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ポスト2020生物多様性枠組、およびCBD COP15において期待される成果

こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月2日に行われるISAPのテーマ別会合10について見どころを紹介したいと思います。

ISAPの中でもとりわけタイムリーなこのセッション。テーマである生物多様性条約の第15回締約国会議(CBD COP15)は12月7日から始まりますので、その直前にCOP15の内容を解説するものになります。

COP15の最大の議題となるのは、「ポスト2020生物多様性枠組」の採択です。2010年に日本で開催されたCOP10において、2050年までに「自然と共生する世界」の構築を目指して定められたいわゆる戦略計画2011-2020と愛知目標の実施期間がおととし終わって、その後継となるのがポスト2020生物多様性枠組です。しかし、コロナ禍によりCOP自体が開催できず、今も議論が続けられています。

ようやく開かれるCOP15では、この数年で積みあがった様々な課題も議論される予定で、てんこ盛りの会議になりそうです。このISAPセッションでは、IGES生物多様性と森林領域のディレクターであるアンドレ・マダーがCOP15の主な論点を解説するほか、ゲストの登壇者も交え、どういった成果が期待できるかを議論します。

マダーによると、紛糾が予想される議題には、生物のDNAの塩基配列などをデータ化したデジタル・シークエンス・インフォメーション(DSI)の問題があるそうです。非常に専門的ではありますが、争点や落としどころについても話題が広がりそうです。

環境問題というと、イメージしやすい異常気象や農作物被害などの気候変動問題に目が行きがちです。しかし、人類の活動により減少の一途を辿る生物多様性の問題も根深く、気候変動とも密接に関わるもので、この関係を念頭に同時解決をめざす、自然を活かしたソリューション(NbS)も注目されています。国際的な議論がどこまで進んでいるのか、皆さんも視聴してみてはいかがでしょう。


「ISAP Now!」では、地球環境戦略研究機関(IGES)内のISAP事務局担当者が、ISAPのセッションに関する情報を紹介します。(このマガジンの詳細はこちら)。


文責:津高 政志 IGES戦略マネージメントオフィス シニアプログラムコーディネーター(プロフィール

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