は、正直言って前3部作を見ていなかった。
当時は「猿の惑星」と言っても、かつての作品のリブート版くらいにしか捉えておらず、追いかけていなかった。
ただ、今回完全新作の公開ということで映画館でチェックしてみた。
結果として、完全に猿の惑星の世界にハマってしまい、すぐに前3部作も見直した程だった。
詳細の感想は、次項にて書いていきたい。

映画の感想(ネタバレあり)

まず、映画館で本作を見た率直な感想は、「猿かっけええ!!!」である笑
リアルな毛並みや質感、人間と同等かそれ以上の表情や感情表現。
スクリーンの中で、完全に猿が演じているのである。
もちろん、本作も人間は登場するが、前3部作に比べて人間の登場回数は少ない。
どちらかというと猿がメインで、全3部作が人間vs猿を描いているとすれば、今作は猿vs猿(+多少の人間)である。
つまり、主人公も猿、その友人も猿、道中導いてくれるのも猿、敵も猿。
ほとんど猿なのである。
だからこそ、猿がどのように感じ考えているかが重要になるのだが、それが面白いように読み取れる
人間が演じる作品を見ているのと、特に変わりなく鑑賞できるのだ。
ここに関しては、「アバター」を初めて見た時の感想に近いものがあるかもしれない。
人間以外の生命体が人間のように振る舞うことを楽しむことは、それこそ人間らしさに他ならないと思うのだが、近年の映像表現の進化に改めて驚かされた。

そして、次に魅了されたのはその世界観である。
本作は全3部作の300年後という設定でありながら、前3部作の世界観を完全に引き継いでいる
主人公のノアがいるイーグル族は、前3部作の主人公であるシーザーが守り抜いた猿の世界が多部族に分かれた1つの部族であるし、道中に導いてくれるラカはシーザーの物語(信仰)を語り継いでいる。
つまり、前3部作を引き継ぎつつ、その世界観を大きく拡張させた物語が本作なのである。
前3部作の1作目で、主人公の人間ウィルが父親を救うために新薬を投与した1匹の猿から始まった小さな物語が、まさに「猿の惑星」と化して続いていく大スペクタクルに成長していく
まるで、クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービが、砂漠の惑星でアナキン少年と出会うところから銀河を巻き込む大スペクタクルが始まっていくようである。

そして、本作では度々、主人公の猿ノアが天体望遠鏡で空を覗き込む描写がある。(この時の、瞳の描き方もとてもリアルだ)
果たしてこの「猿の惑星」は、地球を超えて銀河にまで繋がっていくのだろうか。
旧約聖書で洪水から家族と地上の生物たちを救ったノアのように、この主人公ノアの物語は歴史的な英雄譚となっていくのか。
本作も当然続編が計画されているということなので、ますます今後の「猿の惑星」から目が離せない。

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